2026-11-01 コメント投稿する ▼
共産党が22年ぶりに綱領を全面見直し、志位氏が自己批判を表明
旧ソ連型社会主義の誤りを清算し、思想家カール・マルクスが唱えた本来の「人間の自由」を追求する姿勢を強調していますが、その真意と今後の党の方向性が注目されます。 旧ソ連型社会主義の負の遺産を清算し、マルクス本来の「人間の自由」を追求する姿勢は、果たしてどこまで徹底されるのでしょうか。 * 日本共産党の志位和夫議長は、22年ぶりに党綱領の全章見直しを発表し、「共産党は無謬ではない」と自己批判。
綱領見直しの背景
今回の綱領改定は、2026年1月の党大会を前に、志位和夫議長が主導する形で進められています。会見で志位氏は、かつての旧ソ連が物質的な生産力向上を優先し、労働者にノルマを押し付け、農業の集団化を強行した結果、「牢獄のような社会に変えてしまった」と厳しく批判しました。これはマルクスが重視したはずの「人間の自由」や「各個人の自由で全面的な発展」が欠落した「人間不在」の理論であったと指摘しています。
さらに、昭和36年の第8回党大会で採択された日本共産党の綱領にも、旧ソ連の社会主義論の影響が「色濃く残っていた」ことを志位氏は認めました。過去にも理論の誤りを「一枚一枚剥がすようにして克服してきた」と振り返り、2004年の綱領全面改定で「かなり根本的なところまで、メスを入れた」ものの、依然として課題が残されていたと明かしています。今回の改定案では、旧ソ連流の考え方の「残りかす」を一掃し、マルクス本来の未来社会論を盛り込むことを目指すとしています。
マルクス本来の「自由」への回帰
志位氏は、マルクスの思想における「人間の自由、人間の解放」こそが、社会主義・共産主義が目指す未来社会の本質であると力説しました。2004年の綱領改定に際して、当時の不破哲三議長も同様の理念を強調しましたが、この考え方は改定後の綱領に明確には明記されなかった経緯があります。
志位氏自身も、2004年の改定後に朝日新聞のインタビューで社会主義・共産主義の特徴を「生産手段の社会化」と説明した際、「国有化」なのか「共同経営」なのかという制度論に終始し、本来伝えたかった「人間の自由」という核心に話が及ばなかった経験を明かしました。この経験が、今回の綱領改定を考える大きなきっかけになったと語っています。会見では、「生産手段の社会化はあくまでも手段、あるいは条件だ。目的は自由だ」と改めて強調し、自由の追求こそが党の目指すものであることを明確にしています。
少子化認識の反省と中国への言及
綱領にあった「少子化傾向の克服」の記述についても、志位氏は自身の過去の認識を反省しました。2020年にジェンダー平等を明記した際に、「この問題もちゃんと、過去のものも全部明らかにして、問題点を解決しておくべきだった。本当は6年前に解決できた」と述べ、認識の遅れがあったことを率直に認めています。これは、党内の思想的なアップデートが、必ずしも社会の変化に即時対応できていなかった側面を示唆しているとも言えるでしょう。
約2時間に及んだ会見では、中国共産党への評価についても質問が及びました。志位氏は、2008年に福田康夫首相と胡錦濤国家主席が交わした「互いに脅威とならない」との合意を日中双方が守る必要性を訴えました。その一方で、中国の覇権主義や人権侵害を批判する立場は2020年の綱領改定から「変えていない」と強調し、昨年(2025年)4月に訪中した際にも、中国共産党幹部に対し東シナ海での力による現状変更の停止や台湾問題の平和的解決を直接求めたことを明らかにしています。「中国にも面と向かって言った。立場が違うので議論になるが、言うべきことは言う」と述べ、批判的な立場を維持しつつ対話を行う姿勢を示しています。
自己変革への姿勢と今後の課題
志位氏は、自らが主導した今回の改定についても、将来の世代による見直しを歓迎する考えを示しました。「20年ぐらい経ったら、若い人たちが『志位が中心になってやった改定にもこういう問題があった。これは不十分だったから直しましょう』となるのは大いに結構だ」と語り、常に「理論と実践をアップデートしていく」ことの重要性を強調しました。それができなければ、「そういう政党は先がない」とまで言い切っています。
日本共産党が「無謬ではない」と自己否定し、22年ぶりに綱領の全面的な見直しを行うことは、党の歴史において極めて重要な転換点と言えます。旧ソ連型社会主義の負の遺産を清算し、マルクス本来の「人間の自由」を追求する姿勢は、果たしてどこまで徹底されるのでしょうか。また、少子化問題への認識の遅れを認め、中国の覇権主義を批判するなど、過去の硬直したイメージからの脱却を図ろうとする動きは、国民の共感を得られるのでしょうか。保守系メディアとしては、この自己変革の動きがどこまで実を伴うのか、そして、その先に日本共産党がどのような「未来社会論」を提示し、日本政治にどのような影響を与えていくのかを、引き続き冷静かつ厳しく検証していく必要があるでしょう。
まとめ
- 日本共産党の志位和夫議長は、22年ぶりに党綱領の全章見直しを発表し、「共産党は無謬ではない」と自己批判。
- 旧ソ連型社会主義を「牢獄のような社会」と批判し、マルクス本来の「人間の自由」を綱領に明確に盛り込む方針。
- 過去の綱領改定の経緯や自身の反省にも触れ、理論のアップデートの必要性を強調。
- 中国共産党に対しては、覇権主義や人権侵害を批判しつつ、対話の姿勢を維持。
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