2026-10-15 コメント投稿する ▼
東吉祥院公園の廃止は違法 大阪高裁が京都市に逆転判決 飛沢知行裁判長
大阪高裁は2026年10月14日、京都市が広域避難場所の東吉祥院公園(南区)を廃止した処分を違法とし、住民側の逆転勝訴としました。飛沢知行裁判長は、都市公園法が公園のみだりな廃止を認めておらず、廃止するなら規模や効用がほぼ対等な代替公園が必要だと指摘しました。市が代わりに設置するとした4カ所の公園は、面積が4分の1に満たないものや、約3~6キロ離れたものでした。高裁は、住民の避難に大きな影響が生じないとは言えないと結論づけています。判決を受け、避難場所の確保と給食センター計画の行方が注目されます。跡地には給食センターの建設が計画されていました。京都市は「誠に遺憾」とし、今後の対応を検討するとしています。
東吉祥院公園の廃止を巡る裁判の経緯
東吉祥院公園は、京都市南区にある面積約1ヘクタールの都市公園です。地震などで大きな火災が起きたときに、広い野外の空間へ逃げ込むための広域避難場所に指定されていました。近隣の住民約5000人が避難できる規模でした。
京都市は2023年11月末にこの公園の廃止を決め、跡地に給食センターを建設する計画を立てました。これに対して住民らは、廃止処分の取り消しを求めて裁判を起こしました。1審の京都地方裁判所は2026年4月、請求を退けました。市が代わりの公園を整備することから、公園の機能は確保されると判断しました。
住民側はこの判決を不服として、大阪高等裁判所に控訴しました。控訴審では、市が代わりに設置するとした公園が、元の公園の役割を果たせるかどうかが焦点になりました。そして2026年10月14日、高裁は1審の判断を取り消し、住民側の訴えを認めました。
都市公園法が求める「代わりの公園」とは
今回の判決の土台になったのは、都市公園法という法律です。同法の第16条は、公園を管理する側が「みだりに」都市公園を廃止してはならないと定めています。例外として、特別な公益上の必要がある場合や、廃止する公園に「代わるべき都市公園」が設置される場合などが挙げられています。
高裁はまず、都市公園には公共の福祉の増進(みんなの暮らしをよくすること)といった目的があるため、管理者がみだりに廃止することは認められないと説明しました。そのうえで、廃止する場合は規模や効用がほぼ対等な代替公園を設置する必要があると指摘しました。ここでいう効用とは、公園が果たす役割のことです。つまり、公園をなくすなら、同じ役割を果たせる別の公園を用意しなければならないということです。
次に高裁は、市が代わりに設置するとした4カ所の公園を一つずつ検討しました。1カ所は面積が元の公園の4分の1に満たず、広域避難場所に指定される見込みはないと指摘しました。ほかの3カ所は、元の公園から約3~6キロ離れており、住民らが避難場所として使うのは著しく困難だとしました。こうした条件を踏まえ、高裁は4カ所の公園が元の公園に見合うとは言えないと判断しました。そして、「住民らの避難に大きな影響が生じないとは言えない」と結論づけました。
判決後の反応と、防災と給食の両立
住民側の飯田昭氏(弁護士)は、判決後の記者会見で「都市公園法の趣旨をしっかり認識した画期的な判決」と評価しました。一方、京都市は「誠に遺憾」とコメントし、今後の対応を検討するとしています。ネット上では、避難場所の確保を重く見る声と、子どもたちの給食を大切にしたいという声の両方が見られます。
「約5000人が逃げ込める避難場所をなくして、代わりの公園が3キロも6キロも先では、お年寄りや小さな子どもは逃げられません。」
「給食センターは大事ですが、命を守る避難場所をなくしてまで進める話ではないと思います。場所選びから考え直してほしいです。」
「子どもたちの給食は大切です。ただ、センターの屋上を公園にしたり避難できる建物を併設したりと、工夫の余地はなかったのでしょうか。」
「給食センターの計画も大事なので、市は住民も子どもたちも納得できる別の案を早く示してほしいです。」
「市は代わりの公園が避難に使えるのかを、住民にきちんと説明したのでしょうか。判決を重く受け止めて、丁寧に話し合ってほしいです。」
給食は、子どもたちの毎日の暮らしに関わる大切な取り組みです。ただ、その建設場所を巡って、災害のときに命を守る避難場所を減らしてよいのかが問われました。今回の判決は、都市公園の廃止には、実際に使える代わりの場所が欠かせないと、行政に改めて求めた形です。
市は、判決の内容を精査したうえで、今後の対応を検討するとしています。住民の安全に関わる事業ほど、数字と距離に基づいた丁寧な説明が必要です。京都市には、判決の内容を重く受け止めた対応が求められます。
まとめ
- 2026年10月14日、大阪高裁が東吉祥院公園(京都市南区)の廃止処分を違法と判断しました。
- 飛沢知行氏(裁判長)は、請求を退けた1審判決を取り消し、住民側が逆転勝訴となりました。
- 都市公園法は、公園を廃止するなら規模や効用がほぼ対等な代替公園の設置を求めています。
- 代替の4カ所は、面積が4分の1に満たない公園や、約3~6キロ離れた公園で、避難に使うのは難しいと判断されました。
- 京都市は「誠に遺憾」とし、今後の対応を検討するとしています。
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