日本共産党の小池晃書記局長は4月12日、神奈川県小田原市で開催された第38回日本老年脳神経外科学会総会にて特別講演を行い、日本の医療政策の現状と将来の展望について語った。
小池氏は、消費税の減税と医療への税金投入の必要性を強調し、医療機関の経営悪化や医療従事者の待遇改善の重要性を訴えた。
医療機関の経営悪化と診療報酬の課題
小池氏は、2024年度に医業利益が赤字となる病院が69%に達したことを指摘し、物価高騰による診療材料費の増加が診療報酬の改定を上回っていると述べた。
また、消費税が医薬品購入などに課税される一方で、保険診療は非課税であるため、医療機関にとって大きな負担となっていると指摘した。
このような状況を改善するため、以下の政策変更を提案した:
- 社会保障費の伸びを高齢化の範囲内に抑制する「目安対応」の廃止
- 診療報酬を賃金や物価の上昇に応じて適切に対応する仕組みの導入
国際比較と社会保障支出の見直し
小池氏は、日本の社会保障支出がGDP比で22.9%と、欧州諸国や米国(24.1%)よりも低いことを指摘し、「日本は高齢者医療にお金を使っていない」と述べた。
さらに、医療・介護従事者の賃金や労働条件を改善することで、日本経済全体の活性化につながると主張し、社会保障は経済を元気にする力であり、人権の問題でもあると強調した。
また、憲法25条に基づき、「健康で文化的な最低限度の生活」を国が保障する義務があると述べ、軍事費優先の予算の見直しを提案した。
小池氏は、医療への税金投入を増やすことで、医療機関の経営改善や医療従事者の待遇向上が期待できると述べた。
また、社会保障支出の見直しにより、高齢化社会に対応した持続可能な医療体制の構築が可能になると主張した。
今後、国会での議論を通じて、これらの政策提案が実現されることが期待される。