広島市議会が費用弁償を大幅減額、19年ぶりの抜本見直しで年1200万円削減へ

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広島市議会が費用弁償を大幅減額、19年ぶりの抜本見直しで年1200万円削減へ

広島市議会は2026年9月25日、議員が議会に出席するたびに支給される費用弁償を12月から大幅に減額する条例改正案を可決しました。現行では自宅から議会までの距離に応じ1日5,000円または8,000円が一律支給されてきましたが、新制度では距離に応じて1,000円から3,000円へと引き下げられます。19年ぶりの見直しで、年間約1,200万円の削減が見込まれます。実際の交通費とは無関係に支給される「第二の報酬」との批判に応えた改正であり、全国で廃止が相次ぐ費用弁償問題への広島市の対応として注目されます。同日、人口比に合わせた定数配分の改正案も可決されました。

費用弁償とは何か:「第二の報酬」の実態


地方議会の議員は、通常の議員報酬とは別に、議会出席の際の交通費や日当として費用弁償を受け取ることができます。根拠は地方自治法にあり、各議会が条例で支給額を定める仕組みです。広島市議会の場合、自宅から議会までの距離が8キロメートル以内なら1日5,000円、8キロメートルを超えると1日8,000円が支給されてきました。この金額は過去19年以上変わることなく維持されてきたものです。問題は、この費用弁償が実際にかかった交通費とは無関係に、条例の距離区分に応じて一律支給されていた点です。自転車や徒歩で通う議員であっても、公共交通機関を利用する議員であっても、同じ距離区分なら同額が支給されてきました。

こうした構造から、費用弁償は「第二の報酬」とも呼ばれてきました。費用補填という本来の趣旨から乖離しているとして、全国的に廃止・削減を求める声が高まっており、すでに廃止を決めた自治体も少なくありません。物価高が続き市民の家計が圧迫される中で、実態にそぐわない議員への特別支給が温存されていることへの批判は根強く、制度の見直しが急務とされていました。市民感覚からすれば、通勤に実費がかからない議員にまで交通費名目のお金が支払われることは到底納得しがたいものがあります。

19年ぶりの見直し:新制度の内容


広島市議会は2026年9月25日の定例会において、費用弁償を減額する条例改正案を賛成多数で可決しました。実に19年ぶりとなる見直しです。新制度では自宅から議会までの距離が5キロメートル未満の場合は1,000円、5キロメートル以上10キロメートル未満の場合は2,000円、10キロメートル以上の場合は3,000円となります。現行の最大8,000円と比べると最大で5,000円の引き下げであり、年間で約1,200万円の削減が見込まれます。議会事務局によれば、この削減額は市の財政にとって一定の効果をもたらすものとなります。

今回の改正案は議員提案の形で提出されており、市議会では昨年から見直し議論を続けてきました。完全廃止ではなく段階的な減額という着地点でしたが、長年の懸案に踏み込んだことは大きな一歩です。削減された財源が市民の税負担軽減や市民サービスの充実に活用されることが強く求められます。

「やっと手がついたか。長年の懸案だっただけに、もっと早く動いてほしかった」
「廃止じゃなくて減額にとどまったのが惜しい。全国の流れを見れば完全廃止が筋では」
「議員の皆さんもようやく自分たちへのメスを入れてくれた。少し信頼回復になる」
「年1200万円の削減は小さくない。市民の税金が有効に使われることを期待したい」
「第二の報酬と言われ続けていたのに、ここまで時間がかかるのが問題だと思う」

定数配分の是正:中区増・安芸区減


同日の定例会では、市議会の議員定数配分を見直す条例改正案も賛成多数で可決されました。現在54議席の定数のうち、中区の定数を現行の6から7へと1増、安芸区の定数を現行の4から3へと1減とするものです。この改正は、来年春の任期満了に伴う広島市議選から適用されます。なお、定数の総数は変わらず54議席が維持されます。

今回の定数配分改正の背景には、人口変動による選挙区間の不均衡があります。公職選挙法は選挙区ごとの定数を人口に比例して定めるよう規定していますが、広島市では人口が最も多い中区よりも南区の定数の方が多いという逆転現象が生じていました。有権者の一票の重さに地域間で大きな差が生まれることは選挙の公平性に関わります。今回の改正によって、選挙区ごとの人口と定数のバランスがより合理的なものに近づきます。

全国の廃止ラッシュと今後の展開


費用弁償をめぐっては、全国の地方議会で廃止や削減の動きが相次いでいます。「実費支給でないなら廃止すべき」という住民の声は広く共有されており、議会に対する透明性への要求は年々強まっています。広島市議会の今回の判断は「前進」と評価できる一方で、完全廃止に至らなかったことへの批判的な声も上がっています。費用弁償問題の本質は、金額の大小だけでなく、実費に基づかない一律支給という制度そのものの不透明さにあります。今後、制度の在り方についてさらなる議論が続くことが予想され、次のステップとして廃止を求める声は引き続き強まると見られます。政治への信頼回復のためには、議員の側が率先して既得権を手放す姿勢を見せることが何より重要です。

まとめ


  • 広島市議会は2026年9月25日、費用弁償を減額する条例改正案を可決した
  • 12月から1日最大8,000円が最大3,000円へと引き下げられる(距離に応じて段階設定)
  • 19年ぶりの見直しで年間約1,200万円の削減が見込まれる
  • 同時に議員定数の配分を改正し、中区+1・安芸区-1とした
  • 定数改正は来年春の広島市議選から適用される
  • 全国では費用弁償廃止の動きが続いているが、広島市は完全廃止には至らなかった

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2026-09-26 10:53:01(植村)

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