防衛事業再編への国出資とGOCO方式を創設へ 継戦能力確保に防衛省が本腰

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防衛事業再編への国出資とGOCO方式を創設へ 継戦能力確保に防衛省が本腰

防衛省は、防衛産業の基盤強化に向けた取り組みを大幅に拡充します。防衛部門を再編する企業や、事業を統合する中小企業に政府が直接出資する制度を新たに創設する方針で、2027年度予算の概算要求に事項要求として盛り込みます。有事に長期間戦える「継戦能力」を確保するための生産基盤の安定化が狙いです。弾薬など民間需要が見込めない分野では国が施設を保有し民間に運営を委託する「GOCO方式」の制度も創設します。防衛産業からの企業撤退がこの20年で100社以上に上る深刻な現状を踏まえた緊急対応で、年内に改定される安全保障3文書にも反映されます。

20年で100社超が撤退 防衛産業の危機的状況と継戦能力への打撃


防衛省によると、防衛産業には約1万社の中小企業が関わっています。しかし収益性の低さや、株主などのステークホルダーからの圧力を背景に、この20年間で100社以上が防衛事業から撤退したとされます。

撤退企業の多くは、部品製造を担う中小のサプライヤーです。防衛装備品は高度化が進み、中小企業単独では生産が難しいケースも増えています。技術を持った企業が相次いで離れると、装備品や弾薬の生産を担う国内のサプライチェーンが細り、有事に必要な生産量を確保できなくなる危険性があります。

こうした現状を放置すれば、防衛費をいくら増やしても装備品を生産・補充できない状況が生じる可能性があります。「継戦能力」の確保には、財政投入だけでなく産業基盤の維持・強化が不可欠です。

防衛部門の分社化・中小企業統合に政府が出資 GOCO方式も導入へ


今回新たに創設される政府出資の制度では、大企業が防衛部門を分社化する際や、中小企業が事業を統合・再編する際に、政府が資金を提供する仕組みを整えます。これにより業界の効率化と生産体制の拡充を図ります。

さらに注目されるのは、弾薬など民間での需要が見込めない分野を対象とした「国有施設民間操業(GOCO:Government-Owned, Contractor-Operated)」方式の制度創設です。国が製造施設を取得・保有した上で民間企業に運営を委託する仕組みです。

欧米では有事に短期間で需要が急増する装備品の生産について、このGOCO方式が広く活用されています。民間企業にとっては戦時の急激な需要増加を見込んだ先行投資が困難なため、施設を国が保有することで民間企業がリスクを負わずに生産を担える利点があります。日本でも同様の仕組みを整備することで、有事の増産体制を平時から確保することを目指します。

「防衛産業の中小企業がこんなに撤退していたとは驚き。継戦能力のためにも早急に手を打つべきでした」
「GOCOという国有・民間運営の方式は欧米では一般的。日本が今から導入するのは遅いくらいだと思います」
「防衛費を増やすだけでなく、それを支える産業基盤を守ることが大事。今回の方針を評価します」
「弾薬の製造設備を国が持って民間に委託するのは理にかなっている。有事の増産体制は今から整えるべきです」
「産業基盤の強化と研究開発支援はセットで進めてほしい。スタートアップへの支援も具体的に進めてほしい」

過去最大の約9兆円概算要求 安全保障3文書の改定にも反映


防衛省は2027年度予算の概算要求で、過去最大となる約8兆9000億円を要求する方向で調整しています。今回の防衛産業基盤強化策はその中の「防衛力の基盤」に関わる柱の一つとして位置づけられています。

概算要求では、政府出資の制度やGOCO方式の創設のほか、防衛装備品の輸出促進など産業支援を担う新法人の新設費用、スタートアップ企業の研究開発を支援する制度の創設なども「事項要求」として明記されます。事項要求は具体的な金額を示さない要求項目で、年末の予算案編成段階でさらに金額が積み上がる見通しです。

また、年内に予定される安全保障関連3文書の改定においても、今回の防衛産業基盤強化の方針が反映されます。与党関係者は最終的な防衛費について「10兆円を超えるだろう」との見通しを示しています。

防衛産業基盤の強化は国防の根幹 官民一体の持続的取り組みが急務


防衛装備品の生産体制が空洞化した状態では、自衛隊がどれほどの訓練を積んでも有事に十分な装備・弾薬を継続的に補給できません。ウクライナでの戦争は、弾薬などの生産能力と補給の継続性が現代の戦争において決定的な意味を持つことを世界に示しました。

防衛産業から企業が撤退し続ける現状を放置すれば、高額な防衛予算を投じてもそれを支える生産体制が追いつかず、継戦能力の根幹が崩れる恐れがあります。統合・再編の支援によって産業基盤を安定させ、新興企業の技術・研究開発を育てることは、長期的な防衛力の維持に欠かせない投資です。

小泉進次郎防衛相の指揮のもと、高市早苗首相の政権が推進するこの取り組みは、防衛費の量的拡大と産業基盤の質的強化を両輪で進めるものとして評価できます。今後は施策の進捗を定期的に国民に報告し、目標達成状況を可視化することが引き続き求められます。

まとめ


・防衛省は中小企業の統合や大企業の防衛部門分社化に政府が出資する制度を2027年度概算要求に盛り込みます。
・弾薬など民間需要が見込めない分野向けに「GOCO方式」(国有施設民間操業)を創設し、有事の急増産体制を整えます。
・防衛産業には約1万社の中小企業が関わるが、この20年で100社超が低収益などを理由に撤退しており、継戦能力への打撃となっています。
・2027年度防衛省概算要求は過去最大の約8.9兆円で、年末には10兆円超えの可能性もあります。
・これらの方針は年内に改定される安全保障関連3文書にも反映される見通しです。

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2026-08-21 10:08:05(植村)

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