2026-10-16 コメント投稿する ▼
緊急地震速報の警報を初取り消し M9.9と過大予測、海老田綾貴氏が謝罪
気象庁は2026年10月16日、カムチャツカ半島付近で起きたM6.9の地震をM9.9と過大に予測し、緊急地震速報の警報を出して取り消しました。警報の取り消しは初めてで、実際に震度1以上を観測したのは北海道函館市の震度1だけです。海老田綾貴氏(地震津波監視課長)は謝罪し、原因は調査中で、サイバー攻撃ではないと説明しました。M9.9は観測史上最大のチリ地震(M9.5)の約4倍、東日本大震災(M9.0)の約22倍のエネルギーに当たります。巨大地震は地面を数メートル動かし、地球の自転にも影響します。M9.9の規模と、日本と地球への影響を、2025年の地震など過去の巨大地震の記録から詳しく解説します。
緊急地震速報の警報を初めて取り消し M6.9をM9.9と過大に予測
2026年10月16日午後0時38分ごろにカムチャツカ半島付近で発生した地震をめぐり、気象庁は緊急地震速報の警報を発表し、その後に取り消しました。実際の地震のマグニチュード(M、地震の規模を表す数字)は6.9でしたが、気象庁はこれを9.9と大きく見積もりました。発生時刻と震源も誤っており、午後0時36分に千島列島付近で発生したと予測していました。
この予測をもとに、北海道、東北、関東、北陸、甲信、東海、伊豆諸島で強い揺れが想定されるとして警報が出されました。しかし、実際に震度1以上を観測したのは、北海道函館市の震度1だけでした。緊急地震速報の警報が取り消されたのは、今回が初めてです。
お昼に突然の警報が鳴って、心臓が止まるかと思いました。本当に揺れなくてよかったです。
緊急地震速報には、「予報」と、より強い揺れを知らせる「警報」があります。警報は、震度5弱以上が予想されるときに、震度4以上が予想される地域を対象として出され、テレビやラジオ、携帯電話で伝えられます。身近な機器に一斉に届く仕組みだけに、誤った内容が出たときの影響は小さくありません。
気象庁は過去にも、誤った緊急地震速報を出したことがあります。2009年8月25日には、千葉県の観測点から異常なデータが送られ、地震の規模を過大に見積もった誤った警報を、千葉県や茨城県、東京23区などに出しました。2016年8月1日には、千葉県の観測点1か所の機器の故障が原因で、地震がないのに誤った予報が出ています。
海老田綾貴氏が謝罪 原因は調査中でサイバー攻撃は否定
気象庁は2026年10月16日の午後2時から会見を開きました。海老田綾貴氏(地震津波監視課長)は、過大な内容の警報を発表したことについて「大変申し訳ありませんでした」と述べ、大きな迷惑をかけたことを深くおわびしました。
謝罪は分かりますが、警報を信じて動いた人も多いはずです。原因をきちんと公表してください。
原因については調査中です。一方で、外部からのアクセスがなかったことを確認したとして、サイバー攻撃ではないとはっきり説明しました。予測の段階では、マグニチュードのほかに発生時刻や震源も誤っており、気象庁は詳しい原因を調べています。
海老田氏は、これまでに最も規模が大きかった地震であるチリ地震(1960年)のM9.5を上回るM9.9という値について、地震学的にかなり厳しい値だという認識を示しました。実際にM9.9の地震が起きたなら、観測史上最大になります。
「M9.9って、観測史上最大のチリ地震より大きい数字ですよね。誤報だと分かるまで怖かったです。」
「サイバー攻撃ではないと聞いて少し安心しましたが、システムの弱点がはっきりしたと思います。」
M9.9とはどれほどの地震か エネルギーは約3万2000倍
マグニチュードは、地震そのものの大きさを表す数字です。数字が1大きくなると、地震が放出するエネルギーは約32倍になります。0.2大きくなるごとに、約2倍になる計算です。実際のM6.9と、予測されたM9.9の差は3.0ですので、エネルギーに直すと約3万2000倍もの開きがあります。
これまでに観測された最大の地震は、1960年のチリ地震(M9.5)です。M9.9は、それより0.4大きく、エネルギーはチリ地震の約4倍にあたります。2011年の東日本大震災(M9.0)と比べると約22倍です。2025年7月30日にカムチャツカ半島付近で起きた巨大地震(M8.8、米国の機関の推定値)と比べると、約45倍になります。
地震の大きさは、地下の断層がどれだけの広さで、どれだけずれ動いたかで決まります。東日本大震災では、気象庁の解析で、断層の長さが約450キロ、幅が約200キロでした。それだけ広い範囲が、一度にずれ動いたことになります。チリ地震の断層は、900キロから1000キロほどに及んだとされています。M9.9は、こうした過去の巨大地震をさらに大きく上回る数字です。
M9.9なら日本と地球はどうなる 巨大地震の記録から考える
M9.9の地震は、これまでに観測された例がありません。そのため、実際にどのような被害になるかを断定することはできません。ただ、過去の巨大地震の記録からは、日本や地球に何が起きるのかを読み取ることができます。
まず地面の動きです。東日本大震災では、国の観測で、宮城県の牡鹿半島付近の地面が水平方向に最大約5.3メートルも動きました。巨大地震は、地面の位置を目に見えるほど大きく動かします。さらに地球全体にも影響が及び、巨大地震が起きると、地球が鐘をたたいたようにごく小さく震え続ける「自由振動」が観測されることもあります。
地球の自転にも変化が出ます。米国の研究機関の試算では、東日本大震災で地球の自転が速くなり、1日の長さが約1.8マイクロ秒(100万分の1.8秒)短くなりました。地球の質量の偏りを示す軸も、約17センチ動いたとされています。2004年のスマトラ沖地震(M9.1)では、1日の長さが約6.8マイクロ秒短くなり、軸は約7センチ動いたという試算です。マグニチュードがほぼ同じでも、影響の大きさは同じにならないことが分かります。
日本の沿岸にとっては、津波も大きな問題です。2025年7月30日のカムチャツカ半島付近の地震では、日本の太平洋沿岸に津波警報が出され、岩手県の久慈港で最大141センチの津波が観測されました。この地震では国内で、避難中の事故などにより死者1人、けが人19人が出ています。M9.9は、そのときの地震の約45倍のエネルギーを持つ数字です。
今回は誤報でしたが、本物の巨大地震が来たときに警報が信じてもらえなくなるのが心配です。
遠い海外の地震でも、日本の沿岸に津波が届くことは2025年に示されました。誤報の原因を早く突き止め、再発を防ぐ対策を示すことが、緊急地震速報への信頼を守るうえで欠かせません。
まとめ
- 気象庁は2026年10月16日、カムチャツカ半島付近で起きたM6.9の地震をM9.9と過大に予測し、緊急地震速報の警報を出して取り消しました
- 警報の取り消しは初めてで、実際に震度1以上を観測したのは北海道函館市の震度1だけでした
- 海老田綾貴氏(地震津波監視課長)が謝罪しました。原因は調査中で、外部からのアクセスはなくサイバー攻撃ではないと説明しています
- M6.9とM9.9ではエネルギーが約3万2000倍違います。M9.9はチリ地震(M9.5)の約4倍、東日本大震災(M9.0)の約22倍にあたります
- 巨大地震は地面を数メートル動かし、地球の自転にも影響します。2025年のM8.8の地震では、日本で最大141センチの津波が観測されました
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