2026-10-18 コメント投稿する ▼
高度専門職の年収要件を引き上げへ、300万円は妥当か 高市早苗首相の判断は
出入国在留管理庁が、在留資格「高度専門職」の最低年収300万円を引き上げる方針を固めました。賃金上昇を受けたもので、2026年度内の省令改正を目指しますが、引き上げ後の金額や施行日は示されていません。300万円は月に直すと25万円で、給与所得者の平均給与478万円の約6割にとどまります。専門・技術の分野では年収1000万円以上が最高の40点で、特別高度人材制度では2000万円以上が条件です。ポイントが70点以上なら永住許可の申請も3年でできる優遇があります。国民からは1000万円以上に引き上げる案も出ています。高市早苗氏(首相)の政権が、どんな水準を示すのかを考えます。
引き上げ後の金額や施行日は、2026年10月18日の時点で示されていません。高市早苗氏(首相)の政権が進める外国人政策の中で、どのような水準になるのかが注目されます。
高度専門職の年収要件はどう決まっているのか
高度専門職の対象は、学術研究、専門・技術、経営・管理の3分野です。このうち専門・技術と経営・管理には、年収300万円以上という最低基準があります。学術研究には最低基準がありません。
資格の審査は「高度人材ポイント制」で行われます。年収、年齢、学歴、実務経験といった項目ごとに点数が決まっていて、合計が70点に達すると1号として認められます。1号の在留期間は5年です。1号で3年以上活動すると2号に変更でき、2号は在留期間が無期限になります。
年収の点数表も見ておきましょう。専門・技術の分野では、年収1000万円以上が40点で、年収の項目では最高点になっています。900万円以上は35点、800万円以上は30点と、100万円刻みで下がっていきます。最も高く評価される1000万円と、現行の最低基準である300万円には、3倍以上の開きがあります。
「300万円で高度人材と呼ぶのは、さすがに無理があると思います」
「日本人の平均より低い年収で、国が高度だと認める理由がわかりません」
高度専門職の年収要件300万円は今の賃金に見合うのか
300万円がどのくらいの水準か、数字で確かめます。12か月で割った単純計算では、月に25万円です。1年を通じて働いた給与所得者の2024年分の平均給与は478万円で、前年より3.9%増えました。正規雇用に限ると545万円です。300万円は平均の約6割、正規雇用の平均の5割半にとどまります。
国の別の制度とも比べてみます。特別高度人材制度(J-Skip)では、学術研究や専門・技術の分野で年収2000万円以上が条件で、修士以上の学位か10年以上の実務経験も必要です。経営・管理の分野では年収4000万円以上が条件になっています。海外では、英国の就労ビザ(技能労働者)が、原則として年4万1700ポンド(約872万円)か、職種ごとに決められた基準額の高いほうを最低給与としています。国によって物価も賃金水準も違いますが、300万円を大きく上回る水準を設けている国があるのは事実です。
高度専門職は、優遇も大きい資格です。永住許可には原則として10年以上の在留が求められます。しかし、ポイントが70点以上の高度人材は3年、80点以上なら1年で申請できます。
こうした中、国民からは、年収要件を1000万円以上に引き上げてはどうかという案も出ています。1000万円は、ポイント表で年収の最高評価になる金額で、J-Skipの半分の水準です。高度な人材と呼ぶにふさわしい基準にすべきだという考え方です。
「永住まで早く進める資格なら、年収の入口はもっと高くていいと思います」
「1000万円以上にしても、本当に優秀な人なら十分に超えられる水準ではないですか」
高度専門職の年収要件の見直しで政府に求められる説明
高市早苗氏(首相)の政権は、外国人との秩序ある共生社会を掲げています。2026年1月23日には、関係閣僚会議で、外国人の受け入れと共生に関する総合的対応策を決めました。外国人を受け入れる以上、日本の法律やルールを守ってもらうことが前提です。そのためにも、受け入れの入口となる在留資格の基準は、分かりやすく、国民が納得できるものでなければなりません。
山下貴司氏(法務大臣)が所管する法務省には、引き上げ後の金額と施行日を早く示すことが求められます。賃金が上がったから見直す、という説明だけでは、なぜその金額なのかが国民に伝わりません。1000万円という案を含め、どの水準が妥当かを、数字と理由を添えて説明してほしいところです。
金額も時期もはっきり示して、国民が納得できる説明をしてほしいです
一方で、学術研究には最低基準がなく、研究者の待遇には別の事情もあります。全体を一律に引き上げるのか、分野ごとに分けるのかは、丁寧な議論が必要です。賃金が上がる中で、300万円のままでは見直しは避けられません。政府には、国民の声にも耳を傾けながら、納得できる水準を決めてもらいたいと思います。ポンドの金額は、1ポンド=約209円(2026年10月15日時点)で換算しています。
まとめ
- 入管庁が高度専門職の最低年収300万円(専門・技術、経営・管理)を引き上げる方針で、2026年度内の省令改正を目指しています。
- 引き上げ後の金額と施行日は、2026年10月18日の時点で示されていません。
- 年収の配点は、専門・技術で1000万円以上が最高の40点です。
- 特別高度人材制度(J-Skip)の年収要件は、学術研究や専門・技術で2000万円以上です。
- ポイントが70点以上なら3年、80点以上なら1年で永住許可を申請できます。
- 国民からは、年収要件を1000万円以上に引き上げる案も出ています。
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