2026-10-13 コメント: 1件 ▼
高見康裕氏の生活道路30キロ見直し論は筋違い ナビ反映と中央線が先
2026年10月13日の衆議院予算委員会で、自由民主党(自民党)の高見康裕氏(青年局長)が、生活道路の時速30キロ引き下げを巡り、運用の見直しを求めました。しかし、中央線がある道路は時速60キロのままで、標識による例外も設けられるため、規制は「一律」ではありません。葉梨康弘氏(国家公安委員長)も、約3600カ所で見直しを行ったと説明しています。狭い道路では歩行者や自転車の被害が大きくなりやすく、ナビアプリが生活道路を抜け道として案内する問題も指摘されています。本記事では、高見氏の主張がなぜ的外れなのか、そしてナビアプリが生活道路の30キロを早急に反映すべき理由を解説します。
高見康裕氏が生活道路の時速30キロ見直しを求めました
2026年10月13日の衆議院予算委員会で、自由民主党(自民党)の高見康裕氏(青年局長)が、生活道路の時速30キロという法定速度について、運用の見直しを求めました。法定速度とは、標識で速度が決まっていない道路で守らなければならない最高の速度のことです。2026年9月1日に施行された改正道路交通法施行令(法律を実際に動かすための国の決まり)によって、中央線がない道路や住宅街の狭い道路などの上限は、時速60キロから時速30キロへ引き下げられました。高見氏は、通学路や民家が多い場所では注意が必要だとして、30キロに一定の理解を示しました。
一方で高見氏は、特に地方では一律に30キロとすることが趣旨にそぐわない道路が多数あると訴えました。高見氏によると、法律の制定から施行までの2年3カ月の間は苦情が一件もなかったものの、2026年9月1日以降は毎週のように声が届いているそうです。実態に合わない道路を都道府県警察と連携して早急に把握し、必要な場所に40キロ、50キロ、60キロの標識を設置するよう提案しました。
これに対し、葉梨康弘氏(国家公安委員長)は、地方では道路の幅や交通量の面から一律30キロが実態に合わない道路もあると承知していると応じました。そのうえで、2年3カ月の間に約3600カ所で道路標識の設置や中央線を引く対応を行ったと説明し、引き続き都道府県警察を指導する考えを示しました。苦情が寄せられているという事実は軽くありません。しかし、制度の仕組みに照らすと、高見氏の提案は的が外れているのではないでしょうか。
生活道路は「一律」ではない 中央線があれば時速60キロのまま
警察庁や各県の案内によると、時速30キロになるのは、道路標識や道路標示による中央線や、車線を分ける区分が設けられていない一般道路です。つまり、中央線が引かれている道路は、これまでどおり時速60キロのままです。さらに、道路標識や道路標示で最高速度が指定されている道路は、その指定された速度が優先されます。40キロの標識がある道路は、40キロのままということです。
高見氏が求めた40キロ、50キロ、60キロの標識の設置は、新しい制度をつくらなくても、すでにある仕組みでできることです。つまり、実態に合わない道路に例外を設けられる仕組みは、最初から用意されています。葉梨氏の説明では、2年3カ月の間に約3600カ所で見直しが行われました。「一律」という批判は、制度の中身を正確に捉えているとは言えません。
人通りが少なくて幅に余裕があり、中央線を引ける道路であれば、中央線を引けば済む話です。反対に、中央線を引けないほど狭い道路で、時速60キロの走行を認めたらどうなるでしょうか。そこに暮らす住民にとっては、家の前を高速で車が走り抜ける、大きな危険になります。
中央線を引けばいいだけの話ですよね。引けないほど狭い道で60キロを出されたら、住んでいる私たちは怖くて仕方ありません。
抜け道に使われる住宅街 ルールを守る車を責められるのでしょうか
「人通りのほとんどない道路でも30キロにする必要があるのか」という声も紹介されました。しかし、狭い道路では、家の門や路地から人や自転車が急に出てくることがあります。県警が公表している資料では、幅の狭い道路では、歩いている人や自転車に乗っている人が死傷する割合が高いとされています。また、車と歩行者がぶつかった場合、時速30キロを超えると歩行者が亡くなる確率が高くなることも、同じ資料に示されています。
うちの前の道は幅が狭いのに、60キロで走られたらと思うと本当に怖いです。30キロは当たり前のルールにしてほしいです。
ナビアプリが到着時間の短い道を優先して案内すると、渋滞する大通りを避けた車が住宅街の細い道に入り込み、抜け道としての利用につながりやすいと、民間の解説では指摘されています。地元の事情を知らない車が次々と通れば、そこで暮らす人は不安を感じます。通過する車が増えるほど、「人通りが少ない」という前提は崩れていきます。
ナビに案内された見知らぬ車が、毎日のように家の前を通ります。子どもが飛び出したらと思うと、ひやひやします。
高見氏が紹介した声の中には、60キロ制限の道路でも30キロで走る車があり、渋滞を招いているというものがありました。30キロが上限の道路で30キロで走る車は、法律を守っているだけです。60キロの道路で30キロで走る車が出るのは、どちらの道路なのかがドライバーに伝わっていないからであり、見直すべきは規制ではなく周知のしかたです。法を守って走る車を責める議論では、住宅街の安全は守れません。
高見氏は、小学生をスクールバスで見送る保護者から、後ろの車が車間距離を詰めたり、追い抜いたりするという声も寄せられていると紹介しました。乗り降りする子どもが事故にあわないか心配になるのは当然です。その危険を生んでいるのは、法定速度を守るバスではなく、前の車を急かす運転のほうです。取り締まりや啓発が必要なのは、そちらではないでしょうか。
ルールを守って30キロで走る車を、渋滞の原因のように言うのは違うと思います。急かす側の運転こそ問題にしてほしいです。
ナビアプリは生活道路の30キロを早急に反映すべきです
高見氏は、30キロなのか60キロなのかドライバーの間に共通認識がないまま車が走っている状況は非常に危険だと述べました。この点は、その通りだと考えます。時速30キロの対象になる道路には、新たな標識が設置されないため、ドライバーが自分で気づく手段が少ないからです。2026年8月に発表された民間の調査では、対象の道路と変更前後の法定速度を正しく理解しているドライバーは1割に満たなかったという結果も出ています。
そこで重要になるのが、ナビアプリの対応です。道案内に使うドライバーは多く、画面に表示される制限速度は大きな手がかりになります。地図データを手がける事業者の一部は、2026年9月1日から法改正後の速度規制に対応したデータの提供を始めたと発表しています。ナビアプリの事業者には、生活道路の制限速度を30キロとして表示し、到着時間の計算にも反映することを、早急に進めてほしいと思います。
30キロを前提に所要時間が計算されれば、生活道路を通る利点は小さくなります。大通りを選ぶ車が増え、住宅街へ入り込む車を減らす一助になるのではないでしょうか。
ナビの制限速度表示が30キロに変わらないと、ルールを知らないまま走る人は減りません。事業者の皆さんには早く対応してほしいです。
見直すべきは、規制そのものではありません。必要なのは、中央線を引くこと、標識で例外を設けること、そしてナビアプリで30キロを正しく伝えることです。この三つを進めることが、苦情の解消と子どもや高齢者の安全の両立につながります。国や警察庁には、地図やナビの事業者への働きかけも含め、周知の徹底を求めたいところです。
まとめ
- 2026年10月13日、自民党の高見康裕氏が衆院予算委員会で、生活道路の一律30キロの見直しを求めました
- 中央線がある道路は時速60キロのままで、標識で指定された速度が優先されるため、規制は「一律」ではありません
- 葉梨康弘氏(国家公安委員長)は、約3600カ所で標識の設置や中央線を引く見直しを行ったと説明しました
- 幅の狭い道路では歩行者や自転車の死傷割合が高く、30キロを守る車を責める議論は筋違いです
- ナビアプリは生活道路の制限速度を30キロとして表示し、到着時間の計算にも早急に反映すべきです
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