2026-10-20 コメント投稿する ▼
石垣空港の特定利用空港指定で中山義隆氏が港との道路整備を国に要望へ
沖縄県石垣市の中山義隆氏(石垣市長)は2026年10月19日、県管理の石垣空港が特定利用空港に指定された場合、石垣港と空港をつなぐ道路の整備を国に求める考えを示しました。石垣港は2024年4月1日に指定済みで、空港は指定に県の同意が必要なため現在は未指定です。古謝玄太氏(沖縄県知事)は指定を認める方針を示しています。石垣市議会は2025年9月24日、県に早期の同意を求める意見書を可決しました。政府が挙げる特定利用空港のメリットは、災害時の連携、輸送の迅速さ、施設の整備、道路の追加です。一方、整備の費用は国と管理者がそれぞれ負担し、攻撃対象になることへの懸念もあります。
石垣空港と石垣港をつなぐ道路の整備を国に要望へ
沖縄県石垣市の中山義隆氏(石垣市長)は2026年10月19日、県が管理する石垣空港が特定利用空港に指定された場合、石垣港と石垣空港をつなぐ道路の整備を国に求める考えを示しました。有事の際に自衛隊や海上保安庁が使うことを想定してインフラを整える制度を巡る発言です。
石垣空港は県の管理で、現時点ではこの制度の対象に指定されていません。指定には、施設を管理する県の同意が必要とされています。中山氏の発言は、指定された場合を想定して、道路の整備を国に求めるものです。道路の具体的な区間や整備の方法などの詳細は、現時点では明らかになっていません。
一方、石垣港はすでに指定されています。政府は2024年4月1日に最初の指定として、那覇空港などの5空港と11港湾を決めました。このとき、石垣市が管理する石垣港も特定利用港湾に含まれました。石垣港は2024年4月1日に指定済みで、空港はこれからという状況の中で、両者を結ぶ道路の整備を国に求める形になります。
特定利用空港・港湾とは?制度の仕組みと石垣を巡る動き
特定利用空港・港湾とは、自衛隊と海上保安庁が平素から必要な空港や港湾を円滑に使えるようにするため、施設を管理する自治体などとの間で「円滑な利用に関する枠組み」を結んだ施設のことです。2022年に決まった国家安全保障戦略を踏まえた取り組みで、指定は関係閣僚会議で決まります。最初の指定の後も追加が続き、2026年6月時点で、全国の24空港と33港湾が対象になっているとされています。
2026年4月8日の関係閣僚会議では、沖縄県内で国道の道路整備事業10件が新たに対象に加わったと報じられています。一方で、空港や港湾の新たな指定は、沖縄では見送られました。
石垣空港のような県管理の施設は、指定に県の同意が必要です。前任の玉城デニー氏(前知事)の時代、県は同意しませんでした。2026年9月の県知事選で当選した古謝玄太氏(沖縄県知事)は、就任前の9月16日に、県管理施設の指定を認める方針を示しました。古謝氏は、国から求められれば同意する考えも示したと報じられています。
石垣市議会は、すでに2025年9月24日、県に早期の同意を求める意見書を賛成多数で可決しています。賛成は14人、反対は7人でした。中山氏の今回の発言は、こうした流れの中で出たものです。
特定利用空港に指定されるメリットは?政府の説明を整理
政府は、指定を受ける施設の地元にとってのメリットとして、主に四つの点を挙げています。
一つ目は、災害時の連携です。平素から自衛隊や海上保安庁と施設の管理者が担当者同士で連携しておくことで、災害など緊急性が高いときにも、空港の使い方の調整を円滑に行えるとしています。
二つ目は、輸送の迅速さです。平時の訓練を通じて、自衛隊や海上保安庁が空港や港の特徴に慣れておくことで、災害のときにも部隊や救援物資をより速く、安全に運べるようになるという説明です。石垣島は、台風の影響を受けやすい地域です。
三つ目は、施設の整備です。政府は、空港なら滑走路の延長やエプロン(飛行機を止める場所)の整備、港なら岸壁や航路の整備などに加えて、それぞれの既存の事業を促進するとしています。安全保障上の重要性も踏まえて、整備の重要性を検討するとも説明しています。ただし、特別な予算の仕組みが設けられているわけではありません。整備の費用は、既存の制度に基づいて、これまでどおり国と施設の管理者がそれぞれ負担するとされています。
四つ目は、道路です。政府は2025年度から、特定利用空港・港湾と自衛隊の駐屯地などを結ぶアクセスを良くするため、道路も取り組みの対象に加えました。中山氏が求める空港と港を結ぶ道路が、この対象に当たるのかどうかは、現時点では明らかになっていません。
なお政府は、この枠組みは自衛隊や海上保安庁が優先して使うためのものではなく、空港法や港湾法などの既存の法令に基づく運用だと説明しています。自衛隊や海上保安庁の専用施設を整備するものではなく、民間の空港や港に新たに基地や駐屯地を置くこともないとしています。
ネット上では、期待と不安の両方の声が見られます。
「空港と港を結ぶ道路がしっかり整うなら、島の物流や災害時の備えにとってありがたいです。」
「台風が多い石垣島だからこそ、災害のときに自衛隊が円滑に動ける体制は心強いと思います。」
指定を巡る懸念と今後の焦点
一方で、懸念の声も上がっています。県内では、民間の空港や港が軍事利用の拡大につながり、有事の際に攻撃対象になるのではないかという心配が示されています。2026年10月1日には、宮古空港の指定に反対する市民団体が、古謝氏に声明を出しました。
他の県でも、国への要望が出ています。香川県は2026年3月、民間の利用に配慮して県民生活に影響が出ないようにすることや、安全の確保を、国に求めました。
「基地ではないと説明されても、有事に狙われるのではと不安になります。住民への説明をもっと丁寧にしてほしいです。」
「指定される前に、島の住民が納得できる説明会を開いてほしいです。」
「整備の費用は国と管理者がそれぞれ負担すると聞きました。市の負担がどうなるのか、きちんと知りたいです。」
石垣空港の指定が実現するかどうかは、国による県への働きかけと、県の同意の手続きにかかっています。指定されれば、整備の内容や費用の負担、民間の利用への影響について、島の住民が納得できる説明が欠かせません。島の安全を守る備えと、住民の暮らしを守る視点を両立させる議論が求められます。
まとめ
- 2026年10月19日、中山義隆氏(石垣市長)が、石垣空港が特定利用空港に指定された場合、石垣港と空港をつなぐ道路の整備を国に求める考えを示しました。
- 石垣空港は現時点で未指定で、指定には県の同意が必要です。石垣港は2024年4月1日に指定済みです。
- 政府が挙げるメリットは、災害時の連携、輸送の迅速さ、施設の整備、道路の追加の四つです。
- 整備の費用は、既存の制度に基づいて国と管理者がそれぞれ負担するとされています。
- 民間の空港や港が攻撃対象になることへの懸念もあり、住民への丁寧な説明が求められます。