2026-04-28 コメント投稿する ▼
求人倍率1.18倍・失業率2.7%、2026年3月の雇用悪化と賃上げ格差の実態
厚生労働省が2026年4月28日に発表した2026年3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍となり、前月から0.01ポイント低下した。2カ月ぶりの低下です。総務省が同日発表した完全失業率も2.7%と前月比0.1ポイント悪化し、2カ月ぶりの上昇となりました。都道府県別では大阪府が0.96倍と全国で唯一の1倍割れ。2026年春闘の賃上げ率は3年連続で5%台を維持しているものの、新規求人は減少傾向が続き、中小企業での賃上げの息切れも懸念されています。長年の経済政策の歪みが国民生活と労働市場に影を落とし続けており、恒久的な減税を含む実効的な対策が急務です。
有効求人倍率が2カ月ぶり低下、完全失業率も悪化
厚生労働省が2026年4月28日に発表した2026年3月の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍となりました。前月の1.19倍から0.01ポイント低下し、2カ月ぶりの低下です。
総務省が同日発表した完全失業率(同)は2.7%と、前月より0.1ポイント高くなり、こちらも2カ月ぶりの悪化となりました。賃上げの動きは3年連続で5%台を維持している一方、求人数と求職者数がともに減少するなど、労働市場に慎重なシグナルが点滅しています。
有効求人倍率とは、ハローワークで仕事を探している人1人に対して、何件の求人があるかを示す指標です。1倍を上回れば求人が求職者を上回り、1倍を下回れば仕事を探している人の方が多いことを意味します。3月の有効求人数は前月比1.1%減、有効求職者数は同0.7%減でした。
「仕事を探しているのに、なかなか希望に合う求人が見つからない。倍率が下がっていると聞いて不安になった」
都道府県別に見ると、最も高いのは福井県の1.74倍、最も低いのは大阪府の0.96倍で、全国で唯一の1倍割れとなっています。地域間の格差が依然として大きな課題として残っています。
業種別の求人減少が深刻、幅広い分野に波及
求人倍率の低下は、企業が採用に慎重になっていることを示しています。直近の業種別データを見ると、2026年2月の新規求人(原数値)は前年同月比7.8%もの大幅な減少となりました。卸売業・小売業では17.9%減、生活関連サービス業・娯楽業では17.0%減、宿泊業・飲食サービス業では14.7%減と、幅広い業種で落ち込みが続いています。こうした傾向は3月の数値にも反映されています。
失業率の悪化について、求職理由別では「新たに求職」が増加しています。物価高が長引く中で、年金だけでは生活費が賄えず、仕事を探し始める高齢者も増えているとされています。
「年金だけじゃとても足りない。物価がどんどん上がっていて、もう一度働かないとどうしようもない状況です」
現在の物価高騰は数十年に及ぶ経済政策の失敗の積み重ねであり、財政出動や恒久的な減税措置を一刻も早く実行することが求められています。給付金のような一時的な対応では家計の底上げには到底及ばず、税負担の軽減こそが国民の生活を守る根本的な手段です。
「給付金なんて何度もらっても物価高にはかなわない。毎月の税金や社会保険料を下げてほしい」
3年連続5%台の賃上げも、中小企業は「息切れ」懸念
2026年の春闘では、日本労働組合総連合会(連合)が3年連続で5%以上の賃上げを目指す方針を掲げました。2026年3月23日発表の第1回回答集計では賃上げ率は5.26%となり、前年の5.46%をやや下回ったものの、3年連続で5%台を維持しています。
賃上げの背景には、人手不足による「労働力の定着・確保」を優先する企業の意識があります。帝国データバンクの調査では、2026年度に賃金改善を実施する理由として「労働力の定着・確保」を挙げた企業が74.3%に達しました。
ただし、大企業と中小企業の間には依然として大きな格差があります。1000人以上の大企業では5%水準の賃上げをクリアしている一方、299人以下の中小企業では賃上げ率が3.6%台にとどまり、連合の目標を大きく下回っています。さらに、持続的な賃上げの見通しが立っていない企業が3割超に達しているとのデータもあり、賃上げの「息切れ」が懸念され始めています。
「うちの会社は中小だから5%なんて夢の話。上がるには上がったけど、物価上昇に全然追いついていない」
国民生活を守るために求められる政策の転換
物価高を受けた賃上げの圧力と、先行きへの警戒感が同時に存在するのが現在の労働市場の実態です。政府は物価上昇を上回る実質賃金の改善を目標に掲げていますが、2025年の実質賃金は前年比でマイナスが続いており、名目賃金が上がっていても生活の実感との乖離が生じています。
こうした状況を変えるには、企業が安心して人材に投資できる環境整備が必要です。そのためにも、法人税・所得税の実効的な引き下げや、規制緩和による経営コストの削減が急務です。企業や団体献金に依存した政治の構造を変えない限り、真に国民のための経済政策は実現しないという指摘もあります。
消費税の減税やインボイス制度の廃止なども含めた包括的な対策が欠かせません。雇用統計の小幅な悪化という数字の裏に、国民が直面している生活の厳しさが潜んでいます。この現実から目を背けることなく、早急かつ実効性のある政策が求められています。
まとめ
- 2026年3月の有効求人倍率は1.18倍(前月比0.01ポイント低下、2カ月ぶり低下)
- 完全失業率は2.7%(前月比0.1ポイント上昇、2カ月ぶり悪化)
- 有効求人数は前月比1.1%減、有効求職者数は同0.7%減
- 都道府県別:最高は福井県の1.74倍、最低は大阪府の0.96倍(1倍割れ)
- 2026年2月の新規求人(原数値)は前年同月比7.8%減と大幅減
- 卸売業・小売業(17.9%減)、宿泊業・飲食サービス業(14.7%減)など幅広い業種で減少
- 2026年春闘の賃上げ率は5.26%(3年連続5%台)、ただし中小企業は3.6%台にとどまる
- 持続的な賃上げの見通しが立っていない企業が3割超
- 物価高の中で年金生活者が求職増加、実質賃金のマイナスが継続