2026-10-19 コメント: 1件 ▼
高市早苗首相が予算配分の記録義務付けを見送り 簗和生氏の問題で残る疑問
高市早苗首相は2026年10月19日の参議院予算委員会で、国会議員から府省庁への予算配分の問い合わせについて、記録の作成と保存を一律に義務付けることは現時点では考えていないと答弁しました。背景には、簗和生氏(前農林水産相)が国土交通省に道路予算を問い合わせた問題があります。問い合わせ自体は認められていますが、中身を示す記録はなく、簗氏も明確には覚えていないと述べており、働きかけがあったかどうかを後から確かめられません。記録は紙でなくても、電子的に残して検索できる仕組みを作れば済みます。予算配分の記録義務付けを見送る首相の姿勢を、事実に基づいて検証します。
高市早苗首相が予算配分の記録義務付けを見送り
2026年10月19日の参議院予算委員会で、国会議員から府省庁へ予算配分についての問い合わせがあった場合に、その記録を残す必要があるかが取り上げられました。高市早苗氏(首相)は「一律に記録の作成、保存を義務付けることは、行政の効率的な運営の観点から現時点では考えていない」と述べ、義務付けを見送る考えを示しました。
この質疑の背景には、簗和生氏(前農林水産相)をめぐる問題があります。簗氏は、農相に就任する前の2026年5月、自由民主党(自民党)の支部の懇親会で、自分を支援しなかった首長のいる自治体の道路予算を大幅に減らしたという趣旨の発言をしたと報じられました。簗氏は2026年10月2日に表現が一部誤解を招いたと説明し、2026年10月5日に発言を撤回して謝罪しています。そして2026年10月14日に辞表を提出し、首相が受け取りました。報道では事実上の更迭と伝えられています。
首相は2026年10月16日の参議院予算委員会で、国会の開会中に大臣が辞任する事態になったことを陳謝し、任命責任を重く受け止めると述べました。それでも2026年10月19日の答弁では、問い合わせの記録を残す義務付けには踏み込みませんでした。
簗和生氏の問い合わせで何があったのか
国土交通省の説明によると、簗氏は2026年2月中旬ごろ、2026年度の配分額が決まる前に、国交省の幹部へ栃木県の那須烏山市と那珂川町の道路関連の交付金について問い合わせました。相手は佐々木紀氏(当時の副大臣)と、黒田昌義氏(当時の官房長)だったとされています。簗氏も、問い合わせをしたこと自体は認めています。
国交省は2026年10月6日に調査結果を公表し、簗氏による減額の働きかけや圧力はなかったと判断しました。2026年度の道路関連の交付金は前年度に比べ、那須烏山市で26.2%、那珂川町で54.1%減りましたが、国交省は工事の進み具合などに応じて適切に配分したと説明しています。前年度から5割以上減った自治体は、ほかにもありました。
一方で、肝心の問い合わせの中身は分かっていません。簗氏本人は、照会の内容を「明確に覚えているわけではない」と述べたと報じられています。国交省は問い合わせの記録を作っておらず、井林辰憲氏(国土交通相)は2026年10月9日の会見で、記録は「作成を要しない場合にあたる」と判断したと説明しました。黒田氏についても、細かいメモはないと説明していると伝えられています。
こうした説明について、次のような受け止めがあります。
問い合わせたことは認めているのに、何を話したかは誰にも分かりません。これでは確かめようがないです。
記録がなければ事実を確かめられない
役所の仕事の記録を残すことは、公文書等の管理に関する法律(公文書管理法)に基づく決まりで定められています。この法律に基づく指針は、軽微な案件を除き、文書を作ることを求めています。国交省は、今回の対応はその例外規定に沿ったものだったとしています。
しかし、問われているのは、国会議員の問い合わせが予算の配分に影響したかどうかです。それを後から確かめる最も確かな手がかりは、予算配分に関する問い合わせの記録です。記録がなければ、本人の記憶と役所の説明を並べて見ることしかできません。「働きかけはなかった」という国交省の判断も、問い合わせの内容を示す記録が残っていないため、外から確かめることができません。
国民民主党(国民民主)の玉木雄一郎氏(代表)は2026年10月8日、記者団に、国交省に記録は「残っているはず」と述べ、記録を出すことが大事だと訴えたと報じられています。さらに玉木氏は、役人はメモを取るのが仕事で、記録がなければ内規に違反しうるとも指摘しました。
こうした状況について、次のような声があります。
「言った言わないで終わらせる仕組みのままでは、税金の配分を信用できません。」
「大臣が辞めるほどの問題なのに、記録を残す話にならないのが不思議です。」
記録は紙でなくても残せる
首相は2026年10月16日の参議院予算委員会で、予算配分の金額が増えたり減ったりした場合に、その理由も公開できないか検討を指示したと明らかにしました。公開を進めようとする姿勢は前向きです。しかし、増減の理由を公開しても、その前の段階の「誰が、いつ、何を問い合わせたのか」が残っていなければ、公開された内容を確かめることはできません。入口の記録を義務付けないまま出口の公開だけを充実させても、今回のような検証できない状態は変わりません。
首相は義務付けを見送る理由に、行政の効率的な運営を挙げました。しかし、記録は紙に書く必要はありません。いつ、誰が、どの部署に、何を問い合わせたのかを、電子的に入力して保存する仕組みを作れば、職員の負担を抑えながら記録を残すことができます。後から検索できる簡単なデータベースを整えれば、今回のように事実が分からなくなる問題も防ぎやすくなります。
記録の残し方についても、次のような意見があります。
「紙じゃなくていいです。日時と相手と内容を入力して残すだけなら、手間は大きくないと思います。」
「効率が理由なら、電子化して減らすのが筋です。記録を残さない理由にはなりません。」
国民が納めた税金の配分を、議員がどう動かしたのかを後から確かめられることは、政治への信頼の土台です。簗氏の問題で、確かめる材料が残っていないことが明らかになりました。首相には、「現時点では考えていない」と答えるだけでなく、記録を残す仕組みづくりへ早急に動く責任があります。
まとめ
- 高市早苗氏(首相)は2026年10月19日の参議院予算委員会で、予算配分の問い合わせの記録を一律に義務付けることは現時点では考えていないと答弁しました。
- 簗和生氏は2026年2月中旬ごろ、国交省に2市町の配分額を問い合わせたことを認めていますが、中身を示す記録はなく、本人も明確には覚えていないと述べています。
- 国交省は働きかけはなかったと判断しましたが、その判断を外から確かめる記録が残っていません。
- 記録は紙でなくてもよく、電子的に残して検索できる仕組みを作ることが、事実を確かめるために必要です。
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