2026-10-15 コメント投稿する ▼
横浜市長選 浅賀由香氏の政策を解説 共産党公認の新人が掲げる7本柱
2026年10月18日に投票日を迎える横浜市長選挙には、山中竹春氏(前市長)を含む7人が立候補しました。日本共産党(共産党)公認の浅賀由香氏は、神奈川県副委員長を務める46歳の新人です。災害対策、物価高対策、子育て支援、大型開発の見直しなど7つの柱を掲げ、消費税の一律5%減税を国に求めるとしています。避難所の環境改善や中学校給食の無償化、市営地下鉄と市営バスの子ども運賃を18歳未満へ広げる考えも示しています。一方で、費用のかかる施策が多く、財源や期限の説明が課題です。浅賀由香氏の政策の中身と論点を解説します。
横浜市長選に7人が立候補、浅賀由香氏とは
横浜市長選挙は、山中竹春氏(前市長)が幹部職員へのパワーハラスメント問題を受けて2026年8月に辞職を表明したことに伴い、行われています。2026年10月4日に告示され、投票日は2026年10月18日です。
立候補したのは、山中氏のほか、藤川祥子氏(市民団体代表)、中谷一馬氏(元衆議院議員)、原沢敦美氏(弁護士)、福山敦士氏(会社社長)、山本理顕氏(建築家)、そして日本共産党(共産党)公認の浅賀由香氏(日本共産党神奈川県副委員長)の合計7人です。中谷氏は立憲民主党(立憲)神奈川県連が支援し、原沢氏は自由民主党(自民党)、日本維新の会(維新)、国民民主党(国民民主)の地方組織が支援しています。公明党の市議団も原沢氏を支持し、福山氏は参政党が推薦しています。
パワハラで市長が辞める事態になったので、早く落ち着いた市政に戻ってほしいです。
浅賀氏は1980年、横浜市鶴見区の生まれです。筑波大学国際総合学類を卒業した後、民間企業でシステムエンジニアとして働き、その後は国際輸送業に従事しました。ボランティア活動を経て共産党に入党し、神奈川県副委員長を務めています。46歳の新人候補として、市長選に挑みます。
2026年10月10日と11日に行われた電話調査では、原沢氏が優位に立ち、山中氏と中谷氏が追う展開と報じられました。一方で、回答者の3割弱はまだ投票先を決めていません。情勢が変わる余地があるだけに、各候補の政策を読み比べることが大切です。
候補者が7人もいて迷っています。各党の政策をちゃんと読み比べたいです。
災害対策と物価高対策、暮らしに直結する政策
浅賀氏は自らのホームページで、7つの柱からなる政策を公表しています。最初の柱は「災害から命を守る」です。避難所を「我慢する場所」から、命と健康を守る場所へ変えると訴え、「被災死ゼロ」をめざしています。
具体策として、すべての避難所でTKB48を実現する計画をつくるとしています。TKB48とは、清潔なトイレ(T)、温かく栄養のある食事(K)、簡易ベッド(B)を、災害が起きてから48時間以内にそろえる取り組みです。あわせて、小中学校の体育館へのエアコン設置を大幅に前倒しし、停電しても使える非常用電源の確保も進めるとしています。
木造住宅やマンションの耐震診断・耐震改修への助成を広げ、がけ地や危険な擁壁の改修助成を強めることも掲げています。河川や下水道、雨水をためる施設を計画的に整えて、豪雨や洪水への備えも進める考えです。
物価高への対策も大きな柱です。上下水道料金を減免して、すべての市民の負担を直接軽くするとしています。さらに、消費税の一律5%減税と、物価高を上回る賃上げが進むよう、国に働きかけると明記しています。物価高が続くなか、減税を国に求める姿勢は、家計の負担を少しでも軽くしたいという多くの市民の思いに沿うものです。ただし、消費税は国の税金であり、市長ひとりで実現できる政策ではないことも押さえておく必要があります。
物価高で毎日きついので、消費税を下げる話が出ているのはありがたいです。
中小企業への支援も柱のひとつです。賃上げをする中小企業や小規模事業所に、市独自の直接助成を行うとしています。市が発注する工事などで適正な賃金と労働条件を守る公契約条例や、働く人の権利を守る「デーセントワーク条例」の制定も打ち出しました。
子育て支援と大型開発の見直しをどう見るか
子育て分野では、0歳から2歳の保育料と保育所の給食費を無償にするとしています。小学校に続いて中学校の給食費も無償にし、学校調理方式の「できたてで、おいしい」中学校給食へ切り替える考えです。子どもの医療費助成は、18歳の年度末まで所得制限も自己負担もなく続けるとしています。
学校では、小中高校の全学年で35人以下の学級を進めるとしています。市営地下鉄と市営バスの子ども運賃も、いまの12歳未満から18歳未満へ広げます。市立大学については、入学金を廃止して授業料を半額にするとしています。
中学校の給食が無償になるのは助かります。そのお金がどこから出るのかも知りたいです。
もうひとつの大きな特徴は、大型開発への姿勢です。上瀬谷、関内、横浜駅周辺、新本牧ふ頭などの大型開発や、企業立地条例にもとづく大企業への補助金を検証し、見直すとしています。浅賀氏は、一部の大企業への補助や大型開発に税金を集中させるのではなく、学校や福祉施設、市営住宅、生活道路などの暮らしに必要な公共投資を優先する考えです。
2027年に開かれるGREEN×EXPO2027(国際園芸博覧会)についても、市民の負担を膨らませないよう、規模や経費、跡地計画を徹底的に見直すとしています。すでに準備が進んでいる事業を見直す場合、これまでにかかった費用や関係者との調整をどうするのかが焦点になります。
大型開発の見直しは、横浜の街の将来にかかわる大事な問題だと思います。
市民参加や平和、人権の政策と、財源をめぐる論点
市政のあり方では、自治基本条例と、常設型の住民投票条例の制定を掲げています。「特別市」については、神奈川県を壊す制度だとして反対し、18区の権限と財源を強めて住民の声が届く自治をめざすとしています。市営住宅の新たな建設や、若者、子育て世帯、高齢者などへの市独自の家賃補助も打ち出しています。
平和の分野では、横浜ノース・ドックの早期全面返還と、揚陸艇部隊の配備撤回を、国と米軍に求めるとしています。米軍施設の扱いは国の外交や安全保障に関わるため、市としてどこまで働きかけができるのかが論点になります。
人権の分野では、「横浜市ヘイトスピーチ禁止・差別解消条例(仮称)」の制定や、朝鮮学校への補助金の再開を掲げています。補助金は市民が納めた税金から支出されるため、使い道や成果を丁寧に説明することが欠かせません。多文化共生を進めるうえでも、法律やルールを守ることを前提にした制度づくりが問われます。
公表された政策の概要を見る限り、保育料や給食費の無償化、国民健康保険料の引き下げ、家賃補助など、費用がかさむ施策が数多く並んでいます。一方で、費用の総額や財源の内訳、実施の期限までは示されていません。大型開発や大企業向け補助の見直しを掲げていますが、それで必要な費用をまかなえるのかは明らかではなく、さらなる説明が必要です。
2026年10月18日の投票日には、パワーハラスメント問題で揺れた市政の立て直しとともに、物価高対策や財源の考え方まで含めて、各候補の訴えを確かめる必要があります。耳ざわりのよい公約だけでなく、いつまでに、いくらで、どう実現するのかという数字と期限を示すよう、候補者に求めていくことが大切です。
まとめ
- 横浜市長選は2026年10月4日に告示され、投票日は2026年10月18日。7人が立候補しています。
- 共産党公認の浅賀由香氏は46歳の新人で、日本共産党神奈川県副委員長を務めています。
- 政策は、災害対策、ケア、物価高対策、子育て、市民参加、平和、人権の7つの柱です。
- 消費税の一律5%減税は国に働きかける内容で、市長だけでは実現できません。
- 保育料や給食費の無償化など、費用のかかる施策が多く、財源と期限の説明が求められます。
- 大型開発やGREEN×EXPO2027の見直しは、すでに進む事業との調整が焦点です。