2025年4月11日、日本共産党の山添拓政策委員長は国会内で記者会見を行い、物価高騰や米国の関税措置への対応策として、消費税の減税を政府や各政党に求めた。山添氏は、以前から物価高による生活や営業の困難さを指摘し、消費拡大と内需拡大のために消費税減税が最も効果的な対策であると主張してきた。今回、与野党から消費税減税を検討する声が上がっていることについて、山添氏は「今頃かというのが率直な感想だ」と述べつつも、「現状を変えるには、消費税減税しかないという事態に至っている」と強調した。また、消費税を緊急に5%に減税し、インボイス制度を廃止することを提案し、大企業や富裕層に応分の負担を求める財源案を示した。山添氏は「こうした立場に多くの政党が立ち、消費税を減税し、暮らしを支える経済政策に転換するように正面から求めたい」と述べた。
与党内の動きと慎重な姿勢
与党内でも、物価高や米国の関税措置への対応策として、消費税の減税を求める声が上がっている。公明党の斉藤鉄夫代表は、政府に対して「減税を柱とした包括的かつ効果的な経済対策」を早急に策定するよう求め、消費税減税の可能性も否定しなかった。一方、自民党内では、消費税減税に慎重な姿勢が見られる。石破茂首相は、消費税は社会保障を支える重要な財源であり、税率の引き下げは「適当ではない」と述べた。また、森山裕幹事長も、社会保障費の安定的な財源の重要性について「十分に理解を求めていく必要がある」と指摘し、減税論にくぎを刺している。
野党の提案と参院選への影響
野党各党も、消費税減税を求める動きを強めている。国民民主党の玉木雄一郎代表は、消費税率の5%への引き下げを政府に申し入れた。立憲民主党内では、消費税減税に慎重な野田佳彦代表が苦境に立たされており、党内から圧力が高まっている。夏の参院選を控え、消費税減税を巡る議論は、各党の政策や選挙戦略に大きな影響を与える可能性がある。
財源確保と財政規律の課題
消費税減税を実施する場合、財源の確保が課題となる。山添氏は、大企業や富裕層に応分の負担を求める財源案を示しているが、自民党内では財政規律を重視する声が強い。公明党の斉藤代表も、消費税減税を考える場合、「代替の社会保障財源を同時に示すということは当然必要なことだ」と述べている。消費税は社会保障費の重要な財源であり、減税による影響を慎重に検討する必要がある。
今後の展望
消費税減税を巡る議論は、物価高騰や米国の関税措置への対応策として、与野党で活発化している。夏の参院選を控え、各党の政策や選挙戦略に大きな影響を与える可能性がある。今後、政府や各党がどのような対応を取るのか、注目される。
- 日本共産党の山添政策委員長は、消費税減税を政府や各政党に求めた。
- 与党内でも、消費税減税を求める声が上がっているが、自民党内では慎重な姿勢が見られる。
- 野党各党も、消費税減税を求める動きを強めており、夏の参院選への影響が懸念される。
- 消費税減税を実施する場合、財源の確保と財政規律の課題がある。