小池百合子氏が「東京油田」宣言 廃食用油でSAFと脱炭素を加速

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小池百合子氏が「東京油田」宣言 廃食用油でSAFと脱炭素を加速

東京都の小池百合子氏(都知事)は2026年9月25日の定例記者会見で、家庭や飲食店から出る廃食用油を「東京油田」と位置付け、回収と再資源化を強化する取り組みを発表しました。スーパー「ライフ」との連携により、調布市・世田谷区・中野区・府中市の各店舗に回収コーナーを設置し、参加者には東京ポイントが付与されます。廃食用油を原料とする次世代航空燃料SAFは、従来のジェット燃料に比べてCO2排出量を約8割削減できるとされており、東京都は国と連携して国産SAF市場の拡大を目指しています。2026年10月4日には自由が丘商店街(目黒区)でプロジェクトの啓発イベントも開催される予定です。

「東京油田」プロジェクト始動 スーパーや商店街と連携


東京都は2026年9月、家庭や飲食店で日常的に生まれる廃食用油を「東京油田」と名付け、その回収を促進する取り組みを本格的に始動させました。小池百合子氏(東京都知事)は2026年9月25日の定例記者会見でこのプロジェクトを発表し、「使い終えた食用油などが眠る家庭などは貴重な『東京油田』。天ぷらを揚げた油で飛行機が飛ぶ。ナフサや石けんにもなる。回収の輪を広げていきたい」と語りました。

都は回収促進の第一弾として、スーパーの「ライフ」と連携し、調布市・世田谷区・中野区・府中市の各店舗に廃食用油の回収コーナーを設置します。回収に協力してアンケートに答えた人には東京ポイントが進呈され、参加しやすい仕組みが整えられています。また、廃油を容器に移しやすいよう都が独自に「じょうご」を作製するなど、利用者目線の工夫も凝らしています。2026年10月4日には自由が丘商店街(目黒区)でプロジェクトの啓発イベントが開催される予定で、市民への周知活動も本格化します。

「スーパーで油を持参できるのは便利。ポイントがもらえるなら続けやすい」
「天ぷら油が飛行機の燃料になるなんて、子どもに話したら驚いていました」
「廃油をそのまま捨てていたが、こういう活用があるなら持っていきたい」
「マンションにも回収場所がほしい。もっと気軽に参加できる仕組みを」
「環境のためにできることは小さくても、積み重ねが大事だと感じました」

廃食用油がジェット燃料に変わる SAFとはどんな燃料か


廃食用油などを原料として作られる次世代航空燃料「SAF(持続可能な航空燃料)」は、従来の石油から精製するジェット燃料に比べ、二酸化炭素排出量が約8割少ないとされています。航空業界は国際的な脱炭素化の流れの中でCO2削減を強く求められており、SAFはその切り札として世界中で注目を集めています。日本政府も将来的に航空燃料に占めるSAFの割合を大幅に引き上げる方針を掲げており、国内での安定的な原料確保が急務となっています。

SAFは廃食用油のほか、木材由来のバイオマスや農業廃棄物など多様な原料から製造できます。廃食用油を活用した官民連携の取り組み「フライ・トゥ・フライ(Fry to Fly)プロジェクト」は2023年4月に立ち上がり、2026年5月時点では317の団体が参加しています。東京都もこのプロジェクトに加わり、廃食用油の回収から国産SAFの供給までを一気通貫で進める体制づくりを進めています。廃食用油という身近な資源が、国際線を飛び交う航空機の燃料へと生まれ変わる——そうした循環型の仕組みを国内で確立することが、今回の取り組みの核心にあります。

課題は原料の海外流出 国と連携して国産SAF拡大へ


実は日本国内で回収された廃食用油の約3割が現在、海外へ輸出されており、その廃油がSAFとして製造されてから割高な価格で日本へ逆輸入されているケースもあります。国内資源が海外で付加価値を付けられ、高い価格で戻ってくるこの構図を変えるためにも、国内で廃食用油を集めて国産SAFへ転換する仕組みを整えることが急務です。これは脱炭素化だけでなく、エネルギー安全保障の観点からも見逃せない課題といえます。

SAFは一般的なジェット燃料より製造コストが高く、現状では価格差が航空会社にとって負担となっています。国は利用者への一定の費用負担を検討する一方、東京都は独自に燃料補助額の上乗せを行い、航空会社がSAFを選びやすい環境を整えています。コスモエネルギーグループなど国内企業も都と連携して廃食用油の回収拡大とSAF国産化に乗り出しており、官民一体の取り組みが加速しています。国と都、そして民間が連携して国産SAF市場を育てることが、長期的な航空脱炭素化の鍵を握っています。

市民の小さな行動が「東京油田」を掘り起こす


廃食用油の回収促進が実を結ぶかどうかは、最終的には市民一人ひとりの日常的な行動にかかっています。家庭で料理に使った油を回収場所に持参するという小さな行動が、地球規模の脱炭素化につながるという意識の広がりが求められています。都が独自に作製した「じょうご」の配布で持参の手間を軽減しようとしているのは、参加のハードルを下げるうえで重要な取り組みです。

ただし、SAFへの転換が進んだとしても、そのコストが航空運賃に上乗せされる形になれば、国民の理解を得るうえで費用対効果の丁寧な説明が欠かせません。東京都が「東京油田」というわかりやすい言葉で課題を身近に感じさせようとしているのは、市民参加を引き出すための重要な戦略といえます。廃食用油を「ゴミ」ではなく「資源」として見直す意識改革こそが、脱炭素社会への確かな第一歩となるでしょう。

まとめ


  • 東京都が廃食用油を「東京油田」と位置付け、スーパー「ライフ」や商店街と連携して回収を強化
  • SAFは廃食用油を原料とした次世代航空燃料で、従来のジェット燃料比でCO2排出量を約8割削減できる
  • 国内廃食用油の約3割が海外に輸出されており、国産SAFの原料確保と国内循環の整備が急務
  • 東京都は航空会社向けのSAF利用補助を拡充し、国と連携して国産SAF市場の拡大を目指す
  • 2026年10月4日、自由が丘商店街(目黒区)でプロジェクトの啓発イベントを開催予定

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2026-09-26 11:06:49(植村)

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