リフィル処方箋、普及遅れの「なぜ」?音喜多氏がデータで解説

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リフィル処方箋、普及遅れの「なぜ」?音喜多氏がデータで解説

2022年度に導入されたリフィル処方箋は、症状が安定している患者が薬を受け取るために毎回病院を受診する手間を省くことを目的としているが、現状ではその利用が極めて限定的であることが明らかになった。 リフィル処方箋は、医師が患者の症状が安定していると判断した場合に発行されるもので、一定期間内であれば、最大3回まで薬局で繰り返し薬を受け取ることができる制度だ。

日本維新の会の音喜多駿氏は、デジタル庁が公開するダッシュボードのデータに基づき、リフィル処方箋の普及状況とその課題、そして社会保険料削減への可能性について分析した。2022年度に導入されたリフィル処方箋は、症状が安定している患者が薬を受け取るために毎回病院を受診する手間を省くことを目的としているが、現状ではその利用が極めて限定的であることが明らかになった。音喜多氏は、この制度の低利用率が、医療費抑制や国民負担の軽減という観点から、見過ごせない問題だと指摘している。

リフィル処方箋の基本と目的


リフィル処方箋は、医師が患者の症状が安定していると判断した場合に発行されるもので、一定期間内であれば、最大3回まで薬局で繰り返し薬を受け取ることができる制度だ。高血圧や花粉症、慢性的な痛みなど、長期間にわたって同じ薬を服用している患者にとっては、毎月のように病院を受診し、診察を受けて処方箋をもらうという手間を省くことができる。

この制度が普及すれば、患者は通院にかかる時間や交通費、そして医療費の自己負担額を軽減できる。医療機関側にとっても、本当に診察が必要な患者に時間とリソースを集中させることが可能になる。国全体としては、再診料や処方箋発行料といった医療費の総額を抑制し、持続可能な医療制度の維持に貢献することが期待されている。まさに、患者、医療提供者、そして社会全体にとってメリットのある制度と言えるだろう。

デジタル庁データが示す衝撃の現状


しかし、デジタル庁が公開している「政策ダッシュボード」のデータは、この制度が期待通りに普及していない現状を浮き彫りにしている。参照されている厚生労働省の資料によると、2024年11月時点でのリフィル処方箋の発行割合は、全ての処方箋のうちわずか0.07%に過ぎない。制度導入から2年半が経過しても、1万枚の処方箋のうち、リフィル処方箋はわずか7枚という状況だ。

さらに、医療従事者へのアンケート調査からは、医師の意識と実際の行動との間に大きなギャップがあることが示されている。リフィル処方箋について「積極的に検討する」あるいは「患者の希望があれば検討する」と答えた医師は約6割に上る。しかし、これらの意向を持つ医師のうち、実際にリフィル処方箋を発行した経験があるのは約3割にとどまっているのだ。つまり、多くの医師が制度の必要性を認識しつつも、何らかの理由で実際には活用していないことがうかがえる。

「医師と患者の認識ギャップ」という壁


なぜ、これほどまでにリフィル処方箋の利用が進まないのだろうか。音喜多氏が指摘する最大の要因は、「患者への仕組みの周知が十分でないこと」である。医師や薬剤師といった医療専門職のリフィル処方箋に対する認知度はほぼ100%に近い一方、患者の認知度は3割に満たないという。

「患者の希望があれば出す」という意向を持つ医師が過半数いるにも関わらず、制度を知らない患者からは希望が出てこない。これは、医師側が「患者が制度を知って、自分から希望してくれるのを待っている」状態であり、患者側も「制度を知らないから、医師に相談できない」という、いわば「お互いのボール」状態に陥っていることを意味する。

医療機関側の立場からは、リフィル処方箋の普及が再診回数を減らし、直接的な収入減につながることへの懸念や、患者の症状の変化に気づきにくくなるリスクといった声も理解できる。しかし、制度設計上は医師が主導権を握り、患者を選別できるはずだが、それが十分に活かされていないのが現状だ。

KPI設定の盲点と真の課題


政府が掲げるリフィル処方箋に関する目標値(KPI)にも、音喜多氏は疑問を呈する。2030年度までに95%以上の医師がリフィル処方箋または28日以上の長期処方を発行した経験を持つ、という目標だ。しかし、調査によれば、すでに「どちらかを実施したことがある」医師は90.8%に達している。全処方箋の約半分を占める長期処方とリフィル処方箋を「または」でくくってしまうと、目標達成は実質的にほぼ完了している状態であり、リフィル処方箋の普及を促進する強力な推進力にはなりにくい。

患者の認知度を50%まで高めるという目標は妥当だが、音喜多氏は、リフィル処方箋そのものの発行率をより直接的なKPIとして設定すべきだと主張する。これは、政策改善の議論の場でも提起されている重要な論点だ。

リフィル処方箋一つで医療費が劇的に削減されるわけではないかもしれない。しかし、音喜多氏が強調するのは、「制度は存在するのに、うまく活用されていない」医療分野における様々な事例を、データに基づいて一つひとつ改善していくことの重要性だ。こうした地道な改善の積み重ねこそが、現役世代の社会保険料を引き下げるための確かな道筋になると、音喜多氏は指摘している。デジタル庁のダッシュボードは誰でもアクセス可能であり、自身の地域の状況も確認できるため、関心のある人はぜひ一度確認してみてほしい。
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