大阪市の横山英幸市長は、2025年4月13日から10月13日まで開催される大阪・関西万博の成功と、その後の夢洲地区の発展に強い期待を寄せている。市長は、夢洲を「圧倒的な非日常空間」と位置づけ、統合型リゾート(IR)や国際交流拠点としての整備を進める意向を示した。
市政運営と公約の進捗
市長は、これまでの市政運営について、特に保育料の無償化に注力してきたと述べた。0~2歳児の保育料無償化は、待機児童の増加を防ぎつつ、保育施設や人材の確保が課題であると認識している。また、第2子からの無償化や塾代助成の所得制限撤廃など、公約の実現に向けた取り組みを進めている。
万博の成功要因とレガシー
万博の成功には、地球温暖化などの世界的課題を共有し、技術を次世代に引き継ぐことが重要であると市長は強調した。大阪は、ヘルスケアパビリオンで健康と医療を展示し、健康寿命と平均寿命の差を縮める技術を紹介する予定である。また、万博を通じて大阪が国際都市として成長し、健康でいきいきと暮らせる社会の実現を目指す。
夢洲の開発とベイエリアの可能性
夢洲地区は、IRの解除権が放棄され、開発が進行中である。市長は、ビジネス、国際交流、観光など多様な機能を持つエリアとしての発展を期待している。万博の理念を引き継ぎ、非日常的な空間を創出することで、ベイエリアのポテンシャルを最大限に活用する方針である。
行政区のブロック化と効率化
市長は、24の区役所を残しつつ、区同士の連携を強化する「ブロック化」に取り組んでいる。道路や公園の管理業務から始め、適切な業務を選定し、効率的な行政サービスの提供を目指す。今年度中には、具体的な方針を示す予定である。
今後の重点施策
市長は、うめきた地区の開発に続き、JR大阪駅南側のダイヤモンド地区から御堂筋、なんば広場にかけて、人中心の歩行空間の整備を計画している。また、スタートアップエコシステムの確立を目指し、ベンチャーキャピタルや企業の投資を促進する環境を整備する意向を示した。
大阪・関西万博の概要
大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、2025年4月13日から10月13日までの184日間、大阪市此花区の人工島・夢洲で開催される。会場は約155ヘクタールの広さを持ち、約2,820万人の来場者が見込まれている。万博では、スマートモビリティやデジタル技術、アート、グリーンエネルギーなど、未来社会の実験場として様々なチャレンジが展開される予定である。
市長は、万博を契機に大阪の国際的な地位を高め、持続可能な都市づくりを推進する考えである。夢洲の開発や行政改革、スタートアップ支援など、多角的な施策を通じて、大阪の未来を切り拓く姿勢を示している。