2026-05-12 コメント投稿する ▼
在日米軍PCBを日本に無制限処理?辰巳孝太郎議員が特措法案の危険性を追及
日本共産党(共産)の辰巳孝太郎議員は2026年5月12日、PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物処理特措法の改正案に関する質問主意書を提出しました。改正案は2027年度末に定められた処理期限を廃止し、高濃度PCBも民間施設で処理できるようにするものです。在日米軍はPCB含有機器の数量や所在地を日本側に開示しておらず、改正案が成立すれば在日米軍のPCB廃棄物を無期限・無制限で日本に処理させる仕組みができあがります。2024年に日米両政府が交わした合意も事実上反故にされる内容であり、汚染者負担の原則が根本から崩される問題を辰巳氏が鋭く指摘しました。
PCBとは——カネミ油症を引き起こした人体に有害な化学物質
PCBとは変圧器やコンデンサーなどの電気機器に広く使用されてきた化学物質です。環境中で分解されにくく、食物連鎖を通じて生物の体内に蓄積する性質を持ち、肝臓障害、心臓疾患、骨の変形など人体への毒性が極めて高い有害物質です。
1968年には、食用の米ぬか油の製造過程でPCBが混入し、西日本を中心に多くの人が重篤な健康被害を受けた「カネミ油症事件」が発生しました。日本最大の食品公害事件の一つに数えられるこの悲劇を踏まえ、国際条約であるストックホルム条約(POPs条約)ではPCBの廃絶と適正処理が義務付けられています。
日本では特措法のもと、国が出資して設立したJESCO(中間貯蔵・環境安全事業株式会社)が処理を担い、2027年度末を期限に国内のPCBを廃絶することを目標としてきました。
特措法改正案の問題——処理期限廃止で在日米軍のPCBを無制限処理させる仕組みに
審議中の特措法改正案は、2027年度末の処理期限を廃止するものです。さらに、これまで民間施設では対応できなかった高濃度PCBについても、民間処理施設で処理できるようにする内容を盛り込んでいます。
この改正案が問題なのは、在日米軍のPCB廃棄物処理への影響です。処理期限がなくなることで、在日米軍は期限を気にすることなく、保有している低濃度・高濃度PCBを日本国内の民間企業と契約して処理させることが可能になります。しかも政府はその処理内容を管理・監督する手段を持たなくなります。
2024年には日米両政府が、在日米軍が海外から日本へ持ち込んだPCBは米国に移送して処理すること、在日米軍が日本国内で購入したPCBは特措法の期限内は日本で処理するが期限後はすべて米国に移送することを約束していました。今回の改正案はこれらの約束を事実上すべて反故にするものです。
「在日米軍PCBがどれだけ日本に押し付けられるかわからないなんて、怖すぎる」
「カネミ油症の被害者を思えば、PCBを無制限に処理させるなんてあり得ない」
「日本の税金で米軍の有害廃棄物を処理するって、どういう国だよ本当に」
「漏出事故が何度も起きているのに、全国26か所の民間施設で本当に安全なの」
「汚染者負担の原則って言葉を政府は知らないの?米軍に全部押し付けられてる」
処理費用は日本国民の税金から——「持ち込み偽装」リスクも
さらに深刻なのは、在日米軍が土地・建物を日本に部分返還する際の問題です。返還される土地・建物に残っているPCBは防衛省が受け取り、日本の国家予算で民間施設に処理させることになりかねません。
在日米軍はPCB含有機器の所在地や数量を日本側に明らかにしていないため、返還予定の土地にPCB機器を意図的に持ち込んで「元からあったもの」と主張すれば、日本側が無制限に処理費用を負担させられる恐れがあります。
すでに防衛省は在日米軍施設から発生したPCBを引き取って処理してきた実績があり、2003年度から2023年度の間で約482トン・費用約6億円が日本側負担で処理されています。汚染者負担の原則(有害物質を出した側が処理責任を持つ考え方)が在日米軍には事実上適用されてこなかったことがここからも明らかです。
漏出事故が繰り返し——民間施設移行後の安全管理に深刻な懸念
JESCOの処理事業ではこれまでに、2006年の東京事業所、2010年10月の豊田事業所、2016年の北九州事業所でPCBの漏出事故が繰り返されてきました。国が主導した処理施設でもこうした事故が起きてきたなか、JESCOが閉鎖された後は全国26カ所の民間処理施設のいずれかでの処理が想定されています。
辰巳孝太郎議員は2026年5月12日に質問主意書を提出しました。政府答弁書は同月22日に閣議決定される見通しです。
日米地位協定の見直しを含む取り決めを根本から整理し直し、在日米軍にも汚染者負担の原則を徹底させること、そして国民の健康と環境を守るための透明な管理体制を整えることが、今まさに求められています。
まとめ
- 特措法改正案は2027年度末の処理期限を廃止し、高濃度PCBも民間施設で処理可能にする
- 在日米軍はPCB含有機器の所在地・数量を日本側に開示していない
- 改正案が成立すれば、在日米軍は無期限・無制限で日本にPCB処理を押しつけられる
- 返還された土地のPCBを防衛省が受け取り、日本の税金で処理するリスクがある
- 2024年の日米合意(期限後は米国移送)が事実上反故にされる
- 防衛省はすでに2003〜2023年度の間で在日米軍PCBを約482トン・約6億円の日本負担で処理
- JESCOでは過去に漏出事故を繰り返しており、民間施設移行後の安全管理も懸念材料
- 辰巳孝太郎議員の質問主意書への答弁書は2026年5月22日閣議決定見通し