「不登校の子どもに寄り添いたい。でも、仕事を休むと収入が不安――」。そんな保護者たちの切実な声が、ついに政治を動かし始めた。
日本共産党の白川よう子・参院比例予定候補が中心となって、西日本17県の政治課題をテーマに語り合うインスタライブがスタートした。初回となった4月4日夜の配信では、高知県議の塚地佐智氏をゲストに招き、「不登校休暇」――不登校の子どもを持つ親が仕事を休める制度について、率直な意見を交わした。
「子どもに寄り添いたい」保護者の声がきっかけに
きっかけは、今年2月6日に行われた政府交渉だった。高知県委員会のメンバーが、子育て世代から寄せられた「不登校の子に付き添いたいが仕事がある。休める制度がほしい」との要望を直接届けたのだ。
それを受けて、塚地県議も3月の県議会でこの問題を取り上げた。準備の過程で分かったのは、厚生労働省が1月に発表した報告書に、「介護休業制度」の対象として不登校児も含める可能性を示していたという事実だった。
不登校児のケアも「介護」の対象に?
議会で塚地県議が「不登校児のケアも介護休業の対象になるのか」と質問すると、県の担当者は「医師の診断があり、介護が必要と認められれば可能」と明言した。制度上、明文化されていたわけではないが、運用によって道が開かれる可能性が見えてきた。
塚地県議は「白川さんと連携して、不登校の実態に合わせて本当に使える制度になるよう、取り組みを進めたい」と語った。
介護離職を防ぎ、子どもと親を支える制度に
インスタライブで白川氏も「これはまさに当事者の声が政策を動かした成果」と語り、「子どものために働きながら付き添いたいという親を支える制度づくりを、もっと進めていきたい」と力を込めた。
「介護休業」というと、高齢の親を世話するためのものと思われがちだが、最近は障害児や医療的ケア児の保護者も対象となってきた。そこに「不登校児」も加わることで、制度の幅はさらに広がる。
広がる不登校、求められる支援
文部科学省の最新データによれば、不登校の小中学生は2023年度、過去最多を更新。背景には、いじめ、家庭環境、コロナ禍の影響など複雑な要因がある。長期にわたる不登校の場合、親が子どもに寄り添い、精神的ケアをする必要性も高まっている。
そうした状況に対して、親が仕事を辞めずに子どもに付き添える制度があれば、家庭への負担はぐっと減る。ただ、実際に制度を使うには医師の診断や職場の理解など、まだまだ課題も多い。
声をあげることで、社会は変わる
今回の取り組みは、現場の親たちの声を政治が受け止め、制度のあり方を少しずつ変えていこうとする一歩だ。白川氏や塚地氏は、今後も当事者の声を政策に反映させるため、活動を続けていくという。
「子どものそばにいたい」。その当たり前の願いが、制度を少しずつ変えていく。社会全体でそれを支える仕組みが、ようやく見え始めている。