日本のエネルギー供給安定化へ:特定タンカー法改正と造船業再生、参政党・吉川里奈議員が国会で問う

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日本のエネルギー供給安定化へ:特定タンカー法改正と造船業再生、参政党・吉川里奈議員が国会で問う

日本の造船業は、2019年を最後にLNG運搬船の国内建造実績がなく、その能力は著しく低下しています。 日本がエネルギーの安定供給を自力で守るためには、国産のLNG運搬船建造能力を再構築することが急務です。

参政党の吉川里奈議員が2026年10月28日、衆議院国土交通委員会で日本のエネルギー安全保障の根幹に関わる重要な質疑を行いました。特定タンカー法改正案の実効性と、衰退の一途を辿る日本の造船業が抱える課題について、政府に厳しくその見解を質したのです。世界情勢が不安定さを増す中で、私たちの暮らしを支えるエネルギーの安定供給は、国家の最重要課題の一つと言えます。

特定タンカー法改正の意義と運用上の課題


今回の特定タンカー法改正案は、外国政府等の措置により「船主責任保険」の再保険が停止した場合に、政府が補填する対象を従来の原油に加えて、LNG(液化天然ガス)や石油製品にまで拡大し、対象国を政令で指定できるようにするものです。これは、国際的な制裁や紛争など、有事におけるエネルギー輸送のリスクが高まる中で、日本の生命線を守るための画期的な法整備と言えるでしょう。

しかし吉川議員は、有事発生時の手続き遅延が輸送停止に繋がりかねないリスクを指摘し、事前の準備や事務体制の整備状況を政府に追及しました。政府は、再保険停止までの猶予期間内に手続きを完了できる体制を構築すると答弁しています。吉川議員は、緊急時における迅速な対応能力が真に備わっているのか、具体的な危機管理体制の提示を求めたと見られます。単なる法整備だけでなく、その運用実効性を徹底して担保することが、国民の生活と経済活動を守る上で不可欠です。

国会関与の強化と日本船舶拡充の必要性


政令による対象指定が国の賠償リスクを変動させることに対し、吉川議員は財政負担への国会関与と透明性の確保を強く求めました。政府は会計年度ごとに政府が負う最大額を国会の議決(予算案への記載)を経ると説明しましたが、吉川議員は予備費の支出承認が事後となる点を指摘し、判断基準の明確化と、運用状況および国の負担を定期的に国会へ報告・検証する仕組みの導入を要求しました。国民の税金が投入される可能性のある事案であり、その透明性は極めて重要です。

保険による保障体制が整ったとしても、実際に日本へ物資を運ぶ「日本船舶」が確保できなければ、エネルギー安定供給は絵空事に終わると吉川議員は警鐘を鳴らしました。日本の海運業は国際競争の激化やコスト増から、外国籍の便宜置籍船への依存度が高まっています。しかし、有事の際にはこれらの船舶が中立を保つため航行を拒否したり、政府の命令に従わなかったりするリスクが顕在化するため、国産船舶の重要性は増すばかりです。

さらに、日本船舶の拡充は船員の安全確保と一体で進めるべきだとの見解を示しました。危険地域での退避基準や具体的な避難体制の整備を要望することで、単なる物資輸送だけでなく、そこで働く人々の生命を守ることの重要性を強調しています。この視点は、単なる経済活動に留まらない、総合的な国家安全保障の観点から非常に説得力があります。

LNG運搬船国内建造体制の再構築へ


日本の造船業は、2019年を最後にLNG運搬船の国内建造実績がなく、その能力は著しく低下しています。かつて世界をリードした日本の造船業ですが、価格競争力の低下や国内需要の減少により、中国や韓国にその地位を譲ってきました。特にLNG運搬船のような高付加価値船の建造能力は、技術力だけでなく高度なサプライチェーンと熟練した人材を必要とします。

にもかかわらず、2030年代には世界的に50〜130隻もの建造需要が見込まれており、このギャップは日本のエネルギー安全保障にとって看過できないリスクです。政府は2035年以降の供給目標を年間3〜5隻と設定していますが、吉川議員はこの目標では経済安全保障上必要な建造能力を確保できるのか疑問を呈しました。目標が低すぎれば、造船所は将来の受注を見込めず、設備投資や人材育成に踏み切ることができません。

日本がエネルギーの安定供給を自力で守るためには、国産のLNG運搬船建造能力を再構築することが急務です。これには、政府が明確な需要予測と長期的な支援策を示し、造船業が安心して投資できる環境を整える必要があります。他国に依存しきった現状は、有事の際に日本の生命線を脅かすことになります。

造船業を支える人材確保と国際貢献


日本の造船現場では、2025年春時点で技能実習生が約4,000〜4,500人、特定技能外国人が約1万人従事しており、深刻な人手不足が伺えます。2028年度までの受け入れ上限が両制度合わせて3万6,900人とされる中、吉川議員は2027年4月に施行される育成就労制度について、単なる人手不足の解消に留まらない、より本質的な活用を訴えました。

育成就労制度は、相手国での人材育成や長期的な協力関係の構築へと繋げるべきだという吉川議員の提言は、単なる労働力としての外国人材受け入れではなく、日本の技術や産業ノウハウを共有し、国際社会全体での発展を目指す視点を示しています。これは、日本の技術力をソフトパワーとして活用し、国際的な信頼を構築することに繋がるでしょう。

質疑の最後に、吉川議員は東ティモールでの常石造船の取り組みに言及し、日本の産業力、すなわち「国産国力」を高めることが相手国との信頼を築き、真の国際貢献に繋がると主張しました。自国の基盤を強固にすることが、ひいては世界全体の安定と繁栄に寄与するという、保守系政党らしい哲学が込められた発言と言えるでしょう。吉川議員の質疑は、日本のエネルギー安全保障と産業基盤の強化に向けた喫緊の課題を浮き彫りにし、政府に具体的な行動を促す重要な機会となりました。

まとめ


  • 特定タンカー法改正案の運用実効性と有事への備えが重要視されている。
  • 国の賠償リスク変動に対する国会関与の強化と透明性確保が求められている。
  • 日本のエネルギー安定供給のため、国産の日本船舶拡充が不可欠である。
  • LNG運搬船の国内建造能力再構築に向けた、政府の長期的な支援と目標設定が課題。
  • 造船業の人材確保において、育成就労制度を単なる人手不足解消ではなく国際協力へ繋げるべきだという提言があった。
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2026-10-31 07:09:17(櫻井将和)

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