2026-05-05 コメント投稿する ▼
石破茂氏、野党元議員主催の講演会参加で波紋 自民党内から「利敵行為」の声
石破氏の発言内容自体は、自衛隊の憲法明記など、党の基本的な政策とも重なる部分がありましたが、講演会の主催者が、かつて自民党候補と激しく選挙戦を繰り広げた人物であったことから、党内からは「利敵行為」であり、党規違反ではないかとする厳しい声が上がっています。 篠原氏は産経新聞の取材に対し、今回の講演会を「一私人として行った」と説明し、自身の後援会関係者への動員などは一切行っていないことを強調しました。
石破氏、憲法改正と自衛隊の位置づけを強調
講演の中で、石破氏は先の大戦の教訓を踏まえ、自衛隊を憲法に明記することの重要性を改めて訴えました。さらに、自衛隊を政府の統制下に明確に位置づける必要性にも言及し、安全保障環境が厳しさを増す中での日本のあり方について持論を展開しました。この日の講演会では、日本維新の会の猪瀬直樹参院幹事長との対談も行われ、多様な政治的立場からの意見交換がなされました。
政界引退者との「党派超えた交流」に潜むリスク
今回の講演会は、2026年2月の衆議院議員選挙で落選し、政界引退を表明した篠原孝氏が、自身の事務所を通じて企画したものでした。篠原氏は77歳で、長年にわたり長野1区で自民党候補と議席を争ってきた経緯があります。その篠原氏が主催する集会に、自民党の元総裁である石破氏が登壇したことに対し、自民党内からは「公認候補を不利にする行為は党規違反にあたる」として、石破氏の行動を問題視する声が相次いでいます。
篠原氏は産経新聞の取材に対し、今回の講演会を「一私人として行った」と説明し、自身の後援会関係者への動員などは一切行っていないことを強調しました。しかし、長年、自民党の対立候補であった人物が主催する集会に、現役の党幹部(元総裁)が参加したことは、党紀に抵触する可能性があるとの指摘は避けられません。
石破氏側の「仁義」と配慮、そして葛藤
こうした党内からの批判に対し、石破氏は周囲に「特定候補を利する意図はない」「仁義は切っている」と説明し、理解を求めている模様です。また、石破氏が会長を務める超党派の「菜の花議員連盟」には、今回の長野1区で当選した自民党の若林健太衆院議員も今回加入しており、講演に先立つ議連の関連行事には、同じく自民党の井出庸生衆院議員とともに出席したとされています。
石破氏自身も、今回の講演会への参加には逡巡した様子が見て取れます。主催者である篠原氏も、石破氏が党内の反応を気にしていたことを認めつつ、「(石破氏は)これまで政権与党にいながら政権与党の政策を批判していたのだから、つまらないことを言うな」と冗談めかして説得し、登壇を後押ししたことを明かしています。
「美しい会合」の裏に、静かな波紋
篠原氏は、今回の講演会を「菜の花が結ぶ縁で戦争反対を語った。なかなか美しい会合だった」と振り返りました。講演会の集客は、地元の新聞告知やビラによるもので、篠原氏の名前や写真が大きく扱われることはなく、あくまで「篠原孝事務所」が問い合わせ先として隅に記されている程度でした。篠原氏は、自民党長野県連が反発する可能性に触れつつも、「自分は次の候補ではなく、一市民として行動した。石破さんも猪瀬さんも個人的な関係で来てくれた」と語りました。
この日の夜には、石破氏と篠原氏、猪瀬氏らが長野駅前の蕎麦店で会食し、党派を超えた親交を深めた様子が伝えられています。しかし、華やかな「党派を超えた交流」の裏側では、自民党内における党紀の問題が静かに、しかし確実に波紋を広げているようです。石破氏の今後の政治活動、そして自民党の党内運営にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。(奥原 慎平)
まとめ
- 石破茂元首相が長野市で講演会に参加した。
- 講演会の主催者は、政界を引退した元衆院議員の篠原孝氏だった。
- 自民党内からは、対立候補の主催集会への参加は「利敵行為」「党規違反」との批判が出ている。
- 石破氏は、特定候補を利する意図はないと説明し、自身も参加を逡巡していた。
- 篠原氏は「一私人」としての主催であり、集客も限定的だったと強調している。
- 講演では、自衛隊の憲法明記や政府統制下への位置づけの必要性を訴えた。