国民民主党の榛葉賀津也幹事長が、立憲民主党との再合流を巡る発言に対して苦言を呈した。
事の発端は、立憲民主党の小川淳也幹事長が4月3日、東京・有楽町での街頭演説の中で「立憲と国民が再び合流して、一つの党として戦うのが望ましい」と発言したことだ。これに対して榛葉氏は、同日行われた記者会見で「お花畑だね。いい人だけど、小川さんは」と率直な思いを語った。
「そもそも基本理念が違う。街頭で言うような話じゃない。こういうのは、じっくり積み上げていくものだ」と、再合流そのものよりも、発言のタイミングや場に問題があるとの認識を示した。
理念の違い、再合流には高いハードル
榛葉氏が「基本理念が違う」と強調するように、両党の政治的立ち位置には明確な違いがある。立憲民主党はリベラル色が強く、社会保障や人権、ジェンダー平等などに力を入れる傾向がある。一方、国民民主党は中道寄りで、現実的な経済政策や安全保障を重視している。
実際、両党は2018年の分党以来、それぞれの路線を模索し続けてきた。表向きは「野党共闘」を掲げながらも、政策や国会対応でたびたび足並みの乱れが目立ってきた。
「民主党」問題で有権者にも混乱
今回、小川氏が再合流に言及した背景には、有権者の間での「民主党」問題もある。現在、両党はともに略称として「民主党」を使用しており、選挙のたびに「民主党」とだけ書かれた票がどちらの党に入るのか分かりにくい状況になっている。
小川氏は「この問題は非常に深刻。300万〜400万票が宙に浮いてしまう」と危機感を訴えたが、榛葉氏は「党の在り方に関わる話を街頭で軽々しく語るべきではない」との立場だ。
今後の焦点は「関係の再構築」か
両党の再合流を望む声が一定ある中で、現実にはその道のりは平たんではない。立場や理念の違いだけでなく、「どちらが主導権を握るか」といった根深い問題も横たわっている。
ただ、政党支持率が伸び悩む中で、選挙協力や候補者調整といった“部分的な連携”は現実的な選択肢として今後も模索される可能性が高い。
理念の違いを認め合いながら、どこまで連携できるのか。次期国政選挙を見据え、両党の動向から目が離せない。
- 小川淳也氏(立憲民主)が街頭演説で国民民主との再合流に言及
- 榛葉賀津也氏(国民民主)は「お花畑」「基本理念が違う」と否定的
- 「民主党」略称の混乱を小川氏は問題視
- 榛葉氏は「街頭で話すべき内容ではない」と批判
- 両党の政策スタンスの違いが再合流の壁に
- 今後は部分的連携や選挙協力が焦点となる可能性