2026-10-22 コメント投稿する ▼
浦添市新体育館の14億円超負担 百条委で設計業者証言 松本哲治市長の説明責任
沖縄県浦添市の新市民体育館の新築工事で、市に14億円以上の追加負担が生じた問題をめぐり、2026年10月21日、市議会の第9回百条委員会が開かれました。設計業者の担当者は、契約前に「市は工事費が億単位で不足していることを認識していた」と証言し、「積算ミス」とする市の説明を否定しました。市は2026年1月の住民説明会で、約12億円を独自に負担すると説明していました。また、当時の都市建設部長は市長らに報告したと証言し、松本哲治市長は報告を受けていないと答弁しており、双方の言い分が食い違っています。市民の税金が使われる問題だけに、誰が何を知っていたのかの解明が焦点です。浦添市の新体育館をめぐる経緯と論点を整理します。
浦添市の新体育館で工事費不足、百条委員会で設計業者が証言
沖縄県浦添市の多目的運動施設(新市民体育館)の新築工事で、市に14億円以上の追加負担が生じた問題をめぐり、2026年10月21日、市議会の第9回調査特別委員会(百条委員会)が開かれました。上原聖也氏(委員長)のもとで開かれた委員会には、実施設計を受託した会社の代表と担当者が参考人として出席しました。市の税金が大きく動く浦添市の新体育館の問題が、新たな局面を迎えています。
会社の担当者は、工事請負業者との契約前に「(市は)工事費が億単位で不足していることを認識していた」と明らかにしました。市はこれまで、追加負担の原因を「積算ミス」などと説明してきました。積算とは、工事にいくらかかるかを計算することです。今回の証言はその説明を否定するもので、この日は同じように市側の説明を否定する証言が相次ぎました。事業の進め方そのものが問われる場面となりました。
百条委員会とは、地方自治法100条に基づき、議会が関係者を呼んで事実を調べることができる特別な委員会です。浦添市議会では初めての設置で、2026年3月9日に賛成20人で設置が決まりました。委員は12人で、設計や積算、補助金の申請が適切に行われたか、工事費が増えた経緯を明らかにすることを目的としています。
「積算ミス」と説明した市は住民説明会で何を語ったか
この施設について、市の資料では、本体工事に防衛省の補助を、可動観覧席や音響照明など、観るスポーツのための設備には内閣府の補助を、それぞれ活用する計画でした。ところが工事費に問題が生じ、市は2026年1月15日、約100人が参加した住民説明会を開きました。松本哲治氏(浦添市長)が謝罪し、再発防止策を示しました。
市の説明によると、設計業者の積算ミスを担当部署が見逃したまま、工事を発注したということです。国の補助が得られず、一般財源と起債(市が借金をすること)で、約12億円を市が独自に負担するとしました。総工事費は、2023年度の78億8千万円から、2026年度の段階で97億6100万円に増えています。また、建築確認済証が交付される前に工事を発注したことについて、市は不適切だったと認めました。建築確認とは、建物が法律に合っているかを工事の前に確認する手続きです。
一方、設計業者の側は、この説明に納得していませんでした。2026年6月には、業者の弁護士が、市が業者のミスに起因するかのように説明したことに抗議し、撤回と謝罪を求める抗議書を送っていたことが分かりました。市の説明をめぐる食い違いは、10月の証言の前から表に出ていました。
市長への「報告」めぐる食い違いと架空の建物での申請
食い違いは設計業者だけではありません。2026年9月25日、百条委で初めて参考人として呼ばれた仲西信雄氏(当時の都市建設部長)は、国から補助の対象外と指摘された工事費を、2024年9月の市の内部会議で報告したと証言しました。この会議には松本市長らが出席していたということです。一方、松本氏は2026年9月15日の市議会で、2024年9月の会議について「対象外であるという報告は受けていない」と答弁しています。仲西氏は「報告した」、市長は「報告は受けていない」と、双方の言い分は食い違ったままです。
さらに10月21日の委員会では、建築確認の申請をめぐり、2024年4月に市の指示で実際とは異なる「架空の建物」で申請したとの設計業者の証言も報じられています。誰がどのような判断で指示したのかは、今後の調査で明らかにされる必要があります。市側がこれらの証言にどう答えるかが焦点です。
SNSでは、こうした証言に対して次のような声が出ています。
「契約前から足りないと分かっていたなら、積算ミスという説明は何だったのでしょうか。」
「元部長は報告したと言い、市長は聞いていないと言っています。どちらが本当なのか、はっきりさせてほしいです。」
14億円超の負担、市民が求める説明とは
市の独自負担は、1月の説明では約12億円でしたが、10月の報道では14億円以上とされています。金額に違いがある理由や内訳は、今後きちんと示される必要があります。この負担は一般財源と起債でまかなわれるため、最終的には市民の税金が使われることになります。
1月の住民説明会では、市民から、専門家に問題を検証してほしいという意見や、問題が表に出てから1年以上たっても周知が足りず、市に真剣さが見えないという批判が出ていました。公共工事の費用が膨らめば、そのしわ寄せは最終的に住民に及びます。税金は、市民から預かった大切なお金です。誰が何をいつ知り、どう判断したのかを、市は市民に分かる形で示す責任があります。
「結局この十数億円は市民の税金です。誰が決めて誰が責任を取るのか、納得できる説明を求めます。」
「架空の建物で申請したという証言が本当なら、議会に本当のことを伝えていなかったことになりませんか。」
「住民説明会でも周知が足りないという声が出ていました。百条委の中身をもっと分かりやすく公開してほしいです。」
工事費の不足を市がいつ、誰が知っていたのかが、いま問われています。真相の解明と、市民への丁寧な説明が強く求められます。
まとめ
- 2026年10月21日、浦添市議会の第9回百条委員会で、設計業者の担当者が「契約前に市は工事費が億単位で不足していると認識していた」と証言しました。
- 市は2026年1月の住民説明会で、設計業者の積算ミスを担当部署が見逃したと説明し、約12億円を市が独自に負担するとしていました。
- 2026年9月には、当時の都市建設部長が市長らに報告したと証言し、市長は報告を受けていないと答弁するなど、双方の言い分が食い違っています。
- 追加負担は10月の報道で14億円以上とされ、最終的には市民の税金が使われます。誰が何を知っていたのかの解明が求められています。