2026-04-30 コメント投稿する ▼
中東情勢巡る供給網維持へ、高市総理が指示
ナフサ(石油化学製品の原料)についても、供給体制の強化が進められています。 これらの対策を合わせることで、ナフサ由来の化学製品の供給は、これまで半年以上と見込まれていたものが、年を越えて継続できる見通しとなりました。 高市総理は、関係大臣に対し、原油やナフサ由来化学製品の供給が年内継続できる事実を関係業界に十分に周知し、前年同月同量を基本とした調達を徹底するよう指示しました。
原油供給、年内確保の見通し
会議では、中東情勢の緊迫化による原油調達への懸念に対し、日本全体として必要となる量が年を越えても確保できる見通しが示されました。特に、ホルムズ海峡を経由した調達が困難になった場合でも、代替調達ルートの確保が進んでいることが報告されました。
先週末には、代替調達した米国産原油が初めて日本に到着しました。また、日本関係船舶1隻もホルムズ海峡を無事通過し、ペルシャ湾外へ退避後、日本へ向けて航行中です。
5月においては、ホルムズ海峡を通過しない原油の代替調達が、需要量の約6割にあたる日量約140万バレルの確保見込みとなっています。これは、契約ベースで確定しています。
6月以降についても、楽観的ではないシナリオを想定した分析が行われました。仮に代替調達が5割しか実現しない場合でも、国家備蓄の放出を適切に管理しつつ、年を越えて必要な量を確保できるとの政府見通しが示されました。国家備蓄については、当初30日分放出予定だったものを20日分に抑制するなど、慎重な管理が行われています。
国内経済と国民生活への配慮
国内対策として、ガソリン、軽油、重油、灯油などの価格安定化に向けた補助金が継続されています。その結果、今週のガソリン価格は全国平均で170円に抑制されており、これは欧州と比較して半額程度、産油国である米国と同水準となっています。高市内閣は、国民の命と暮らし、経済活動に支障が出ないよう、引き続き万全を期す方針です。
ナフサ(石油化学製品の原料)についても、供給体制の強化が進められています。備蓄原油を用いた国内精製に加え、米国、アルジェリア、ペルーなど中東以外の国からの輸入量が、5月には情勢緊迫化前の水準の3倍となる見込みです。これらの輸入ナフサは5月から日本に到着予定です。
ポリエチレンなどの化学製品の中間原料についても、現時点で約1.8ヶ月分の在庫があります。これらの対策を合わせることで、ナフサ由来の化学製品の供給は、これまで半年以上と見込まれていたものが、年を越えて継続できる見通しとなりました。
広範囲に及ぶ流通の目詰まり
一方で、供給の偏りや流通の目詰まりといった問題も顕在化しています。一部の事業者による将来への不安から、過剰な石油製品の発注が発生し、生産メーカーや卸売業者に混乱が生じるケースが報告されました。
建築資材の分野でも同様の問題が見られます。塗料の原料となるトルエンや、断熱材の原料となるウレタンフォームなどは供給自体は可能ですが、ホームセンターで塗料が購入できないといった相談が寄せられています。これに対し、ホームセンターでは、シンナーや塗料などの購入量について、通常量の協力を呼びかける貼り紙が行われるなどの対応が取られています。
高市総理は、関係大臣に対し、原油やナフサ由来化学製品の供給が年内継続できる事実を関係業界に十分に周知し、前年同月同量を基本とした調達を徹底するよう指示しました。
各分野での供給維持に向けた具体策
医療分野では、手術用メスの洗浄剤や解熱鎮痛薬の製造に用いられる溶剤など、流通の目詰まり解消が着実に進んでいます。上野大臣と赤澤大臣には、医療分野における「目詰まりゼロ」に向けた迅速な対応が求められています。
プラスチック製食品包装容器の原料であるポリエチレンも、前年実績での供給は可能です。しかし、一部の食品製造業者から、容器が受注できないという相談がありました。特に調味料メーカーでは、今後の容器確保への不安が聞かれましたが、農林水産省と経済産業省が連携し、業務用包装容器の供給状況を確認した結果、当面の確保が可能であることが判明しました。これにより、調味料の供給が一時的に止まることはなくなりました。
農林水産省は経済産業省と協力し、包装容器資材ごとにサプライチェーンを詳細に確認しています。原料メーカーへは安定供給を、食品包装製造事業者へは供給に支障がある場合の早期相談を、食品製造事業者へは前年同月同量での調達を働きかけ、食料の安定供給体制を維持します。
社会インフラを支えるごみ処理に必要なメタノールの調達についても、一部施設からの不安の声に対し、納入事業者への確認を通じて調達の見通しが立ちました。環境省は経済産業省と連携し、衛生的な生活維持に必要な物資を確実に届けるよう努めます。
高市総理は、流通の目詰まり解消に向けた取り組みは進んでいるものの、引き続き一つ一つ丁寧かつ迅速に対応するよう関係大臣に求めました。特に、大型連休中も活動する事業者への配慮を求め、各省庁で対応可能なことは連休中であっても実施するよう指示しました。
まとめ
- 政府は中東情勢悪化のリスクに対応し、原油の安定供給を年内確保する見通し。
- 代替調達や国家備蓄の活用により、需給バランス維持を図る。
- ガソリン価格は170円に抑制、欧州や米国の同水準。
- ナフサ・化学製品も中東以外からの輸入増などで年内供給が可能に。
- 広範囲で発生している流通の目詰まり解消へ、関係省庁が連携し、各分野で具体的な対策を指示・実行。
- 国民生活と経済活動への影響を最小限に抑えるため、大型連休中も対応を継続。