2026-05-30 コメント投稿する ▼
小泉進次郎防衛相がNZ国防相と護衛艦もがみ型輸出を初協議——日豪NZ3カ国連携の全容
小泉進次郎防衛相は2026年5月30日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)に合わせ、ニュージーランドのペンク国防相、オーストラリアのマールズ副首相兼国防相と初の3カ国防衛相会談を行いました。海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM(もがみ型)」の能力向上型をニュージーランドへ輸出することを視野に、今後も情報提供を含め緊密に連携していく考えを伝えました。2026年4月に5類型規制が撤廃された防衛装備移転三原則の改定を背景に、日本の安全保障外交が大きく動き出しています。
シンガポールで日豪NZが初の3カ国防衛相会談
小泉進次郎防衛相は2026年5月30日、ニュージーランドのペンク国防相、オーストラリアのマールズ副首相兼国防相とシンガポールで初の3カ国会談を開きました。
会談では海上自衛隊の最新鋭護衛艦「FFM」(もがみ型)能力向上型のニュージーランドへの輸出に向けて協議し、日本の防衛装備品の輸出ルール緩和を受けた安全保障分野の連携強化を確認しました。
小泉氏は護衛艦輸出に向けて今後も情報提供をはじめとして緊密に連携していく考えをペンク氏に伝えました。
「もがみ型護衛艦がニュージーランドでも候補になったのか。すごい、時代が変わった気がする」
「3カ国が同じ艦を使うことになれば訓練や部品調達も共通化できて、現場としては大きなメリットがあると思う」
小泉氏はニュージーランド軍の老朽化したフリゲート艦に代わる後継艦候補の一つにもがみ型が選ばれたことを歓迎し、「早期の3者協議をうれしく思う」と伝えました。ペンク氏は英国の31型フリゲート艦も検討しており、2027年末までに政府への提言をまとめる方針を説明しました。
「もがみ型」能力向上型とは何か——英国31型フリゲートとの競合に注目
今回の協議の主役となったもがみ型護衛艦の能力向上型について、その実力を整理します。
もがみ型護衛艦は全長133メートル、基準排水量3900トンの多機能護衛艦で、対潜・防空・機雷戦など多彩な任務をこなせます。
能力向上型ではVLS(ミサイル垂直発射装置)のセル数がもがみ型の16セルから32セルへと倍増し、新型の艦対空ミサイルや長射程の対艦・対地ミサイルも搭載可能となり、戦闘力が大幅に向上します。
英国の31型フリゲートとも競合しているのか。勝ち取れれば日本の造船業にとって本当に大きな転換点になる
ニュージーランドが最終的にもがみ型を選定するかどうかは、2027年末に提言が取りまとめられる予定で、今後の情報共有と外交交渉が正念場となります。
輸出ルール大転換——5類型撤廃で日本の安保政策が大きく変わった
今回の3カ国会談を後押しした最大の要因が、2026年4月21日に決定された防衛装備移転ルールの大幅改定です。
政府は防衛装備移転三原則と運用指針の改正を決定し、殺傷能力のある武器を含む国産の完成品の移転を原則可能としました。これまで国産完成品の輸出対象は、救難・輸送・警戒・監視・掃海の非戦闘目的5類型に限定されていましたが、この規制が撤廃されました。
日本は「準同盟国」とみなすオーストラリアとの協力を軸に輸出先を広げており、ニュージーランドも価値観を共有する「同志国」として位置付けています。もがみ型の輸出で3カ国の部隊の相互運用性を高め、海洋進出を強める中国の抑止につなげたい考えです。
防衛装備品の輸出解禁は、武器が紛争を助長しないよう厳格なルールと透明な情報公開が前提のはず。その説明が国民にできているのか
オーストラリアとの共同開発が先行——3カ国の相互運用性向上へ
今回の協議においてオーストラリアはすでに先行した立場にいます。
オーストラリアはもがみ型をベースにした能力向上型を日本と共同開発する契約を結んでおり、総額2兆2000億円規模になります。計11隻のうち最初の3隻は日本国内で建造し、残りはオーストラリア国内での雇用創出も踏まえて現地建造される予定で、1番艦の納入は2029年末を見込んでいます。
ニュージーランドが同型艦を採用すれば、日本・オーストラリア・ニュージーランドの3カ国で同一の艦艇を運用する体制が整い、合同訓練や部品調達の共通化による大幅なコスト削減も期待されます。
もがみ型が3カ国で使われるようになれば、太平洋での日本の存在感は一気に高まる。ただ、国内の造船能力は大丈夫なのか心配
防衛装備品の輸出には、安全保障上の明確な目的と達成期限を設定し、その進捗を国民に定期的に報告する仕組みが欠かせません。武器がどのような用途で使われるかを追跡・確認できる体制こそが、国民の信頼を長期的に得る唯一の道です。
まとめ
- 小泉進次郎防衛相は2026年5月30日、シンガポールでNZ・オーストラリアと初の3カ国防衛相会談を開催。
- もがみ型FFM能力向上型のニュージーランドへの輸出を視野に、情報提供を含む緊密な連携を確認した。
- NZは英国の31型フリゲートも検討中で、2027年末に政府への提言をまとめる方針。
- 2026年4月21日に「防衛装備移転三原則」が改定され、殺傷能力のある完成品の輸出規制が大幅に緩和された。
- オーストラリアはすでに約2兆2000億円規模でもがみ型ベースの新型艦共同開発を決定済み。
- 3カ国が同型艦を運用することで相互運用性が高まり、中国の海洋進出抑止につながるとの戦略的位置付け。
- 防衛装備品の輸出には数値目標・期限・進捗報告の国民への開示が不可欠。