2026-04-28 コメント投稿する ▼
糸満市と就労支援事業所が制服リサイクル協定 障害者の就労と子どもの貧困対策を一体で推進
沖縄県糸満市は2026年4月27日、市内で就労継続支援A型事業所を運営する「アタッチ・メント」と制服リサイクルに関する協定を締結しました。中学校の卒業生などから不要になった制服を回収し、必要な家庭に届ける仕組みです。活動自体は4〜5年前から続いていましたが、在庫不足が課題でした。協定により行政が回収に加わり、支援の輪を広げます。子どもの貧困率が全国でも高い沖縄において、官民連携による新たな生活支援モデルとして注目されます。
糸満市と就労支援事業所が制服リサイクルで協定締結
沖縄県糸満市と市内の就労継続支援A型事業所「アタッチ・メント」は2026年4月27日、中学校の制服リサイクルに関する協定を締結しました。
協定の内容は、市内の中学校卒業生などから着なくなった制服を回収し、経済的な事情などで新品の購入が難しい家庭に届けるというものです。
糸満市の當銘真栄市長は「まだ使える制服を使って、子どもたちが笑顔で生活できる環境を協力して作っていきたい」と述べ、官民が力を合わせて取り組む姿勢を示しました。
制服の回収ボックスはすでに糸満市役所の受付カウンターに設置されており、市民が気軽に持ち込める体制が整っています。
「子どもの制服って高いんですよね。サイズアウトしてもそのまま眠ってることが多いので、こういう活動は本当にありがたい」
「うちも去年子どもが卒業して制服が余ってます。どこに持っていけばいいか分からなかったので、市役所で回収してくれるのは助かる」
障害者の就労支援と子どもの生活支援を一体で実現
今回の取り組みで特に注目されるのは、制服リサイクルが障害者の就労支援とも連動しているという点です。
アタッチ・メントの山城渉代表取締役は「A型作業所ということで、障害をもった方々のお仕事をする場でもございます。その制服の活動が、ここで働いている皆さんの仕事の一環という形の方にもつながっていくのかなと思っています」と述べました。
就労継続支援A型事業所とは、一般企業での就労が難しい障害のある方が雇用契約を結んで働く場を指します。制服の回収・仕分け・配布といった作業を通じて、障害のある利用者が実際の仕事として取り組める機会が生まれます。
アタッチ・メントはこの活動を4〜5年前から続けてきましたが、個別の取り組みでは在庫が十分に確保できず、希望するサイズに対応できないケースも生じていました。糸満市との協定締結により、市役所が回収の窓口となることで多くの市民の協力が期待されています。
障害を持つ方の仕事にもつながるって、すごく良い仕組みだと思う。みんなにとって意味のある活動だ
沖縄の子どもの貧困問題、制服は切実な課題
この取り組みの背景には、沖縄県固有の深刻な子どもの貧困問題があります。
沖縄では手取り年収125万円以下で暮らす子どもの割合が全国平均のおよそ2倍にのぼり、18歳未満の子どもの4人に1人が「貧困状態」とされています。中学校の入学に際しては制服や体操着などで数万円が必要となるケースも多く、家計への負担は決して小さくありません。
子ども支援団体には「中学入学にこんなにお金がかかるとは思わなかった」「新品の制服が買いたい」という声が寄せられています。
制服リサイクルの取り組みは全国各地でも広がっています。捨てられた制服は燃えるゴミとして焼却処分されることも多く、リサイクルを通じてCO2排出量の削減にもつながるとして、環境対策の観点から制服バンクを推進する学校も出てきています。
官民連携の支援モデル、今後の広がりに期待
今回の糸満市の取り組みは、行政の窓口機能と民間の実行力を組み合わせた実践的なモデルです。
行政が関わることで回収場所の認知度が上がり、より多くの市民が参加しやすくなります。一方、実際の回収・仕分け・配布作業は事業所のスタッフが担うため、障害者の就労機会の創出という社会的意義も同時に果たせます。
子どもの貧困問題は給付金のような一時的な金銭支援だけでは解決しきれない側面もあります。制服のように「必要な物が必要な人へ届く」仕組みを地域で継続的に回していくことが、子どもの生活を安定させる上で着実な効果をもたらします。
糸満市のこうした官民協働の取り組みが、沖縄県内の他市町村や全国へと広がるきっかけとなることが期待されます。
まとめ
- 2026年4月27日、糸満市と就労継続支援A型事業所「アタッチ・メント」が制服リサイクル協定を締結
- 中学校卒業生らから不要な制服を回収し、必要な家庭に配布する仕組み
- 制服の回収ボックスは糸満市役所の受付カウンターに設置
- 活動は4〜5年前から継続中だが在庫不足が課題で、協定締結で解決を図る
- 制服の仕分け・配布作業が障害者の就労機会にもつながる一石二鳥の取り組み
- 沖縄では子どもの4人に1人が貧困状態とされ、制服は入学時の大きな経済的負担となっている