2026-10-13 コメント投稿する ▼
簗和生氏と国交省の面談記録なし 道路予算発言の説明責任を問う
道路予算を「カットした」と発言した簗和生氏(農林水産相)と、国土交通省の当時の官房長が2026年2月中旬に議員会館で行った面談について、井林辰憲氏(国土交通相)は2026年10月13日、「記録自体が作成されていない」と述べました。国交省は内閣府のガイドラインを踏まえ、作成を要しない場合にあたると判断したと説明し、削減の働きかけはなかったと主張しています。しかし、面談の中身を後から確かめる記録がなく、その説明を裏づけられません。自民党栃木県連の幹事長も説明責任を求めています。税金の配分を巡る疑念を晴らすには、記録の作成と公開が欠かせません。
2026年2月中旬、簗氏は議員会館で、国土交通省(国交省)の黒田昌義氏(当時の官房長)と会っています。予算を担当する役所と、予算について発言した政治家との面談の面談記録が、そもそも存在しないというのです。税金の使い道にかかわる話だけに、国民が疑問に思うのは当然です。
簗和生氏の「カットした」発言と、ここまでの経緯
発端は、2026年5月に栃木県内で開かれた地元の懇親会での発言でした。簗氏が、栃木県那須烏山市と那珂川町の本年度の道路予算を「大幅にカットした」という趣旨の話をしたことが、音声データをもとに報じられました。
簗氏は2026年10月2日の会見で発言を認め、「誤解を招くような言いぶり」と釈明しました。2026年10月5日には発言を撤回して陳謝し、「私の意向で予算が左右できるかのような発言をしたことは極めて不適切」「担当省庁に予算削減の働き掛けをした事実はない」と述べています。さらに2026年10月8日の参議院本会議では、「事実と異なる発言をしてしまった」と認めました。
一方、国交省は2026年10月6日に省内調査の結果を公表し、「報道されているような形で道路予算が削減された事実はない」と説明しました。2026年10月9日には井林氏が「配分への影響は一切ない」と述べています。2026年2月中旬の面談については、簗氏から2市町の2026年度道路予算の「問い合わせ」があったものの、削減の働きかけはなかったと主張しています。
発言をした本人は「事実と異なる」と認め、役所は「働きかけはなかった」と説明しています。それでも、なぜ「大幅にカットした」という話が地元で語られたのか、面談で実際に何が話されたのかは、はっきりしていません。
井林辰憲氏が語った「記録自体が作成されていない」
2026年10月13日の会見で、記者は「細かくなくても何らかのメモは作っていなかったのか」と尋ねました。井林氏は「記録自体が作成されていない」と繰り返し、メモの有無についてはっきりした答えはありませんでした。前官房長からは「細かいメモはない」と聞いているとしたうえで、その発言は「記録自体が作成されていないことを述べたもの」と説明しています。また、黒田氏は自治体の名前を忘れないように覚えて帰ってきたと報告を受けているとも話しました。
井林氏は、議員からの問い合わせは内閣府の「行政文書の管理に関するガイドライン」を踏まえて記録の要否を判断しており、今回は作成を要しない場合にあたると説明しています。同じ趣旨の説明は、2026年10月9日の会見でもありました。これに対し記者は、開示請求をしていることも指摘し、文書の存在について法に沿って答えるよう求めました。
予算を担当する立場の官房長が、議員会館で議員と会い、2つの市と町の名前を聞いて帰ってきました。国交省の説明を聞く限り、その中身を後から確かめる手がかりは、官房長の記憶くらいしか見当たりません。
「大事な面談なのに記録が一切ないなんて、普通の会社なら考えられません。後から誰も確かめられないですよね。」
「予算の話をしたのに、覚えて帰ってきたでは済みませんよ。税金の使い道なのに、説明が軽すぎます。」
後から検証できない面談が残す大きな問題
公文書管理法は、行政機関の職員に、意思決定に至る経緯や事務・事業の実績を、後から検証できるよう文書にすることを求めています。ただし、処理にかかる事案が軽微な場合は除くという定めもあり、国交省は今回、ガイドラインを踏まえて作成を要しない場合にあたると判断したということです。
ここで考えたいのは、記録が要るか要らないかを、記録を残す側の役所が自分で決めているという点です。後から政治家の発言をきっかけに疑いが持たれた面談について、役所の「働きかけはなかった」という説明を裏づける記録がありません。説明を確かめたくても、国民は役所の言葉を信じるしかなくなります。これでは疑いは晴れず、国民の疑問は残ったままです。
国交省は、道路関連の予算の配分について「地方公共団体からの要望や事業の進捗状況、重点配分対象の有無等を総合的に勘案」して決めていると説明しています。公平に決めたと言うのであれば、その過程を国民が確かめられる形で示すことが、疑いを晴らす一番の近道です。
税金を使う以上、何のために、いくら、どう配分したのかを数字と記録で示すのが基本です。外国への援助でも、国内の交付金でも、考え方は同じです。数字も記録もない説明では、国民の理解を得ることはできません。
「発言を撤回して謝ったから終わりにはなりません。何を話したのか、自分の口でちゃんと説明してほしいです。」
「地元の市や町は予算に振り回される立場です。国や党は、住民が納得できる説明をしてください。」
自民党に問われる説明責任
批判は野党だけではありません。自民党栃木県連の日向野義幸幹事長は、2026年10月10日の報道によると、簗氏の発言を「県民・国民の期待を大きく損なう発言」と批判し、「しっかりと説明責任を果たして職責を果たすことが彼自身の責任の取り方」と述べました。党の地元組織からも、説明を求める声が上がっているのです。
高市早苗氏(首相)は2026年10月8日の参議院本会議で、簗氏の発言について「不適切だと考えたので厳しく注意した」と答えました。簗氏は閣僚にとどまっています。注意をしたという事実と、国民が知りたい事実は別のものです。面談で何を聞かれ、何を答えたのかを、本人と国交省が具体的に語らなければ、疑問は残り続けます。
衆議院予算委員会は、2026年10月13日と14日に開かれる予定とされています。ここが説明を尽くす場になります。「これが省庁と自民党の体質なのか」と疑う声が出るのも、無理はありません。議員が予算について役所に問い合わせた場合は必ず記録を残し、後から確かめられるようにすべきです。記録を残すルールの明確化こそが、信頼を取り戻す最低条件です。
開示請求しても出てくる文書がないなら、確かめようがありません。記録を残す仕組みから見直してほしいです。
まとめ
- 井林辰憲氏(国土交通相)は2026年10月13日、簗和生氏(農林水産相)と国交省の当時の官房長との面談について「記録自体が作成されていない」と述べました。
- 国交省は、内閣府のガイドラインを踏まえ、記録は作成を要しない場合にあたると判断したと説明しています。
- 簗氏は発言を撤回して陳謝し、「事実と異なる発言をしてしまった」と認めました。国交省は削減の働きかけはなかったとしています。
- 面談の中身を後から確かめる記録がなく、国交省の「働きかけはなかった」という説明を裏づけられません。
- 予算委員会などの場で、本人と国交省が具体的な説明を尽くすことと、記録を残すルールの明確化が求められます。
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