葉梨康弘氏の北方領土返還方針 掛け声より領土を取り返す具体策を

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葉梨康弘氏の北方領土返還方針 掛け声より領土を取り返す具体策を

2026年10月15日、葉梨康弘氏(沖縄・北方担当相)が北方領土について「国民全体の問題」と述べ、啓発活動と墓参など北方四島交流の再開に取り組む方針を示しました。しかし元島民は2026年3月31日現在で5,086人にまで減り、平均年齢は90歳を超えています。ふるさとに戻る日を待つ元島民に残された時間は長くありません。ロシアは2022年3月に平和条約交渉を中断し、2026年8月にはプーチン大統領が択捉島を訪れました。啓発だけで領土は戻りません。1972年に提案された国際司法裁判所(ICJ)の活用、国際社会への発信、期限と数値目標を伴う工程表など、北方領土返還に向けた具体策を考えます。

葉梨康弘氏が示した北方領土返還への方針


2026年10月15日、葉梨康弘氏(沖縄・北方担当相)が報道各社のインタビューに応じました。葉梨氏は2026年9月17日の内閣改造で入閣した新閣僚です。ロシアが不法占拠を続ける北方領土について「国民全体の問題」と位置づけ、「国民一丸となって取り組むことが不可欠」と述べました。北方領土返還に向けて、国民の意識を高める啓発活動に重点的に取り組む方針です。

具体的には、北方領土に近い地域への修学旅行の誘致や、SNSを使った情報発信など、若年層に向けた取り組みを進めます。外務省と連携して、海外に向けた情報発信にも取り組むとしています。元島民らによる墓参をはじめとした北方四島交流事業の再開も、最優先事項の一つと位置づけ、粘り強く求めていく考えを示しました。

背景には、厳しさを増す日ロ関係があります。2026年10月13日には、ロシアで日本人の男性記者が当局に拘束されました。ロシア側はスパイ容疑としていますが、日本側は事実関係の確認を進めている段階です。高市早苗氏(首相)の内閣は、こうした難しい局面で北方領土問題に向き合うことになります。

啓発活動そのものは大切です。ただ、啓発だけで領土が戻るわけではありません。「国民一丸」という言葉を、実際の行動と結果に結びつけられるかが問われています。

啓発も大切ですが、一番大事なのは実際にどう取り戻すかだと思います

止まったままの墓参と、進まない返還交渉


北方四島は日本固有の領土です。1945年8月から9月にかけてソ連軍が占領し、戦後81年を迎えた2026年も、ロシアによる不法占拠が続いています。元島民の数は、2026年3月31日現在で5,086人です(千島歯舞諸島居住者連盟調べ)。しかも平均年齢は90歳を超えています。ふるさとの墓に手を合わせたいと願う方々に残された時間は、決して長くありません。

元島民の皆さんは90歳を超えています。もう時間がないのに、見ていて胸が痛みます

交渉の場も閉ざされたままです。2022年3月、ロシアは日本との平和条約交渉を中断すると表明しました。2020年7月4日には、領土の割譲を禁じる条項を盛り込んだ憲法改正が発効しています。元島民らの墓参も、再開の見通しが立っていません。

こうした中、元島民の団体も声を上げています。松本侑三氏(千島歯舞諸島居住者連盟理事長)は2026年2月、北方領土は日本の領土だという姿勢を政府が示すよう求めました。同連盟は2026年5月25日の総会でも、墓参を含むビザなし渡航の早期再開を政府に求める決議をしています。

墓参りすらできない状況が続いているのに、国民一丸と言われても実感がわきません

北方領土で動くロシアに、日本が示すべき具体策


2026年7月22日、ロシア海軍の太平洋艦隊は、国後島と択捉島を含むクリル諸島で沿岸防衛演習を行ったと発表しました。2026年8月13日には、ウラジーミル・プーチン氏(ロシア大統領)が択捉島を訪れ、日本政府は抗議しています。高市氏は容認できないという立場を示しており、主権を守るこの姿勢は当然の対応で、評価できます。さらに2026年8月20日には、同じ艦隊が北方領土周辺でミサイルを発射したと発表しました。

ロシアに抗議するだけでなく、次の一手を示してほしいです

こうした動きの中では、領土を取り返すための具体策を、国民に見える形で示すことが欠かせません。第一に、国際司法裁判所(ICJ)の活用です。1972年10月23日、大平正芳氏(当時の外相)はモスクワで、アンドレイ・グロムイコ氏(ソ連の外相)に北方領土問題のICJへの付託を提案しましたが、拒否されました。この経緯を踏まえ、改めて提案を正式に示し、ロシアが応じない事実を各国に繰り返し伝えてはどうでしょうか。第二に、各国首脳との会談や国際会議で、ロシアによる不法占拠を日本が毎回取り上げることです。

第三に、元島民の時間に合わせた工程表です。墓参や自由な往来の再開について、いつまでに何を行うのかを、期限と数値目標を添えて示すべきではないでしょうか。第四に、啓発活動にも成果の物差しが必要です。若年層の認知度などに目標を置き、毎年の結果を公表して、予算の使い方を国民が確かめられるようにするべきです。目標も期限も示されず、報告もない取り組みは、国民の理解を得られません。

掛け声は聞き飽きました。期限を決めて結果を見せてください

国民一丸を、結果で示してほしい


葉梨氏が「国民全体の問題」と述べたことは、重く受け止められます。国民が一丸となるには、政府が何をいつまでに行うのかを示し、その結果を国民に報告することが前提です。啓発は土台にすぎません。

高市氏の内閣は、ロシアの動きに抗議する姿勢を示しました。次に求められるのは、その姿勢を具体的な行動に変えていくことです。元島民の平均年齢が90歳を超える中で、時間を無駄にする余裕はありません。葉梨氏には、啓発に加えて、ICJの活用、国際社会への発信、期限つきの工程表を打ち出し、掛け声で終わらせないことを求めたいところです。

まとめ


  • 2026年10月15日、葉梨康弘氏が北方領土について「国民全体の問題」と述べ、啓発活動に重点的に取り組む方針を示しました。
  • 元島民は2026年3月31日現在で5,086人で、平均年齢は90歳を超えています。墓参の再開も見通しが立っていません。
  • 2022年3月にロシアが平和条約交渉を中断し、2026年7月から8月にも北方領土周辺で軍事的な動きがありました。
  • 啓発だけでなく、ICJの活用、国際社会への発信、期限と数値目標を伴う工程表が必要です。
  • 国民一丸を実現するには、何をいつまでに行うかを示し、結果を報告することが欠かせません。

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2026-10-16 10:41:21(植村)

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