2026-10-14 コメント投稿する ▼
斎場御嶽の早朝参拝が白紙に 知念厚氏が代表のDMOなんじょうが再検討へ
世界文化遺産の斎場御嶽で検討されていた「早朝参拝」の観光プランが白紙になりました。南城市と民間事業者が出資するDMOなんじょうは、2026年10月5日の定例取締役会で、このプランを2026年度の事業方針から外すと決めました。プランは立ち入り禁止エリアを使い、客単価10万円以上、2027年1月の実施を目指していました。斎場御嶽の入場者数は2012年度の約43万8千人から2025年度は約21万6千人に減り、背景には入場者数の落ち込みがあります。一方、琉球大学の波名城翔氏は神域の観光利用に疑問を示しました。聖地を守ることと地域の収入を確保することをどう両立させるのか、事業構想の再検討の行方が注目されます。
このプランは、ふだんは立ち入りが禁じられているエリアに特別に入り、早朝に参拝するというものでした。聖地と観光の関係を、あらためて考えさせる動きです。
斎場御嶽の早朝参拝を事業方針から外す
DMOなんじょうは、2026年度の事業方針から早朝参拝のプランを外しました。あわせて、事業の構想そのものを再検討する方向です。決まったのは2026年10月5日の定例取締役会です。取締役会とは、会社の大事な方針を話し合って決める会議のことです。そこで出た意見など、詳しい経緯は現時点で明らかになっていません。
DMOとは、観光を通じて地域を元気にする組織のことです。DMOなんじょうの前身は南城市観光協会で、2026年1月に株式会社になりました。代表を務めるのは知念厚氏(代表取締役)です。2026年4月からは、斎場御嶽の指定管理者も務めています。指定管理者とは、市に代わって施設を運営する団体のことです。
聖地の運営を任された団体が、その聖地を商売に使うのは筋が違うと思います
客単価10万円以上を想定した早朝参拝の中身
検討されていたのは、斎場御嶽の立ち入り禁止エリアに特別に入り、早朝に参拝できるプランです。客単価は1人あたり10万円以上を想定し、2027年1月からの実施を目指していました。客単価とは、お客さん1人が支払う金額のことです。このプランの検討は2026年9月29日に報じられ、南城市は難色を示したと伝えられていました。そして今回、事業方針から外れることになりました。
斎場御嶽の中には、三庫理(さんぐーい)という拝所があります。ここには、聖域を守るためと、落石の危険があるために立ち入りを禁じる張り紙が出されています。斎場御嶽には、旧暦の5月と10月の1日から3日に、すべての来訪者が御嶽の中に入れなくなる休息日もあります。それほど、立ち入りに慎重な場所です。早朝の時間帯や参加人数など、プランの細かい中身までは確認できていません。
お金を払えば入れる場所になってしまったら、祈りの場ではなくなってしまいます
入場者数の減少と「稼ぐ観光」の背景
斎場御嶽は、2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして、世界文化遺産に登録されました。琉球の人々が古くから祈りを捧げてきた場所です。入場者数は2012年度の約43万8千人をピークに減り、2025年度は約21万6千人になりました。ピーク時のおよそ半分で、減った人数は約22万2千人にのぼります。
地元紙は、入場者数の落ち込みに加えて、市内に富裕層向けの観光メニューが少ないことを背景として伝えています。「稼ぐ観光」を取るのか、「聖地の保護」を取るのか。10万円の早朝参拝は、その問いを突きつけるプランでもありました。
入場者が減ったからといって、神聖な場所を売り物にするのは違います
神域の観光利用に専門家は疑問を示す
琉球大学の波名城翔氏(准教授)は、地元紙の記事に寄せたコメントで、この構想に疑問を示しました。「稼ぐ観光」のために神域を使うことに反対で、特に、料金を払った観光客を現在も立ち入りが制限されている三庫理に入れる考えには、強い違和感があるという趣旨です。入場者数を増やすこと自体にも疑問があるとし、斎場御嶽が地域の人々の拝みの場であるという原点が見失われていると指摘しています。
DMOなんじょうは事業構想を再検討するとしていますが、具体的な中身はまだ明らかになっていません。南城市が出資する組織だけに、地域の人々が納得できる説明が欠かせません。波名城氏のコメントは、聖地を観光にどう生かすのかという根本の問いを投げかけています。信仰の場を守ることと、地域の収入を確保することをどう両立させるのか。今後の見直しの行方が注目されます。
「斎場御嶽は観光地である前に、先祖から受け継がれてきた祈りの場所です。守ってほしいです」
「構想を見直すのは当然だと思います。次は地元の声をしっかり聞いてほしいです」
まとめ
- 南城市と民間事業者が出資するDMOなんじょうが、斎場御嶽の早朝参拝プランを2026年度の事業方針から外しました。
- 決定は2026年10月5日の定例取締役会で、事業構想は再検討されます。
- プランは立ち入り禁止エリアを使い、客単価10万円以上、2027年1月の実施を目指していました。
- 斎場御嶽の入場者数は、2012年度の約43万8千人から2025年度は約21万6千人に減っています。
- 琉球大学の波名城翔氏(准教授)は、神域を稼ぐ観光に使うことに疑問を示しています。
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