2026-10-22 コメント投稿する ▼
「架空の建物」で建築確認申請か 浦添市の新市民体育館、松本哲治市長に説明責任
沖縄県浦添市の新市民体育館(多目的運動施設)の新築工事を巡り、実施設計業者が、2024年4月の建築確認申請の前に、市の指示で実際とは異なる「架空の建物」で申請していたと証言しました。用途が「観覧場」に変わった後、「議会対策」として観覧席などが図面から削除されたとされています。百条委員会では、市の「積算ミス」説明を否定する証言も出ました。松本哲治市長の説明責任と、国の補助を受けられない約12億2000万円の負担問題をあわせて整理します。議会に示された図面や説明が事実どおりだったのかは、行政への信頼に関わる問題です。市側が今回の証言にどう答えるかが、今後の焦点となります。
浦添市の新市民体育館で明らかになった「架空の建物」の申請
沖縄県浦添市が建設を進める浦添市多目的運動施設(新市民体育館)を巡り、新たな証言が明らかになりました。実施設計を担当した業者が、2024年4月に本来の建物の建築確認申請を行う前、市の指示で実際の建物とは異なる「架空の建物」で申請していたと証言したのです。この事実は2026年10月21日に分かりました。
実施設計の段階で、この施設の用途は「観覧場」に変わっていたとされています。観覧場とは、一般に、観客席を備えて不特定多数の人にスポーツや催し物を見せる建物の区分です。報道によると、当時の市の担当者が「議会対策」として、観覧席などを図面から削除させたとされています。ただし、市が実際にそのような指示を出したのかどうかについては、見出しでも「指示か」と疑問形で伝えられており、今後の調査で明らかにされる必要があります。
建築確認申請とは、建物を建てる前に、その設計が建築基準法などのルールに合っているかを、自治体や検査機関に確認してもらう手続きです。この手続きは、申請した内容と実際に建てる建物が同じであることを前提にしています。申請した建物と実際の建物が違うという証言は、それだけ重い意味を持ちます。
百条委員会の場で語られた設計業者の証言
今回の証言は、浦添市議会が設置した調査特別委員会、いわゆる百条委員会の場で出されました。百条委員会とは、地方自治法第100条に基づき、関係者に出頭や証言、記録の提出を求めることができる議会の委員会です。浦添市議会は2026年3月9日付の決議で、委員12人による「多目的運動施設新築工事に関する調査特別委員会」の設置を決めています。
2026年10月21日の第9回調査特別委員会には、実施設計業者の代表と担当者が参考人として招かれました。報道によると、担当者は、工事を請け負う業者との契約を結ぶ前から、市は工事費が億単位で足りないことを認識していたと証言しました。市がこれまで説明してきた「積算ミス」という理由を否定する内容です。
「架空の建物で申請したなんて、本当だとしたら驚きです。税金で建てる体育館なのに、何を信じればいいのでしょうか」
「議会に通すために観覧席を消した図面を使ったのなら、議会をだましたことになりませんか。きちんと調べてほしいです」
12億円を超える負担と続いてきた説明の食い違い
この体育館を巡っては、以前から費用の問題が続いてきました。2024年12月には、建築確認を終える前に工事の契約を結んでいたことなどが問題視され、市議会が松本哲治氏(浦添市長)への問責決議を行いました。その後、国の補助を受けられない工事費が約12億2000万円に上ることが分かり、2026年1月の住民説明会で、その費用が市の負担になることが明らかにされました。追加の負担額は、報道によって12億円台から14億円以上までと幅があります。
2026年1月の説明会で、市は費用が増えた原因を「市と業者双方のミス」と説明しました。これに対して業者側は「虚偽かつ不当」だとする抗議書を送り、市は1月の市議会臨時会で、責任は市にあると訂正して業者に謝罪しました。市の説明が途中で変わってきたことは、事実として押さえておく必要があります。
追加で十数億円も市民が負担するかもしれないのに、説明が二転三転していて納得できません
2026年9月25日には、百条委員会が初めての参考人招致を行いました。仲西信雄氏(前都市建設部長)は、補助の対象外となる工事費を2024年9月の会議で市長らに報告したと証言しています。これは松本市長側の認識と食い違うと報じられました。同じ出来事について、双方の説明が食い違っています。
税金で建てる公共施設に求められる説明責任
公共施設は、市民が納めた税金で建てられます。議会は市民の代表として、予算や契約、図面をもとに事業の中身を審査する役割を担っています。その議会に示される図面や説明が、実際の建物と違っていたのであれば、審査の前提そのものが成り立ちません。議会に示した資料が事実かどうかは、行政への信頼に直結する問題です。
百条委員会は、松本市長にも説明を求めることを確認しています。市長は、今回の設計業者の証言に対して、事実関係を自らの言葉で明らかにする責任があります。市が「議会対策」として観覧席を削除させたという証言が事実かどうか、そして誰が判断したのかが、今後の調査で明らかにされる必要があります。
「市長は百条委員会で自分の言葉でしっかり説明してください。責任の所在をはっきりさせてほしいです」
「体育館の完成は楽しみでしたが、まず市民の信頼を取り戻すのが先ではないでしょうか」
市側が今回の証言にどう答えるかが、今後の焦点です。新しい体育館は、本来なら市民がスポーツを楽しむための大切な施設です。だからこそ、工事費の問題だけでなく、設計や申請の過程に誤りがなかったのかを、一つずつ丁寧に確かめる必要があります。
まとめ
- 設計業者が、2024年4月の建築確認申請の前に、市の指示で「架空の建物」で申請していたと証言しました。
- 実施設計の段階で用途が「観覧場」に変わり、「議会対策」として観覧席などが図面から削除されたとされています。
- 証言は2026年10月21日の百条委員会で出されました。市の「積算ミス」という説明を否定する内容も含まれます。
- 国の補助を受けられない工事費は約12億2000万円とされ、報道によって追加負担の額に幅があります。