2026-10-30 コメント投稿する ▼
石破茂氏の日韓連携論を検証 韓国と約束できるのか現実を直視すべき
石破茂氏(元首相)が2026年10月29日、韓国の統一部が主催する国際フォーラムの日本セミナーで祝辞を述べ、日韓が連携すれば人口は約1億7000万人、GDPは約6兆ドル(約947兆円)、防衛力も含めて世界3位級になり得ると語ったと報じられました。しかし、この数字は二つの国を合算した仮定の話にすぎません。韓国では2024年12月の戒厳宣言から約半年で大統領が替わり、日韓の合意の扱いも政権や状況によって揺れてきました。2026年8月6日にも竹島で韓国軍の防衛訓練が行われ、日本政府が抗議しています。
石破茂氏が描いた「日韓連携で世界3位」という構想
報道によると、石破氏は、日本と韓国が連携すれば人口は世界7位、GDPはドイツを上回る世界3位、防衛力も世界3位になり得ると述べました。連携が実現すれば北東アジアの安全保障にも大きな力を発揮するとの見方も示しています。さらに、在任中に李在明氏(大統領)と3回の首脳会談を行ったことに触れ、日韓が互いに最も信頼し合う国同士になりつつあるとも語りました。
一方で石破氏は、日本が歴史の真実と向き合い、戦争について反省しなければ真の進展はないと強調したと伝えられています。同じ行事では、鄭東泳氏(統一部長官)が代読された祝辞で、朝鮮半島の休戦体制を平和体制へ転換する必要性を訴え、日本にも協力を求めました。
ここで押さえておきたいのは、この「世界3位」が二つの国を合算した仮定の話だという点です。日本と韓国は別々の国です。数字を足しても一つの国になるわけではありません。大切なのは、足した数字の大きさではなく、結んだ約束が両国で長く守られるかどうかです。
「合算すれば世界3位と言われても、一つの国になるわけではありません。夢のある数字より、守られる約束のほうが大事だと思います。」
政権が替わるたびに揺れてきた韓国の政治と合意
韓国の政治は、ここ数年で大きく揺れました。2024年12月3日に尹錫悦氏(前大統領)が非常戒厳を宣言し、2025年4月4日に憲法裁判所が罷免を決定しました。2025年6月4日には李在明氏が大統領に就任し、戒厳宣言から約半年で大統領が替わっています。尹氏は2026年2月19日、内乱の首謀者として一審で無期懲役の判決を受けました。
経済にも気になる点があります。2026年の成長率の見通しが引き上げられ、輸出も好調と報じられる一方で、家計の借金を示す家計信用は2026年4〜6月期に過去最高を更新しました。物価の上昇率は2026年9月も前年同月比2.9%で、韓国銀行は2026年8月27日に政策金利を3.0%へ引き上げています。好調な数字がある半面、家計の借金と物価という課題を抱えているのは事実です。
日韓の合意の扱いも、政権や状況によって変わってきました。1965年の日韓請求権協定で請求権の問題は「完全かつ最終的に解決された」とされましたが、2018年10月30日に韓国の大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じる判決を出しました。2015年12月28日の慰安婦合意では「最終的かつ不可逆的」な解決を確認したものの、2018年11月21日に韓国政府は合意に基づく財団の解散を発表しています。2019年には、軍事情報を守り合う協定(GSOMIA)の破棄を8月22日に決定し、11月22日に効力を停止すると発表しました。
李在明氏は、野党の代表だった2023年に尹政権の解決策を強く批判しましたが、大統領としては従来の合意を維持する考えを示したと報じられています。立場が変われば対応も変わるのは民主主義の姿でもあります。ただ、日本から見れば、約束の前提が動くことを織り込んで交渉する必要があります。
「合意をしても政権が替わるたびにやり直しになるのでは、交渉する意味がありません。日本側が毎回疲れてしまいます。」
竹島問題が示す、数字では埋まらない溝
日本政府は、竹島は歴史的にも国際法上も日本固有の領土であり、韓国による占拠は不法だという立場です。日本は1954年、1962年、2012年と三度、国際司法裁判所での解決を提案しましたが、韓国は応じていません。2026年2月22日に島根県などが開いた「竹島の日」記念式典に対しては、韓国政府が強く抗議したと報じられました。
2026年8月6日には、韓国軍が竹島で防衛訓練を非公開で行ったと伝えられています。李在明政権では3回目とされ、日本政府は外務省の局長が在日韓国大使館の幹部に強く抗議しました。連携の言葉が語られる一方で、領土をめぐる訓練と抗議が繰り返されているのが現実です。
「竹島で毎年のように訓練があり、そのたびに日本は抗議しています。この問題が動かないまま連携と言われても、実感がわきません。」
韓国の世論調査では、日本への好感を示す人の割合は、2025年の調査で52.4%、2026年の調査で54.3%でした。この数字自体は歓迎すべきものです。ただ、国民の好感度が上がることと、政府が領土や過去の合意をめぐる立場を守ることは、別の問題です。
必要なのは理想論ではなく、約束を確かめられる外交です
歴史を直視することは大切です。しかし、歴史への反省を日本だけに求める形では、対等な協力関係は築きにくいと考えます。日本が求めるべきなのは、結んだ約束を次の政権も守るという裏付けと、領土や安全保障で立場が食い違ったときの解決の道筋です。
「歴史を反省する話は大切ですが、日本だけが求められる形では対等な協力にならないのではないでしょうか。」
この点で、高市早苗氏(首相)の外交は現実的です。2026年5月19日には韓国の安東で李在明氏と首脳会談を行い、エネルギー分野の協力を主な議題としました。感情や理念ではなく、実務を一つずつ積み上げる姿勢は、約束を確かめながら進めるうえで理にかなっていると考えます。
「元首相の理想論より、今の高市政権が進める現実的な外交のほうが安心できます。」
日本の防衛も同じです。相手国の善意や合算した数字をあてにするのではなく、憲法改正を含めた法整備と日本自身の備えで固めるべきです。その土台があってこそ、韓国とも対等に話ができます。
現実的な議論ができない政治家は、これからの時代には必要とされないと考えます。相手の過去の行動と現在の動きを確かめ、そのうえで約束できる範囲を見極める政治家こそが求められています。数字の大きさではなく、守られる約束があるかを問う姿勢が、今の日本外交には欠かせません。1ドル=157.86円(2026年10月27日時点)で換算しています。
まとめ
- 石破茂氏は、日韓が連携すれば人口・GDP・防衛力で世界3位級になり得ると述べたと報じられました
- ただし「世界3位」は二つの国を足した仮定の話で、約束が守られる裏付けではありません
- 韓国では2024年12月の戒厳宣言から約半年で大統領が替わり、尹錫悦氏は一審で無期懲役となりました
- 1965年の協定、2015年の慰安婦合意、2019年のGSOMIAなど、合意の扱いは時期によって揺れてきました
- 2026年8月6日にも竹島で韓国軍の防衛訓練が行われ、日本政府が抗議しました
- 世論の好感度が上がっても、政府の立場や過去の合意が守られるかは別の問題です
- 実務を積み上げる高市早苗氏の外交のように、約束を確かめられる現実的な議論が求められます
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