2026-11-05 コメント投稿する ▼
公約台東区が民泊に初の改善命令 観光公害を住民に押し付ける観光政策を見直す時
東京都台東区は2026年11月5日、民泊4事業者8施設に住宅宿泊事業法に基づく初の業務改善命令を出しました。半年間、定期報告がなかった事業者が対象で、猶予後も提出がなければ事業者名が公表される見通しです。新宿区では民泊への苦情が5年で大きく増えるなど、観光公害のしわ寄せは地元住民に集中しています。訪日客は2025年に推計で約4,268万人と過去最多でしたが、地域への恩恵は見えにくいままです。出国税の引き上げなどの対策も始まりましたが、成果を数字で示すことが欠かせません。訪日客数や消費額の目標だけを追う観光政策を改め、住民の負担を減らす数値目標と報告の仕組みを設けるべきだと訴えます。
台東区が初の業務改善命令に踏み切った背景
民泊新法は、民泊を営む事業者に対し、2カ月ごとに宿泊人数や宿泊日数などを自治体へ報告するよう義務づけています。年間に営業できる日数も180日までと定められています。ところが台東区によると、2025年12月から2026年5月にかけての半年間、一度も報告がなかった事業者があり、今回その4事業者に報告書の提出を求めました。
報道によると、約3週間の猶予を与え、それでも提出がなければ事業者名を公表します。さらに改善が見られない場合は、業務停止命令などの処分もあり得るとされています。担当者は、監視と指導を着実に進め、改善のない事業者には法令に基づいて厳正に対処すると説明しています。
東京23区では、すでに新宿区、豊島区、墨田区が民泊に業務改善命令を出しており、台東区は4番目です。豊島区の区長記者会見資料には、定期報告を2回続けて怠った83事業者(202施設)に、2026年4月3日付で命令を出したと記されています。報告という最低限の約束さえ守らない事業者が、これだけ多いことになります。
「ルールを守らない民泊が何百件もあるなんて、ちゃんと取り締まってほしい」
住民が安心して暮らすための法律ですから、守られていない状態を放置するわけにはいきません。外国人であれ日本人であれ、事業を営むなら法と地域の決まりを守るのが大前提です。法を破った事業者に対しては、公表や停止といった厳しい対応をためらうべきではありません。
観光公害のしわ寄せは地元住民に押し付けられています
民泊への苦情は、ごみの出し方、夜中の騒音、たばこのマナーなど、毎日の暮らしに直結するものばかりです。新宿区の資料によると、届出をした民泊への苦情は2021年度の70件から2025年度は924件に増え、無届けの違法な民泊への苦情も12件から410件になりました。
「隣の部屋が民泊になってから、夜中のスーツケースの音で眠れません」
「ゴミ出しの日を守らない人が増えて、朝の収集所が散らかっています」
観光客が増えれば、地域にお金が落ちるという説明はよく聞きます。しかし、その恩恵は宿泊事業者や一部の店に偏りがちです。混雑した電車やバス、荒れた道路、増えた清掃の手間といった負担は、税金と日々の我慢という形で、地元の人たちが引き受けています。住民にはメリットが見えにくいのに、負担だけは確実に増えているというのが、多くの人の実感ではないでしょうか。
山梨県富士吉田市は2026年2月6日、毎年春に開いてきた桜まつりを、この年は開催しないと決めました。受け入れの限界を超えた混雑と、生活環境への影響が理由とされています。人を呼ぶための祭りを、人が多すぎて中止せざるを得ない事態は、今の観光のあり方がどこかで行き詰まっていることを示しています。
人数と消費額ばかり追う観光政策を見直すべきです
日本の訪日外国人旅行者は、2025年に推計で約4,268万人と、初めて4,000万人を超えました。政府は2030年に6,000万人という目標を掲げ、2026年3月に閣議決定された新しい観光立国推進基本計画でも、この目標は据え置かれたと報じられています。一方、2026年9月の訪日客は前年の同じ月より5%少なくなっています。
「人数の目標ばかり聞くけど、住んでいる人の暮らしはどうなるのか」
もちろん、政府も手をこまねいているわけではありません。国際観光旅客税、いわゆる出国税は、2026年7月1日の出国から1回1,000円が3,000円に引き上げられました。使い道はオーバーツーリズム対策などとされています。2026年11月1日には、免税の仕組みも、購入時に消費税を免除する方式から、出国時に確認して還付する方式へ変わりました。京都市では2026年3月1日から宿泊税が引き上げられ、最も高い区分では1人1泊1万円になっています。
ただ、これらは「観光客からお金を集める」工夫が中心です。大切なのは、集めたお金で住民の負担がどれだけ減ったのかを、数字で示すことだと考えます。人数や消費額の目標だけが先に立ち、住民の苦情件数や混雑の度合いといった目標が見えないのでは、国民の理解は得られません。使い道に数値目標と期限を設け、結果を報告する仕組みが欠かせません。
住民の暮らしを守る観光立国へ転換を
政府は2026年1月23日、外国人との秩序ある共生に向けた総合的な対応策を、関係閣僚会議で決めました。高市早苗氏(首相)の政権には、この流れをさらに進め、観光についても「何人来たか」ではなく「住民の暮らしがどう守られたか」を物差しにする政策への転換を期待します。
「観光で潤うのは一部だけ。静かな暮らしを守る政策を最優先にしてほしい」
具体的には、受け入れの上限を地域ごとに決めること、違反した事業者には速やかに公表と停止を行うこと、観光で集めた税金の使い道を住民に開示することが必要です。台東区の今回の命令は、その第一歩にすぎません。観光は地域の人々の暮らしの上に成り立つものだという原点に立ち返り、住民が「来てもらってよかった」と思える観光政策へ改めるべきです。
まとめ
- 台東区は2026年11月5日、民泊4事業者8施設に初の業務改善命令を出しました。
- 約3週間の猶予後も未提出なら事業者名を公表し、業務停止命令もあり得ると報じられています。
- 新宿区では民泊への苦情が2021年度の70件から2025年度は924件に増えました。
- 訪日客数や消費額の目標だけでなく、住民の負担を減らす数値目標と報告が必要です。
- 観光政策は、住民の暮らしを守ることを軸に見直すべきです。
この投稿は服部征夫の公約「海外観光客の受け入れ態勢整備」に関連する活動情報です。この公約は達成率は0%と評価されています。
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