2026-10-17 コメント投稿する ▼
神谷宗幣氏、欧州視察から「グローバリズムの落とし穴」を国会で指摘
そこで神谷議員は、政府が検討している「物価対策」としての消費税減税について、「賃上げを促す政策」としても位置づけるべきだと提案しました。 各国が受け入れの「量」を管理している現状を踏まえ、神谷議員は、日本が外国人の増加で人口減少を補う戦略をとるのか疑問を呈し、今後策定される人口総合戦略に、外国人受け入れの具体的な数値目標や上限設定を設けるべきだと主張しました。
経済的衰退と購買力の低下
神谷議員は、夏の国会閉会中にカナダ、オランダ、ドイツ、フランス、スペインといった欧州各国を訪問し、政治家や有識者、現地住民らと意見交換を行いました。約25年ぶりの欧州訪問で痛感したのは、かつて日本よりも物価が安かったこれらの国々で、宿泊費や食費が円換算で非常に高くなっていた現実です。これは、相対的な日本の経済力の低下と円の購買力の低下を如実に示しています。
具体的な数字も衝撃的です。世界銀行の2025年のデータによると、一人当たり名目GDPはオランダが約7万3700ドル(約1100万円)、ドイツが約6万5000ドル(約910万円)であるのに対し、日本は約3万6000ドル(約540万円)と、主要欧州諸国に大きく水をあけられています。オランダの半分、ドイツの約3分の1という状況です。国民が懸命に働いているにもかかわらず、この経済格差が生じている原因は、これまでの日本の経済政策の誤りにあると神谷議員は指摘しました。
賃上げ促進と消費税減税の提案
神谷議員は、昨年就任した総理が掲げた「積極財政」への期待に触れつつも、1年が経過してもその転換を実感できていないと述べました。国際的に見て日本の物価や資産が相対的に安くなっている現状は、外国人や外国企業にとって「買いやすい国」となっていることを意味します。この状況を打開するためには、緩やかな物価上昇を上回るペースでの所得向上、すなわち賃上げが不可欠であると訴えました。
しかし、現状の賃上げは余力のある大企業に限られ、中小企業への波及は十分ではありません。そこで神谷議員は、政府が検討している「物価対策」としての消費税減税について、「賃上げを促す政策」としても位置づけるべきだと提案しました。総理が「消費税減税をしても、店が同じ価格で売れば風評被害につながる」と発言したことに言及し、国民に協力を求めるのであれば、「消費税を一律減税するから、その分、従業員の賃金を上げてほしい」と企業に働きかけるべきだと主張しました。
さらに、低所得者層の食費負担軽減策として、日本人の主食である米を活用した「お米券」の給付を提案しました。これは、家計を助けるだけでなく、米価の乱高下で苦しむ農家への支援にもつながります。食品のみの消費税減税では業種間の影響に差が生じ、補助金対応などの複雑さやコスト増を招く一方、お米券はより直接的かつ効果的に国民生活と農業を支援できるというのです。
「産業主権」とエネルギー政策の再考
神谷議員は、政府が掲げる積極財政の重点項目である「危機管理投資」において、「産業主権の維持」という考え方を明確に位置づけるよう求めました。アメリカのトランプ前大統領が新たな製鉄所建設を発表した例を挙げ、自国で重要産業を維持することの重要性を強調。鉄鋼、造船、半導体素材といった日本の基幹産業が、高いエネルギーコスト、過度な規制、国内需要の低迷などにより、生産拠点が海外へ流出すれば、いざという時に国内で何も生産できなくなるリスクがあると警鐘を鳴らしました。
ドイツ訪問時にも、現地のAfD(ドイツのための選択肢)議員らと「産業主権」について意見交換した結果、ドイツもGDPで日本を抜いたものの、生産コスト高から海外への生産拠点移転が進み、国内の生産基盤が弱まっているという課題を抱えていることを共有したといいます。
また、ドイツでは再生可能エネルギーへの急速な転換を進めた結果、電気料金が家庭向けで約3割、企業向けで約4割も上昇し、製造業の競争力低下が大きな政治問題となっている現状にも言及しました。神谷議員は、日本も「脱炭素」という理念を優先するあまり、国民生活や産業基盤を損なう「同じ轍を踏まない」よう強く訴えました。そして、家計や企業に重くのしかかる再エネ賦課金について、補助金終了に合わせて廃止、あるいは大幅な縮減を行い、電力料金を恒久的に引き下げる制度改革を総理に求めました。
食料安全保障と移民政策の課題
食料安全保障の観点からは、米国産生鮮ジャガイモの輸入規制緩和に関する議論に疑問を呈しました。北海道ではジャガイモシストセンチュウの侵入を防ぐため、長年、多額の公費と労力をかけて防除や作付制限が続けられています。このような国内農業が弱体化し、多大な負担を強いられている状況で、さらに侵入・蔓延のリスクを伴う輸入規制緩和を進める理由はないと指摘。今回の規制緩和が、純粋な植物防疫上の判断なのか、あるいは日米間の通商上の要請が背景にあるのか、判断の透明性と国内農業保護の優先を政府に求めました。
さらに、欧州各国で目の当たりにした移民政策の現実についても言及しました。移民の集住地域では「国の中に別の国ができている」かのような状況も存在し、教育、医療、社会保障などに多額の行政コストがかかり、住民サービスにしわ寄せが及ぶといった話を聞いたといいます。「日本は我々と同じ失敗を繰り返さないように」というアドバイスも受けたとのことです。
各国が受け入れの「量」を管理している現状を踏まえ、神谷議員は、日本が外国人の増加で人口減少を補う戦略をとるのか疑問を呈し、今後策定される人口総合戦略に、外国人受け入れの具体的な数値目標や上限設定を設けるべきだと主張しました。
まとめ
- 参政党の神谷宗幣議員は、欧州視察を通じて日本の相対的経済衰退を指摘し、グローバリズムの行き過ぎが各国の国益を損ねていると国会で警鐘を鳴らしました。
- 消費税減税は、単なる物価対策ではなく、企業に賃上げを促す政策として位置づけるべきだと提案しました。
- 「産業主権」の維持を危機管理投資に明確に含めること、また、エネルギー政策の見直しによる電力料金の恒久的引き下げを求めました。
- 食料安全保障の観点から、国内農業保護を優先し、米国産ジャガイモ輸入規制緩和の慎重な判断を政府に促しました。
- 外国人受け入れについては、各国が「量」を管理している現状を踏まえ、日本の人口総合戦略に具体的な数値目標や上限設定を設けるべきだと主張しました。
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