2026-10-22 コメント投稿する ▼
志位和夫氏がAI労働管理を批判 共産党の綱領改定案とリスキリング論
日本共産党の志位和夫氏(議長)は2026年10月22日、綱領改定案に関する補足報告で、AIによる労働管理を「労働者をAIの単なる付属物にしてしまう」と批判しました。アマゾンの物流倉庫やウーバーの配達員を例に「奴隷的に管理、支配している」と述べ、仕事に夢中になる感覚を「ゾーンに入る」状態になぞらえています。政府が進めるリスキリングも「強要」と批判し、共産主義社会では仕事の分担も民主的に決めると展望しました。党大会は2027年1月18日から22日の予定です。
志位和夫氏が共産党の綱領改定案でAI労働管理を批判
日本共産党(共産党)の志位和夫氏(議長)は2026年10月22日、党本部で綱領改定案に関する補足報告を行いました。AIによる労働管理について「労働者をAIの単なる付属物にしてしまう」と警鐘を鳴らしています。綱領とは、党の目標や基本方針を定めた文書のことです。
志位氏が例に挙げたのは、米アマゾンの物流倉庫で働く人や、ウーバー・テクノロジーズの配達員です。AIを使った管理の対象になっていると指摘し、「街中を走り回るウーバーの配達員、巨大物流倉庫で働くアマゾンの労働者、パソコンのキーボードに向かう事務職の労働者などを、一挙手一投足に至るまで奴隷的に管理、支配している」と批判しました。
さらに、19世紀の思想家マルクスが『資本論』で指摘した労働者の「機械への従属」を、AI時代の働き方に重ねました。専門的な仕事をAIが代替する一方、人はデータ入力や出力結果の管理といった単純作業を担わされるとして、「労働者をAIの付属部品にしてしまう」と述べています。機械への従属とは、人が機械の動きに合わせて働かされる状態を指します。
AIに作業を細かく見張られる不安は、私も感じることがあります。ただ、それを共産主義の話につなげるのは飛躍だと思います。
今回の発言は、共産党が進める綱領の見直しの一部です。共産党は2026年10月12日から14日の第10回中央委員会総会で、綱領一部改定案を採択しました。改定案は、第30回党大会(2027年1月18日から22日の予定)に提案することが決まっています。志位氏は2026年8月にも京都市の『資本論』の講座で、AIには労働強化の危険があると述べていました。
「ゾーンに入る」働く喜びとマルクスの労働論
志位氏は一方で、自ら構想を練り、手を動かして実現する働き方には喜びがあると主張しました。マルクスが『資本論』で、建築士はミツバチと違い、作業の前に完成した形を頭に描くと書いた一節を紹介しています。この建築士を、設計から施工まで担う職人として説明し、「全体の設計もやる。同時に現場で自ら手を動かして指揮を取る」と述べました。
木材の加工方法を考えてのみを振るい、うまくいかなければ考え直す職人の姿も例に挙げています。自ら考え、手を動かす中で「夢中になってくる。我を忘れて、仕事が楽しくなる」と語りました。この感覚を、スポーツ選手らが高い集中力を発揮するゾーンに入る状態になぞらえ、「心と体が完全にシンクロして、信じられないパフォーマンスを発揮する」と表現しています。
『ゾーンに入る』ほど仕事に夢中になれる感覚は、私にも覚えがあります。その自由を守る話なら、共感する人も多いはずです。
ところが資本主義のもとでは、作業の進め方を経営者が決め、労働者は指示どおりに働かされると志位氏は述べました。その結果、「労働の創造性、魅力、喜び、楽しみが奪われ、労働は苦痛なものに変えられてしまう」と主張しています。マルクスが問題にした「精神労働と肉体労働の対立」についても、頭を使う仕事と体を使う仕事の違いではなく、資本家が経営方針の決定権を独占し、労働者は実行を強いられる関係を指すと説明しました。
具体例として挙げたのが、イーロン・マスク氏(米実業家)によるツイッターのXへの改称です。「マスク氏が1人であっという間に世界中を変えてしまった」と指摘し、経営計画の決定と実行が分かれ、対立していると述べました。労働者が自分の意思に反して配置転換を繰り返される状況にも言及しています。
リスキリングを「強要」と批判 政府の支援策との違い
志位氏は、技術革新が進んでも、資本側の都合で働き方の変更を迫られる関係は変わらないと主張しました。政府や財界が進めるリスキリング(学び直し)についても、「資本によって強制されている労働の転換に自発的に対応せよ、ということを労働者に強要するものにほかならない」と批判しています。
政府は、働く人の学び直しを後押しする姿勢を示してきました。2022年10月、岸田文雄氏(当時の首相)が所信表明演説で「人への投資」を打ち出し、5年間で1兆円を投じる考えを示しています。2026年9月29日に国が公表した労働経済白書も、AIなどの技術革新が進む中で「リ・スキリングを支援していくことが重要」と記しました。志位氏の批判と、政府が支援を進める立場は、異なっています。
「リスキリングが強要だと言うなら、代わりに今すぐ何ができるのか、具体的な案を聞きたいです。」
「配達員や倉庫で働く人が数字で管理される現実は、確かにあります。そこは与野党を問わず、真剣に議論してほしいです。」
学び直しの機会を、働く人がどう受け止めるかは、これからの論点になります。
共産主義社会の展望と綱領改定案のこれから
志位氏は、共産主義社会では生産手段を共同で所有・管理し、仕事の分担も民主的に決めると展望しました。「資本が一方的に決めるのではなく、共同社会がみんなで決めていく」と述べています。労働者が自らの意思で仕事を選び直すには、十分な自由時間を確保し、能力を高める必要があるとも指摘しました。
その条件が整えば、「自分の意思に反して、ある分業に縛り付けられる、あるいは自分の意思に反して次から次へと職場の配置転換がされる。こういうことがなくなる」と語っています。生産手段とは、工場や機械、土地など、ものを生み出すために使うものの総称です。
一方で、共産党自身も、共産主義のイメージが課題だと説明しています。山添拓氏(政策委員長)は2026年10月16日の記者会見で、共産主義と聞くと「独裁的な自由のない抑圧社会を思い浮かべる人が少なからずいる」と述べ、綱領の改定で「レッテルはがし」を目指すと説明しました。
みんなで決めると言われても、誰がどうやって決めるのかが分かりません。仕組みの説明を、もっと具体的に聞きたいです。
生産手段を共同で所有・管理し、仕事の分担を民主的に決める仕組みを、実際にどう動かすのかが問われます。2027年1月の党大会に向けた議論で、具体的な説明がどこまで示されるかが焦点です。
まとめ
- 志位和夫氏(共産党議長)は2026年10月22日、AIによる労働管理を「労働者をAIの単なる付属物にしてしまう」と批判しました。
- アマゾンの物流倉庫やウーバーの配達員などを例に、「一挙手一投足に至るまで奴隷的に管理、支配している」と述べました。
- 自ら考え、手を動かす仕事の喜びを、スポーツ選手の「ゾーンに入る」状態になぞらえました。
- 政府が進めるリスキリングを「労働者に強要するもの」と批判し、共産主義社会では仕事の分担も民主的に決めると展望しました。
- 綱領一部改定案は第30回党大会(2027年1月18日から22日の予定)に提案されます。
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