2026-10-09 コメント投稿する ▼
沖縄・電照菊農家を直撃する銅線盗難、うるま市で被害250万円
沖縄県うるま市で、電照菊の農地を狙った銅線盗難が相次いでいます。2026年10月1日、市石川の兼島兼正さん(44)の農地では本線75メートル・支線約700メートルが盗まれ、電柱5本が倒される被害が発生し、被害額は約250万円に達しました。銅の価格高騰が犯行を助長しているとされており、電照菊は正月や春の彼岸という限られた需要期に合わせた出荷が生命線のため、電線切断は年間の栽培計画全体を狂わせます。県花卉(かき)園芸農業協同組合によれば昨年8月からの1年で8市町村・32件の被害が発生し、沖縄の電照菊産業が深刻な脅威にさらされています。行政の迅速な対策強化が求められています。
被害の全貌:6万本の菊畑を壊滅させた犯行
2026年10月1日、沖縄県うるま市石川にある兼島兼正さん(44)(電照菊農家)の農地で、大規模な銅線盗難が発生しました。本線75メートルと支線約700メートルにわたる電線が切断・持ち去られ、電柱5本まで倒されるという悪質な犯行です。6万本の菊の栽培を計画していたこの農地の被害額は約250万円に上り、兼島さんは「許せない」と強い言葉で怒りをあらわにしました。
銅線の設置費はもとは約30万円でしたが、近年の銅の価格高騰により、同じ設備を復旧するためには約100万円が必要になっています。兼島さんは「立て直すのは無理。出荷できないと人件費を払えず、従業員を減らさないといけない。生産量がさらに減って負の連鎖が続く」と肩を落としています。農家が長年にわたって整備してきた設備が、一夜にして奪われてしまう現実がそこにあります。兼島さんはうるま市に防犯カメラの設置を強く求めており、農業者として当然の訴えといえます。
銅の価格高騰が農地を狙う犯罪を助長
農業用電線に使われる銅は、工業・建設・電気設備など多様な用途に欠かせない素材です。近年は世界的な需要の高まりや資源価格の上昇を背景に、銅の価格が大きく上がっています。農地の電線は夜間に人目につきにくく盗みやすい上に、高値で売り払える条件が揃っているとされており、犯罪者に狙われやすい状況が続いています。物価高の影響が農業の現場にまで及んでいることを示す、深刻な事例といえます。
「電線を盗まれた農家の気持ちを考えると、怒りしかない。仕事と生活を一瞬で壊された」
「銅の値段がこんなに高くなるとは。農家の苦労が踏みにじられていると思う」
「復旧に100万円もかかるなら廃業した方がいいという人もいると聞いた。本当に深刻だ」
「防犯カメラもない夜の農地は無防備すぎる。行政にもっと素早く動いてほしい」
「盗んだ銅線を買い取る業者への規制を強化すれば、犯罪を抑止できるはずだ」
電線切断が電照菊農業を根底から揺るがす理由
JAおきなわによると、沖縄の電照菊は主に正月用と3月の春の彼岸用に出荷スケジュールが組まれており、需要が集中する期間はわずか10日間前後です。電照菊とは、夜間に人工照明を当てることで開花のタイミングを人為的にコントロールし、需要期に合わせて出荷できるよう栽培される菊のことです。この繊細な栽培管理があってこそ、農家の収益が成り立っています。
JAおきなわの担当者は「電線切断で電気の供給が途絶えると、茎が十分に伸びないまま花芽がついてしまい、商品価値のある長さに達しません。意図しない時期に開花してしまい、最も需要が高まる正月や彼岸の市場に出荷できなくなる可能性もあります」と話しています。1年間かけて積み上げた栽培計画が、たった一度の盗難によって崩壊してしまうのが電照菊農業の厳しい現実です。電照菊農家にとって、電線は作物そのものと同等の価値を持つ重要な設備なのです。
沖縄本島全域で急増する被害、法整備を含む抜本策が急務
被害はうるま市だけにとどまりません。県花卉(かき)園芸農業協同組合によれば、銅線盗難は沖縄本島全域で急増しており、昨年8月からの1年間で8市町村で32件が発生し、被害農地は約8万平方メートルに及んでいます。さらにJAおきなわも2026年4月以降、4市村で17件の被害を独自に把握しており、被害の広域化と深刻化は明らかです。
市は2026年10月末まで週2回、防災無線で農家への注意喚起を続けています。ただ、防災無線での呼びかけだけでは農地を守る実効性は限られています。盗んだ銅線を換金する買い取り業者への規制強化や、警察との連携強化、農地への防犯設備整備への補助など、法整備を含む踏み込んだ対策なしには、離農者が増え続ける悪循環を断ち切ることはできません。沖縄の電照菊農業を支え続けるために、今こそ行政が本腰を入れて動く必要があります。
まとめ
- 2026年10月1日、うるま市石川の兼島兼正さん(44)の農地で銅線盗難が発生し、被害額は約250万円に上る
- 銅価格の高騰で復旧費用は設置時の約30万円から約100万円に増大し、農家が「立て直しは無理」と訴える
- 電照菊は正月・春彼岸の需要期(約10日間)に向けた出荷が収入の命綱で、電線切断は年間計画全体を狂わせる
- 県花卉園芸農業協同組合によれば、昨年8月から1年で沖縄本島8市町村・32件・約8万㎡が被害を受けた
- JAおきなわも2026年4月以降、4市村で17件の被害を把握しており、被害は広域化・深刻化している
- 現行の防災無線の注意喚起に加え、買い取り業者への規制強化や法整備を含む抜本的な対策が急務
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