2024-12-13
「103万円の壁」とは、日本の税制上の仕組みで、多くの人々の働き方に大きな影響を与える制限の一つです。
特にパートタイム労働者やアルバイトをしている学生にとって、この壁を越えると税負担が増加するため、収入を抑える傾向があります。
これに対して、自民・公明の与党と国民民主党が協議を重ねてきましたが、13日に行われた5回目の協議でも、合意には至りませんでした。
この「103万円の壁」は、大きく分けて2つの側面があります。
まず1つ目は、所得税の「基礎控除」に関するものです。現在の制度では、年間の所得が103万円を超えると、控除が受けられなくなり、課税対象となります。
この点について与党は、壁の引き上げを検討しており、2024年から123万円に引き上げる案を提示しました。
しかし、国民民主党は衆議院選挙の公約に基づき、178万円に近い引き上げを求めています。この日も国民民主党は与党案を拒否し、交渉は難航しました。
自民党の宮沢税調会長は、「かなり誠意を見せたつもり」と述べましたが、国民民主党の求める水準には届かない提案に、折り合いがついていません。
一方、2つ目の壁は「特定扶養控除」に関するものです。
これは、学生アルバイトの年間収入が103万円を超えると、扶養親の税負担が増える仕組みです。
この点に関しては、与党も国民民主党の提案を一定程度受け入れ、150万円まで引き上げる方向で調整を進めているとされています。
しかし、この日の協議ではこの壁についての具体的な議論は行われませんでした。
こうした背景には、与党と国民民主党の双方が複雑な思惑を抱えていることが影響しています。
特に、国民民主党では、税調会長に加え、玉木代表や幹事長といった主要メンバーも議論に関与しており、与党側は「誰が最終的な判断をしているのかがわからない」と、不満を募らせています。
次回の協議は、来週17日に予定されていますが、ここで決着を見られるかどうかは不透明です。
「103万円の壁」の問題は、単なる税制の技術的な調整にとどまらず、多くの国民の生活や働き方に直結する課題です。この問題がどのような形で解決されるのか、今後の議論に注目が集まっています。
2024-12-14 11:12:36(植村)
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