2026-10-11 コメント投稿する ▼
音喜多駿氏、雇用の流動化へ正社員特権見直しを。竹中平蔵氏の主張に賛同、その背景とは
音喜多氏は、雇用の流動化を進めることで、現在の日本社会が抱える様々な課題、特に女性活躍の阻害や中小企業における不利益を解消できると主張しています。 現行の「解雇できない」という仕組みがもたらす構造的な問題点を指摘し、社会保障制度の再設計とセットで進めるべきだと訴えています。 しかし音喜多氏は、現行の「解雇できない仕組み」こそが、かえって多くのデメリットを生んでいると指摘します。
竹中平蔵氏の「正社員特権」論とは
音喜多氏が今回言及した竹中氏の主張は、日本の雇用慣行に一石を投じるものです。竹中氏は、1979年の東京高裁判決以降、日本では「よほどのことがない限り正社員を解雇できない」という運用が定着したと指摘します。この結果、企業にとって正社員の人件費は売上変動の影響を受けにくい「固定費」となり、企業は正社員の採用に極めて慎重にならざるを得なくなりました。その結果、企業は人件費を抑えるために非正規雇用を増やしてきた、というのが竹中氏の分析です。竹中氏は、「非正規雇用者が増えたのは、派遣法などが原因なのではなく、むしろ正規雇用そのものが特殊な状況にあるからだ」と表現し、パートやアルバイト、契約社員といった非正規雇用の増加が、雇用の二極化を招いたと主張しています。
音喜多氏が「雇用の流動化」を支持する理由
音喜多氏自身も、かねてから「雇用の流動化」の必要性を訴えてきました。政治家としての持論として、金銭解決のルールを整備することで、いわゆる正社員の「特権」を緩やかに見直していくべきだと考えているのです。こうした主張に対し、「解雇される人が増えるだけだ」という反論も少なくありません。しかし音喜多氏は、現行の「解雇できない仕組み」こそが、かえって多くのデメリットを生んでいると指摘します。例えば、景気が悪化した際に企業が正社員を減らせないため、新卒採用を大幅に絞らざるを得なくなった結果、就職氷河期世代の若者たちが大きな影響を受けたことを例に挙げます。また、平時においても、企業は景気悪化に備えて人員を最小限にし、不足分を残業で補う傾向にあります。これにより、慢性的な長時間労働を招くだけでなく、人員調整の手段が転勤以外に乏しくなるため、転勤に応じられない人の評価が不利になるという問題も生じています。
女性活躍を阻む「年功序列」構造
さらに、音喜多氏は現行の雇用システムが女性の活躍を阻む構造的な課題を抱えていると強調します。解雇されにくい正社員を前提とした賃金や昇進の仕組みは、一般的に「長く勤め続けること」を軸とした年功序列に基づいています。このシステムの下では、出産や育児のために一時的にキャリアから離れた女性は、その間の「年功」が積み上がらず、復帰しても同期から大きく遅れを取り戻すことが極めて困難になります。一度企業を離職した場合、正社員として再び採用される道はさらに狭まり、多くの女性が再就職先としてパートや非正規雇用を選択せざるを得ないのが実情です。音喜多氏は、「長く勤めた人ほど報われる仕組み」は、裏を返せば「途中でキャリアを中断した人ほど報われない仕組み」であると指摘し、女性の活躍を真剣に進めるのであれば、この構造に手を付けなければならないと訴えます。
「守られすぎ」と「守られない」の二極化
音喜多氏が問題視するのは、解雇規制の恩恵が一部に偏っている現状です。一般的に「日本は解雇規制が強い」と言われますが、その実態は主に大企業の正社員に限られるのが現実です。中小企業では、法律上の解雇規制が実質的に機能せず、突然「明日から来なくていい」と言われたり、退職を強要されたりするケースが少なくありません。労働組合もなく、訴訟を起こす時間や資金的余裕もない人々は、泣き寝入りするか、わずかな解決金で泣く泣く受け入れるしかないのが現状です。
つまり、今の日本社会は「守られすぎている一部の人々」と「まったく守られていない大多数の人々」という、深刻な二極化に陥っていると音喜多氏は分析します。だからこそ、解雇する際の金銭解決のルールを明確にすることは、単なる規制緩和にとどまらず、これまで十分な保護を受けられなかった人々を守るための重要な一歩となると主張しています。さらに、雇用の流動性そのものが、働く人にとってのセーフティネットになるとの見方も示します。今の職場で不満があっても、次へ移りやすい社会であれば、一社にしがみつく必要がなくなり、交渉力向上につながるからです。ただし、流動化だけを進めるのではなく、失業給付の拡充や再訓練の機会提供、所得保障といった社会保障制度とのセットでの再設計が不可欠であり、音喜多氏が給付付き税額控除にこだわる理由もここにあるとしています。
まとめ
音喜多駿氏は、竹中平蔵氏の「正社員特権」見直し論に賛同し、雇用の流動化を進めるべきだと主張しています。現行の「解雇しにくい」制度は、若年層の採用抑制や長時間労働、女性活躍の阻害、中小企業での不当な解雇といった問題を生んでいると分析。守られすぎている層と、全く守られていない層との二極化が進んでいる現状を指摘し、金銭解決ルールの整備や、社会保障制度とのセットでの改革を通じて、より公平な労働環境の実現を目指すべきだと訴えています。
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