2026-10-20 コメント投稿する ▼
比例復活は厳格化より見直しを 長谷川淳二氏の自民党案とゾンビ議員問題
自民党の長谷川淳二氏が、小選挙区で落選しても比例で当選できる比例復活の条件を、現行の10分の1以上から6分の1以上の得票率へ厳しくするよう主張しました。自民党と維新が求める比例45議席の削減と並び、選挙制度改革の焦点になっています。ただ、小選挙区の落選は地元の有権者が出した答えであり、比例復活はゾンビ議員との批判を招いてきました。政党にとって必要な人材なら、議席ではなく政党が職員やスタッフとして雇えばよいはずです。少数意見は政党への投票で届く仕組みです。与野党が2026年10月末をめどに結論を得る方針の中、比例復活そのものの是非を問います。
自民党が示した比例復活の厳格化案
2026年10月20日、衆議院本会議で、高市早苗氏(首相)が悲願とする消費税減税関連法案の審議が始まり、論戦が本格化しました。その裏で静かに進んでいるのが、衆議院の選挙制度を見直す議論です。
自由民主党(自民党)と日本維新の会(維新)は、議員定数を比例代表の部分だけで45議席減らす案を求めています。これに加えて、自民党が新たに示したのが比例復活の厳格化です。比例復活とは、小選挙区と比例代表の両方に立候補する「重複立候補」をした人が、小選挙区で落選しても比例代表で当選できる仕組みを指します。同じ順位で名簿に載った候補者の間では、小選挙区で当選者にどれだけ迫ったかを示す「惜敗率」が高い人から順に当選が決まります。
自民党の長谷川淳二氏(衆議院議員)は、投票した人の意思と結果がずれている問題について、具体的な結論を出すべきだと述べました。そのうえで、現行の制度では10分の1以上の得票率があれば復活当選できるところを、少なくとも6分の1以上に見直すべきだと主張しています。
この考え方は突然出てきたものではありません。2026年8月には、自民党の鈴木馨祐氏(与野党協議会の座長)が、同じ6分の1への引き上げを含む試案を示しました。2026年10月15日の協議でも自民党が基準の厳格化を提唱し、野党の一部からも賛同する意見が出ました。与野党は2026年10月末をめどに結論を得る方針です。
落選は地元の有権者が出した答えです
小選挙区は、その地域の有権者が「この人に国会へ行ってほしい」と、代表を一人選ぶ選挙です。そこで落選したということは、地元の有権者が議席を任せないという答えを出したことになります。ところが比例復活の仕組みでは、その答えが出たあとに、別の道から国会議員になれてしまいます。
小選挙区で落ちても比例で復活する議員は、「ゾンビ議員」と呼ばれて批判されてきました。長谷川氏が語った「投票した人の意思とのずれ」は、まさにここにあります。
地元の有権者が落としたのに、比例で当選って何なの?投票した意味がないと思ってしまう
自民党案は、これまでより一歩進んだ内容です。現行の10分の1は10人に1人の割合、6分の1は6人に1人の割合ですから、復活のハードルは確かに上がります。しかし、地元の有権者に選ばれなかった人が国会に戻ってこられるという仕組みが残る点は変わりません。
6分の1に引き上げても、落選した人が復活できるなら根本は同じだよね
必要な人材なら政党で雇えばよい
比例復活を残すべきだという意見には、いくつかの理由があります。基準を厳しくすると少数意見が届きにくくなる、新人が政治に参加しにくくなる、といった声です。また、小選挙区で落ちた人でも、政党にとって必要な人材なら国会に残すべきだという考え方もあります。
しかし、政党にとって必要な人材ならば、政党が責任を持って雇えばよいのではないでしょうか。政策に詳しい専門家や、党の運営に欠かせない人は、党の職員や政策スタッフとして迎え入れる方法があります。国会議員の議席は、あくまで有権者が与えるものです。政党には国民の税金から政党交付金も支給されています。人材を確保する費用と工夫は、まず政党自身が負うのが筋です。
党にとって大事な人なら、党で雇えばいい。議員バッジまで救済する必要はない
少数意見についても、比例代表の議席の数は政党への投票で決まります。比例復活は、その議席に誰が就くかを決める部分にすぎません。少数意見を国会に届けるのは政党への投票であり、落選した個人を救う理由にはならないはずです。
新人の政治参加についても同じです。政治を志す人は、まず地元の有権者に訴えて信頼を得ることが本来の姿です。
新人でも誰でも、まず地元で支持を集めるのが筋。落ちたら次の選挙で出直せばいい
数を減らす前に仕組みを正す姿勢を
議員定数を減らす議論は、国民の関心が高いテーマです。ただ、数を減らすだけでは、誰が国会に座るのかという中身の問題は解決しません。有権者が一度拒んだ人が、別の仕組みで議席を得る状態を残したままでは、国民の納得は得にくいのではないでしょうか。
高市氏が進める消費税減税の審議は、選挙で示された民意に応えようとするものです。それと同じように、選挙制度でも民意が正しく反映される形が求められます。小選挙区の落選という結果も、民意の表れです。その結果をあとから別の方法で覆すような制度は、見直しの時期に来ているのではないでしょうか。
基準を6分の1に引き上げることは第一歩です。しかし与野党は、比例復活という仕組みそのものが必要なのかまで、議論を深めるべきです。
定数を減らす前に、まず落ちた人が戻れる仕組みを見直してほしい
まとめ
- 自民党の長谷川淳二氏が、比例復活の条件を10分の1以上から6分の1以上の得票率へ厳しくするよう主張しました
- 自民党と維新は、比例のみで45議席を減らす定数削減案も求めています
- 小選挙区の落選は地元の有権者が出した答えであり、比例復活はそれと食い違います
- 必要な人材は、議席ではなく政党が職員やスタッフとして雇えばよいという考え方です
- 与野党は2026年10月末をめどに結論を得る方針で、制度そのものを見直す議論が求められます
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