2026-10-28 コメント投稿する ▼
山本譲司氏が衆院比例31減に反対 少数意見を守る条件とは何か
2026年10月28日、衆議院の議員定数を減らす案に反対する集会が国会前で開かれました。自由民主党(自民党)、日本維新の会(維新)、国民民主党(国民民主)の3党が比例代表31議席削減に賛成するなか、いのちの党の山本譲司氏(代表)は「少数の意見、多様な意見」が締め出されると訴えました。服役中に障害のある受刑者の世話をした経験を持つ山本氏の訴えは重いものです。一方で、少数の意見を守ることは、どんな主張でも通すことではありません。
山本譲司氏が比例31減に反対した理由
2026年10月28日の夕方、衆議院の議員定数を減らす案に反対する集会が、国会前で開かれました。自由民主党(自民党)、日本維新の会(維新)、国民民主党(国民民主)の3党は、2026年10月28日に、衆院の比例代表の定数を31議席減らす案に賛成しました。3党は2026年10月29日に正式に合意する方針で、今の国会で法律が成立する可能性が高まっています。
集会には、日本共産党(共産党)の塩川鉄也氏(国会対策委員長)、立憲民主党(立憲)の打越さく良氏(参議院議員)、社会民主党(社民党)の福島瑞穂氏(党首)らが参加しました。福島氏は、比例代表が減ると女性の議員が減ってしまうことへの懸念を示しています。そのなかで、いのちの党(旧・れいわ新選組)の山本譲司氏(代表)は、政党どうしの協議が2026年10月28日の会合で一区切りとなったことを問題だと訴えました。
山本氏は、比例代表の定数を削ることは絶対に入れるべきではないと述べました。理由として挙げたのは、比例代表が女性や障害のある人たちの国政への参加を支えてきたという点です。比例代表を減らせば、国会から「少数の意見、多様な意見」が締め出されてしまうというのが、山本氏の主張です。
少数の意見を知る人、山本譲司氏の歩み
山本氏の訴えに耳を傾けるべき理由は、これまでの歩みにもあります。山本氏は2000年9月に政策秘書の給与を流用した事件を起こし、2001年に実刑判決を受けて服役しました。獄中での生活は433日に及びました。
服役中、山本氏は刑務所で、障害や病気のある受刑者の食事や入浴などの世話をする役目を担いました。そこで目にした現実を本にまとめたものが『獄窓記』です。出所後は、出所した高齢者や障害のある人の社会復帰を支える活動に取り組んできました。
2026年2月の衆議院選挙では、比例代表の南関東ブロックで当選し、国政に戻りました。2026年7月31日には、れいわ新選組の代表に選ばれ、その後の2026年8月6日に、党名をいのちの党に改めると発表しました。刑務所の中で障害のある人たちの現実に触れた人物が、比例代表の削減に強く反対しているのです。
小選挙区では、一つの選挙区で当選できるのは1人だけです。そのため、票の少ない意見は議席に結びつきにくくなります。比例代表は、その弱点を補い、小選挙区では届きにくい声を国会に送る役割を担ってきました。山本氏が守りたいと訴える「少数の意見」は、まさにこの声のことです。
ネット上でも、この問題への受け止めはさまざまです。比例代表を残してほしいという声がある一方で、数の議論だけに疑問を持つ声も見られます。次のような意見が代表的です。
「障害のある人や女性の声を国会に届ける仕組みは、残してほしいです。比例がなくなると、そうした声が一気に小さくなりそうで心配です。」
「少数意見は大切にするべきだと思います。ただ、数字も根拠も示さずに反対だけを繰り返す姿は、見ていてしんどいです。」
少数の意見と無茶な要求を分ける四つの目印
ただし、少数の意見を守ることは、どんな主張でも通すという意味ではありません。少数の意見が大切にされるのは、数が少ない人たちの困りごとを、社会全体で解決するためです。自分の要求だけを押し通そうとする無茶やワガママとは、はっきり分けて考える必要があります。少数の意見と無茶な要求は別物です。
分ける目印は四つあると考えます。一つ目は、事実と数字の裏付けがあるかどうかです。たとえば、比例代表を減らすと障害のある人の議席がどれだけ減るのかを数字で示せば、国民は判断できます。二つ目は、実現の道筋があるかどうかです。お金をどこから出し、いつまでに何を達成するのかという計画が欠かせません。
三つ目は、法律や国会のルールを守り、議論を尽くす姿勢があるかどうかです。山本氏が協議の一区切りを問題視したのは、この手続きの面からの訴えでもあります。四つ目は、自分と違う意見にも耳を傾ける姿勢があるかどうかです。この四つを満たす意見であれば、数が少なくても、国会で丁寧に扱われるべきです。
この目印は、定数を削る側にも当てはまります。人口が減っているという理由は、国民が確かめられる数字と、削減後に国会がどう良くなるのかという説明があって初めて納得につながります。削る側も反対する側も、同じ物差しで説明する責任があります。ネット上にも、立場を問わず説明を求める声があります。
「議員が自分たちの数を減らすのは当然だと思います。物価高で苦しんでいるのに、国会だけ今のままでは納得できません。」
「大事なのは議席の数よりも中身です。減らすなら、その分どんな仕事をするのか、先に説明してほしいです。」
「協議が一区切りになるのが早すぎる気がします。国民に十分説明してから決めてください。」
比例31減と修正サンラグ式を数字で確かめる
衆議院の定数は、現在465議席です。内訳は小選挙区が289議席、比例代表が176議席です。比例代表を31議席減らすと、計算上は比例代表が145議席、全体で434議席になります。比例代表31議席削減は、比例だけを減らす案という点が大きな特徴です。
自民党は、人口が減っていることを理由に挙げています。国民民主の玉木雄一郎氏(代表)は2026年10月24日、この新しい案について、削減の根拠が一つ示されたという受け止めを示しました。一方、維新は当初、45議席の削減を主張していました。
あわせて、議席の配り方を修正サンラグ式という計算方法に改める案も盛り込まれました。これは、各党の得票に応じて議席を割り振る計算ルールの一つで、現在のドント式より、小さな政党にも議席が回りやすい仕組みとされています。自民党の幹部は、中小の政党にも配慮した案だと説明しています。一方で塩川氏は、自民党側の試算では、自民党と維新の議席の割合が全体の中で数ポイント上がると指摘しました。
同じ案について、正反対に聞こえる説明が出ています。どちらが当てはまるのかを国民が確かめられるように、計算の前提となる数字を国会で公開してほしいと思います。数字がそろえば、少数の意見が守られるのかどうかを、感情ではなく事実で判断できます。
福島氏は、定数削減には憲法改正に慎重な勢力を衆議院から外す狙いがあるとの見方を示しました。これはあくまで福島氏の見方です。憲法改正の是非は、定数の議論とは切り分けて、国民にまっすぐ問うべきテーマです。
塩川氏は、維新がかつて求めていた企業・団体献金の全面禁止が棚上げになったと批判しました。政治への信頼を取り戻すには、議員の数だけでなく、企業・団体献金の扱いも含めて説明することが欠かせません。政治が国民のためのものか、企業のためのものかが問われているからです。
物価高に苦しむ国民の暮らしを守る対策は、一刻の猶予も許されません。減税など、すぐに効果の出る対策の議論が、議員の数をめぐる議論の陰に隠れてはいけません。国会には、速さと丁寧さの両方が求められます。
山本氏の訴えの核心は、声の小さな人たちを国会に届けるという点にあります。その大切さは、立場の違いを超えて大事にしたい価値です。そのうえで、賛成する側も反対する側も、数字と根拠と手続きで説明を尽くすことが必要です。少数の意見を本当に守るのは、議席の数だけでなく、筋の通った説明と対話です。
まとめ
- 2026年10月28日、自民党・維新・国民民主の3党が衆院の比例代表を31議席減らす案に賛成し、2026年10月29日に正式合意する方針です。
- いのちの党の山本譲司氏は、比例の削減は国会から少数の意見、多様な意見を締め出すと訴えました。
- 山本氏は、服役中に障害のある受刑者の世話をした経験を本にまとめ、出所後は社会復帰の支援に取り組んできました。
- 少数の意見を守るには、数字の裏付け、実現の道筋、ルールの順守、他者の意見を聞く姿勢が欠かせません。
- 修正サンラグ式をめぐる説明が分かれており、計算の前提となる数字の公開が必要です。
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