2026-10-07 コメント投稿する ▼
徳島県議会が後藤田正純知事に問責決議、可決の直後に再選出馬を表明
2026年10月7日、徳島県議会は後藤田正純氏(徳島県知事)への問責決議を賛成多数で可決しました。最大会派の自由民主党(自民党)など複数の会派が賛成に回り、県議36人のうち25人が提出者に名を連ねる異例の規模となりました。問責の背景には、2026年8月の北海道への修学旅行を巡る不適切な発言や、知事の意向で就任した県観光協会幹部への不透明な報酬支払い問題など、複数の問題が積み重なっています。決議に法的拘束力はありませんが、後藤田氏は可決直後の閉会あいさつで来春の知事選に再選出馬すると宣言し、議会との対立が一段と深まる展開となっています。
自民の須見一仁県議は決議提出の理由として、「十分な説明や、行政運営の透明性、公平性の徹底を強く求めるため問責する」と説明しました。後藤田氏はもともと自民党から衆議院議員を8期にわたって務めてきた経歴を持つ政治家ですが、今回はその自民党を含めた広範な会派が賛成に回るという、政治的にも注目される事態となりました。
問責の発端となった「クマが出たら終わり」発言
問責決議の直接的な発端となったのは、後藤田氏が2026年8月に行った発言です。県内の町村長らとの会合で、県立高校に多い北海道への修学旅行について「クマが出たら終わり。北海道に行く高校と、そうじゃない(海外に行く)高校は差が出る」と述べました。この発言はすぐに広まり、「知事が公の場で高校の価値に差をつけるのか」「北海道を見下しているのではないか」という批判が相次ぎました。後藤田氏はその後の記者会見で「批判や反対ではない」と釈明しましたが、説明が不十分だとする声は収まらず、県議会での本格的な追及へとつながっていきました。
北海道への修学旅行を計画していた高校の関係者や保護者の間にも混乱が広がりました。修学旅行の行き先は各校の教育方針や費用、生徒の意向など複数の要素によって決まるものであり、知事が一方的に優劣をつけるような発言は適切ではないとの見方が広まりました。
「クマが出たら終わりって、知事が公の場で言うことじゃない。北海道を応援する立場として怒りを感じる」
「海外に行く高校の方が差が出るって、県立高校を格付けしているみたいで不快だった」
「釈明会見を見たけど、批判ではないって言うだけで、どういう意図だったかの説明が全くなかった」
「問責決議って何なのか調べたら法的効力はないのか。だからこそ知事が動じないのはわかる気がする」
「問責可決の直後に再選出馬表明とは、ある意味で潔い。でも議会との関係はどうなるんだろう」
観光協会幹部への不透明な報酬支払い問題
今回の問責決議の背景には、修学旅行発言だけでなく、行政の透明性にかかわるもう一つの問題がありました。後藤田氏の意向で就任した県観光協会の幹部に対し、不透明な手続きで報酬が支払われているとの指摘が浮上したのです。この問題は2026年9月中旬の本会議でも議題となり、議員からの追及が続いていました。行政運営における透明性と公平性への疑念が積み重なるなか、知事側の説明が議会や県民の十分な納得を得られていないとの見方が強まっていました。
公共の資金がどのような手続きで使われるかは、県民の信頼に直結する重大な問題です。問責決議案には、こうした複数の問題が積み重なった末の意思表示という側面があり、「一つの発言だけでなく、行政姿勢全体が問われている」という議会の姿勢を反映したものと言えます。
問責可決直後に再選出馬を宣言した後藤田知事の真意
問責決議が可決されたその日の閉会のあいさつで、後藤田氏は「来春の統一地方選で実施が見込まれる知事選に、再選を目指して立候補する」と表明しました。問責という政治的打撃を受けた直後に再選出馬を宣言するという行動は、議会との対立を意に介さない強気な姿勢を示しています。問責決議に法的拘束力がない以上、知事には「正式な判断は有権者が下す」という論理を取る権利があり、後藤田氏が選挙での正面突破を選んだと見ることもできます。一方、議会側は「問責の重みを理解していない」と反発しており、今後の議会審議や予算審査などで対立が激化する可能性もあります。
後藤田正純氏は1969年生まれで、慶應義塾大学商学部を卒業後に三菱商事へ入社しました。その後政治の道に転じ、自民党から徳島3区で衆議院議員を8期にわたって務め、内閣府副大臣などの要職を歴任した経験を持ちます。2023年の知事選で初当選して現職に就いていますが、就任後は議会との摩擦が続いており、今回の問責決議はその対立が表面化した象徴的な出来事です。来春の知事選が後藤田氏への実質的な信任投票になるとも見られており、県民の審判が注目されます。
まとめ
- 徳島県議会は2026年10月7日、後藤田正純知事への問責決議を賛成多数で可決した(県議36人中25人が提出者)
- 発端は2026年8月の「クマが出たら終わり」発言で、北海道への修学旅行を巡る不適切な言動が批判された
- 知事の意向で就任した県観光協会幹部への不透明な報酬支払いも問責の一因となった
- 問責決議に法的拘束力はなく、後藤田氏は可決直後の閉会あいさつで再選出馬を宣言した
- 来春の統一地方選での知事選が、県民による実質的な信任投票になると見られている
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