2026-10-31 コメント投稿する ▼
稲原宗能氏が政府予算ビューを公開 税金の流れを図解で追える新サイト
チームみらいの稲原宗能氏が2026年10月31日、国の予算の流れを図解でたどれる「政府予算ビュー(β版)」の公開を発表しました。行政事業レビューシステムと財務省のデータをもとに、5,000件超の事業と2万件超の支出先を、お金の流れの図で追えます。再委託先や随意契約の状況、基金の残高も確認でき、AIによる参考評価も付いています。年収や家族構成から税・社会保険料の負担額を調べる機能や、今後の財政余力を試算するシミュレーションも搭載しました。
稲原宗能氏が公開した政府予算ビューとは
稲原宗能氏(チームみらい)は2026年10月31日、自身のSNSで、国の予算の使い道を図解でたどれるサイト「政府予算ビュー(β版)」を公開したと発表しました。国の予算が「どの事業」に使われ、「どの企業・団体」に支払われているのかを、直感的に追えることが特徴です。まだβ版(試験公開の段階)のため、「使いづらい」「ここが分かりにくい」といった率直な意見も広く求めています。
国の予算の情報は、すでに公開されています。ただし資料は膨大で、結局いくら使われ、どんな成果が出ているのかを調べるのは、至難の業だったと稲原氏は説明しています。そこで、各事業のレビューと財務省のデータを一つにまとめ、だれでも見渡せるツールとして開発したそうです。2026年度の一般会計予算は、2025年12月26日に閣議決定され、2026年4月7日に成立した約122.3兆円の規模です。それだけに、使い道を確かめやすくする試みには大きな意味があります。
元になっているのは、行政事業レビューシステムと、財務省の予算書・決算書データベースの公開データです。行政事業レビューとは、国の各府省が自分たちの事業について、必要性や有効性、効率性の観点から点検し、見直しの方向性を示す取り組みです。サイトではこれらのデータを加工して表示しています。さらにサイトのソースコードも公開されており、仕組みを外から確かめられる形になっています。
5,000件超の事業と2万件超の支出先を追跡
サイトが扱うのは、行政事業レビューシステムに載る5,000件超の事業と、2万件超の支出先です。中心となる「サンキー図」は、お金の流れを帯の太さで表す図です。予算書の会計や所管、項、目から、個々の事業や支出先までを順にたどれます。「バブル図」では、事業を内容の近さで並べ、予算の大きさやAI評価を切り替えながら比べられます。気になる分野を検索して、そこから掘り下げることもできます。
「毎月の給料から引かれる税金が、何に使われているのか自分で見られるのは正直ありがたいです」
「委託構造」の画面では、事業ごとの支出先と、再委託先までを図と表で確認できます。再委託とは、仕事を請け負った会社が、さらに別の会社へ仕事を任せることです。「事業者」の画面では、法人番号ごとに、すべての府省での受注額や、応札した事業者が1者だけだった割合(1者応札率)、入札をせずに特定の相手と結ぶ随意契約の状況を調べられます。「基金」の画面では、基金の残高や支出、国庫への返納(使わなかったお金を国に戻すこと)、終了予定などから、詳しく見たい基金を探せます。
「再委託の先まで見えるのは大きいです。お金がどこへ流れたか分かれば、無駄づかいにも気づきやすくなります」
AIの参考評価と負担額の試算も搭載
各事業には、AIによる参考評価と、調べるための手がかりが付けられています。評価一覧の画面では、事業ごとの執行の透明性とあわせて、公開資料に基づく独自の基準によるAI評価(試行)を見られます。ただし、サイトには「AIによる評価はスクリーニングであり、結論ではありません」と明記されています。スクリーニングとは、詳しく調べる対象をふるいにかけて絞り込むことです。AIの評価はスクリーニングですので、気になる事業を見つける入口として使うもので、良し悪しを決める判定ではありません。
「AIの評価は参考にしつつ、最後は自分の目で確かめたいです。ここまで公開してくれたことは素直に評価します」
暮らしに近い機能もあります。「国民負担」の画面では、年収や家族構成を入れると、税や社会保険料の負担額が分かります。税目別に、国の収入がどうなっているかも見られます。「財政余力」の画面では、政策や物価、労働、エネルギー、国債の借り換えといった条件を変えて、今後の財政にどれだけ余裕があるかをシミュレーションできます。そのほか、各府省が翌年度の予算として財務省に求める金額である2027年度の概算要求や、法人税の優遇措置(租税特別措置)を調べる画面も、試作として用意されています。
税金の使い道を確かめる意味と今後の課題
税や社会保険料の負担を重く感じる人は少なくありません。だからこそ、払った税金の使い道と成果を、数字で確かめられることには価値があります。成果が数字で示されない支出は、国民の理解を得にくいからです。使い道を見える形にすることは、無駄を減らし、本当に必要な政策へお金を回すための第一歩になり得ます。
お金の流れの見えにくさは、以前から指摘されてきました。会計検査院は2007年10月に公表した検査結果で、各府省の随意契約について、理由の検討が必要な事例や、1者応札の多さ、再委託の実態を取り上げています。こうした情報を、画面上で手軽にたどれる仕組みが整えば、国民が国の支出を点検する助けになり得ます。
「5,000件以上もある事業を、専門家でなくても検索できるのはすごいです。まずは自分の関心がある分野を見てみます」
もちろん課題もあります。サイトはまだβ版で、AIの評価は結論ではありません。表示されるのも、公開データを加工したものです。利用するときは、対象の年度や元の資料もあわせて確かめることが大切です。
「見える化は大事ですが、見た人が声を上げて初めて意味があります。国会でもこのデータを使って議論してほしいです」
稲原氏は、「予算や政策の議論に、専門家だけでなく誰もがデータを見ながら参加できるようにしたい」という思いで作ったと語っています。意見や要望は専用の入力フォームで受け付けています。まずは気になる分野を検索し、ご自身の負担額も見てみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 稲原宗能氏(チームみらい)が2026年10月31日、「政府予算ビュー(β版)」の公開を発表
- 5,000件超の事業と2万件超の支出先を、お金の流れの図でたどれる
- 委託構造や事業者別の画面で、再委託や随意契約の状況も確認できる
- AIの参考評価は「スクリーニングであり、結論ではない」と明記されている
- 年収や家族構成による負担額の確認と、財政余力のシミュレーションも用意されている
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