2026-10-22 コメント投稿する ▼
斎藤元彦知事が民泊規制を強化、淡路島の非常駐型民泊に住民との事前合意を求める
兵庫県の斎藤元彦氏(兵庫県知事)は2026年10月22日、民泊規制の強化案を発表しました。苦情が多いスタッフ常駐でない非常駐型民泊について、周辺住民との事前の合意形成、責任者を記した標識の設置、宿泊者へのルール説明、業務改善命令と営業者名の公表を県条例で定めるとしています。淡路島では旅館業法に基づく宿泊施設が2019年度の316件から2023年度に531件へ増え、騒音やゴミ出しをめぐる住民の苦情が出ていました。大阪市や新宿区など全国で民泊への規制が強まるなか、兵庫県の民泊規制が実効性を持つかが焦点です。観光と住民の平穏な暮らしをどう両立させるのか、施行時期などの詳細とあわせて注目されます。
斎藤元彦知事が民泊規制の強化案を発表
兵庫県の斎藤元彦氏(兵庫県知事)は2026年10月22日の記者会見で、県内の民泊に対する新たな規制強化策を発表しました。県条例を改正して、斎藤氏が「全国的にも最も厳しい水準」と位置づける規制案をまとめたとしています。対象となるのは、スタッフが常駐しない非常駐型民泊です。
兵庫県には、大阪市などの都市部で問題になっている国家戦略特区法に基づく「特区民泊」はありません。一方で、旅館業法に基づく簡易宿所として営業する民泊が、近年になって増えています。斎藤氏によると、その半分以上が淡路島内にあるということです。
騒音やゴミ出しをめぐる周辺住民からの苦情が増えたため、県は2025年度に県民局へ対策連絡協議会を設置しました。斎藤氏は淡路島の住民から直接話を聞き、関係者とともに対応を検討してきたと説明しています。今回の案は、その検討を経て取りまとめられたものです。
淡路島で増える民泊と住民の苦情
淡路島では、民泊の増加がはっきりと数字に表れています。県の洲本健康福祉事務所の集計では、旅館業法に基づく宿泊施設は2019年度の316件から、2023年度には531件へと約200件増えました。県の担当者は、増えた分のほとんどが民泊だと説明しています。
背景にあるのは、2018年の旅館業法の緩和です。オンラインで本人確認ができれば、無人でも管理できるようになりました。営業日数などの制限がゆるい旅館業法での申請が多く、民家を使った小規模な施設が、農村部から住宅地まで広がっています。
洲本市の住宅街では、深夜の大声で眠れない、無断で車を止められる、バーベキューの煙が流れ込む、庭にたばこの吸い殻を捨てられるといった声が出ています。警察に通報した住民もいます。警察は2025年1月の時点で、苦情の多くが若者グループの宿泊時に集中していること、そして開業の際に事業者と住民の合意ができていないことが問題だと指摘していました。
旅館業法は衛生管理が主な目的で、近隣トラブルを理由に営業の許可を取り消すことができません。このため行政も対応に苦慮してきました。住民にとっては、困っていても頼れる仕組みが少なかったというのが実情です。
「うちの近所にも無人の民泊がありますが、夜中の話し声と早朝のゴミ出しが本当にきついです。事前に住民の合意を取るのは当たり前だと思います」
「観光で淡路島が盛り上がるのはうれしいですが、住んでいる人の暮らしが犠牲になるのは違います。ルールを守らない事業者は名前を公表されて当然です」
非常駐型民泊に課される4つのルール
今回の案で、斎藤氏は特に苦情の多い非常駐型民泊に、次の4つを定めるとしています。1つ目は、周辺住民との事前の合意形成です。2つ目は、責任者などを記載した標識の設置の義務化です。3つ目は、宿泊者へのゴミ出しや騒音に関するルールを説明することの義務化です。4つ目は、業務改善命令と営業者名の公表です。
県にはすでに、民泊新法に基づく民泊について、届出の前に周辺住民への説明会を開いて報告書を出すよう求める条例があります。学校などの周辺100メートル以内や住居専用地域での営業を制限する決まりもあります。今回の案は旅館業法に基づく非常駐型が対象で、「説明」にとどまらず「合意形成」を求めるところが大きな特徴です。ただし、合意をどのような形で確認するのかなど細かい運用については、県の今後の発表を確認する必要があります。
標識に責任者などが書かれていれば、騒音やゴミで困ったときに、住民はどこへ連絡すればよいのかがひと目で分かります。宿泊者へのルール説明が義務になれば、国内外から訪れる人にも、その土地の決まりを守ってもらいやすくなります。これは迎える側の当然の務めでもあります。
業務改善命令に従わなかった場合などに営業者名が公表されれば、管理責任を果たさない事業者には大きな痛手になります。斎藤氏は「営業者の管理責任を明確にし、違反時の公表制度を導入することで実効性を高める」と述べています。
責任者の名前と連絡先が看板に出るのは安心です。何かあったとき、どこに電話すればいいか分からないのが一番困るので
全国で広がる民泊規制と兵庫県の立ち位置
民泊への規制は、全国で強まっています。大阪市は、特区民泊の新規受付を2026年5月29日に終了しました。市は、騒音やごみなどをめぐる近隣住民とのトラブルを未然に防ぐことを理由に挙げています。新宿区も2026年9月に、住宅地や学校周辺での民泊営業を原則として禁止する方針が報じられました。
国の動きも変わっています。2026年7月には、国が自治体に向けて、条例で新規の民泊を禁止したり、営業日数をゼロ日にしたりする規制を設けられるとの通知を出したと報じられました。これまで国は、こうした立地の規制を「適切ではない」としてきたため、大きな方針転換とされています。
こうしたなかで、兵庫県は事前の「合意形成」を前面に出しました。斎藤氏は、観光客を増やして地域経済を活性化させることは大変重要だとしつつ、過度な騒音などで周辺の人々の平穏な暮らしが損なわれることがあってはならないと強調しています。観光の恩恵は、そこで暮らす人たちの生活が守られてこそ続いていくものです。
「規制が厳しくなって、真面目にやっている宿まで減らないか心配です。線引きと運用をきちんと見せてほしいです」
「公表だけで本当に歯止めになるのでしょうか。同じ違反を繰り返す業者には、もう一段厳しい対応も考えてほしいです」
県がこの案をいつ議会に提出し、いつから施行するのかは、今後の発表が待たれます。迷惑行為を許さず、ルールを守る事業者が正当に評価される環境を整えられるかどうか。淡路島で暮らす人々の目は、実効性という一点に注がれています。
まとめ
- 斎藤元彦氏(兵庫県知事)が2026年10月22日、非常駐型民泊への規制強化案を発表
- 周辺住民との事前の合意形成、標識の設置、ルール説明、業務改善命令と営業者名の公表を定める
- 淡路島の旅館業法の宿泊施設は2019年度の316件から2023年度に531件へ増加
- 県の既存条例は「説明会」まで、今回の案は「合意形成」を求める点が特徴
- 施行時期など細かい運用は、県の今後の発表の確認が必要
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