2026-05-12 コメント投稿する ▼
在日米軍のイラン攻撃容認は条約違反 田村智子議員が日本政府を追及
日本共産党(共産)の田村智子委員長は2026年5月12日の衆院安全保障委員会で、在日米軍が対イラン攻撃に参加しているにもかかわらず、日本政府が日米安保条約に基づく事前協議を一度も求めず黙認し続けていると厳しく批判しました。1960年に交わされた岸・ハーター交換公文は戦闘作戦行動への事前協議を義務付けていますが、政府の解釈は年々後退し、米軍の行動を追認する制度に変質しています。イタリアが米軍機の着陸を拒否した事例を引き合いに、日米地位協定の抜本的な改定を求めました。
在日米軍がイラン攻撃に参加——事前協議は行われず
2026年2月28日、米軍とイスラエル軍がイランへの攻撃を開始しました。在日米軍のイージス艦や海兵隊などが対イラン攻撃に参加していることが明らかになるなか、共産の田村智子委員長は2026年5月12日の衆院安全保障委員会で、日本政府の姿勢を厳しく追及しました。
田村氏が問題にしたのは、日米安保条約第6条に基づき1960年に交わされた岸・ハーター交換公文です。この公文は、米軍が戦闘作戦行動のために在日米軍基地を使用する場合、事前に日本政府と協議することを義務付けています。しかし在日米軍による対イラン攻撃参加にあたっても、この事前協議は一切行われていません。
田村氏は同条約の調印式の際に発表された日米共同声明で、事前協議によって「米国政府は日本国民の意思に反して行動する意図のないことを保証した」と明記されていることを指摘しました。そのうえで、米国のイラン攻撃に8割を超える国民が反対していることを挙げ、在日米軍の攻撃参加は事前協議の義務違反ではないかと強く迫りました。
外相答弁は現実と矛盾——「申し入れなければ作戦なし」は通らない
茂木敏充外相は2026年5月12日の委員会でも、「米国から事前協議の申し入れが行われていない以上、作戦行動が行われることはない」という従来の答弁を繰り返しました。しかし在日米軍が実際に攻撃作戦に参加している事実と、この答弁は真っ向から矛盾しています。
同外相は5月9日の同委員会でも事前協議は行われていないことを認めながら、「協議を行うかは米軍が判断する問題だ」と述べており、日本側として一切関与しない姿勢を一貫して示しています。
「在日米軍はイランを攻撃している。それなのに日本政府は知らぬ存ぜぬ。これで主権国家と言えるのか」
「事前協議を一度も求めたことがないって、条約を守る気がそもそもないってことでしょ」
「8割の国民が反対している攻撃に、日本の基地が使われている。この国の外交はどこに行ったんだ」
「イタリアは米軍機の着陸を拒否できたのに、日本は何もできないの?情けなくて悲しい」
「地位協定って結局、日本をアメリカのやりたい放題にさせる仕組みじゃないか」
60年代から続く「ごまかしと変節」——事前協議は骨抜きにされた
田村氏は事前協議をめぐる政府の姿勢が長年にわたって変節してきた歴史を詳しく示しました。1960年代前半には大平正芳外相(当時)が「事前協議の申し出は日本側からもできる」と答弁していましたが、後半には三木武夫外相(当時)が「アメリカ側がイニシアチブをとる」と答弁を変えました。
さらに1988年の政府統一見解では「米側がこの義務を履行することに何ら疑いを有しておらず、日本側から協議を提起することは想定されていない」と結論付けるに至りました。田村氏はこの経緯を踏まえ、「国民が反対する行為をさせない保証であるはずの事前協議制度が、米軍の行動を黙認する制度になっている」と厳しく批判しました。
イタリアは米軍機の着陸を拒否——日本との決定的な差
欧州の対応は日本と全く異なっています。イタリアは2026年3月31日、中東に向かう米軍機に対してシチリア島のシゴネラ基地への着陸を拒否しました。イタリアと米国の2国間協定では、通常の後方支援を超える攻撃的目的での基地使用にはイタリア政府の合意が必要と定められていたためです。フランスやスペインも米戦闘機の領空通過を拒否しており、欧州各国は自国の意思で米軍の行動に一定の制限を加えました。
田村氏はこうした欧州の事例を挙げ、「日本も思考停止から抜け出す時だ」と強調しました。在日米軍基地の排他的使用権を米軍に認めている日米地位協定の抜本的な改定が必要だと訴えました。
日米地位協定は1960年の締結以来、一度も改定されていません。他の米軍駐留国と比べても、日本の協定は基地使用への制限が極めて弱く、主権の観点から問題が多いと長年指摘されてきました。在日米軍が日本国民の意思に反して他国への攻撃作戦に参加できる現状は、条約の精神に反していると言えます。
事前協議制度を形骸化させ、米側のなすがままを続けてきた責任は重大です。日本政府は今こそ条約上の権利を正面から行使し、在日米軍の行動への主体的な関与を取り戻すべきです。
まとめ
- 2026年2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃に、在日米軍のイージス艦・海兵隊などが参加
- 1960年の岸・ハーター交換公文は、米軍の戦闘作戦行動に日本との事前協議を義務付けている
- 今回の攻撃参加にあたっても、日本政府は一度も事前協議を求めていない
- 米国のイラン攻撃に8割を超える日本国民が反対しており、条約上の保証が守られていない
- 茂木外相は「申し入れがない以上作戦なし」と繰り返すが、実態と矛盾
- 事前協議をめぐる政府解釈は1960年代から段階的に後退し「黙認の制度」に変質
- イタリアは2国間協定に基づき米軍機の着陸を拒否した——欧州と日本の主権意識の差は歴然
- 田村議員は日米地位協定の抜本的改定を要求