2026-10-15 コメント投稿する ▼
訪問介護基本報酬、引き下げ前の水準維持を在宅5団体が厚労省に要望
2026年度に予定されている介護報酬改定に向けて、訪問介護事業所の経営基盤を支える基本報酬の引き上げを求める声が強まっています。 これらの団体は、連名で厚生労働省に対し、来年度の介護報酬改定において、訪問介護の基本報酬を「引き下げ前の水準以上に」引き上げるよう求めました。 * 2026年度の介護報酬改定に向け、訪問介護事業者の経営基盤強化が課題となっている。
背景:報酬改定と訪問介護事業者の現状
介護報酬は、原則として3年に一度見直される国の制度であり、その改定は介護サービスを提供する事業者にとって、経営の根幹に関わる重要な出来事です。特に訪問介護サービスは、利用者の自宅を訪問して身体介護や生活援助を行うため、人件費の割合が非常に高い事業形態となっています。そのため、介護報酬の改定率、特に基本報酬の増減は、事業所の収支に直接的な影響を与えます。
過去の改定においては、本体報酬の引き下げや、サービスごとの報酬体系の見直しが行われてきました。これにより、一部の事業所では、サービス提供に必要なコストを賄いきれず、経営難に陥るケースも少なくありませんでした。物価高騰や他産業との人材獲得競争による人件費の上昇も、事業者の負担感を増大させています。こうした状況を踏まえ、在宅介護を支える団体は、今回の改定で報酬が引き下げられることへの強い懸念を抱いています。
在宅5団体の具体的な要望
今回、要望を行ったのは、全国訪問介護事業者連絡協議会、全国介護事業者連盟、日本介護福祉経営財団、全国ヘルパー連絡協議会、全国社会福祉協議会(全国介護保険・高齢者福祉施設協議会)の5団体です。これらの団体は、連名で厚生労働省に対し、来年度の介護報酬改定において、訪問介護の基本報酬を「引き下げ前の水準以上に」引き上げるよう求めました。
この「引き下げ前の水準以上」という表現には、単に現状維持を求めるだけでなく、サービス提供に必要なコストの上昇分を確実に反映させた、実質的な報酬の引き上げを求める強い意志が込められています。具体的には、介護職員の給与水準の向上、専門的な研修機会の提供、そして質の高いサービスを持続的に提供できる経営基盤の確保を目的としています。
報酬引き上げの必要性
訪問介護は、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を継続するために、必要不可欠なサービスです。利用者の尊厳を守り、自立した生活を支援するためには、経験豊富で質の高い介護人材によるきめ細やかなケアが求められます。しかし、現在の報酬水準では、介護職員の処遇を大幅に改善することが困難であり、人材の確保や定着が大きな課題となっています。
専門職としてのやりがいや適切な対価が支払われなければ、優秀な人材は介護分野から離れてしまう可能性があります。また、新規に資格を取得した人材が訪問介護の分野で活躍するためには、十分な研修体制やキャリアパスの整備も不可欠ですが、そのためには事業所の経営体力が必要です。報酬が低迷したままであれば、これらの取り組みを進めることができず、結果として訪問介護サービスの質が低下し、利用者の生活の質にも影響が及びかねません。
今後の焦点と見通し
厚生労働省は、今後、社会保障審議会介護給付費分科会などを通じて、各関係団体からの意見を聴取し、専門的な検討を進めていくことになります。訪問介護事業者の切実な要望が、最終的にどの程度、来年度の介護報酬改定に反映されるかは、国の財政状況や、医療・他サービスとのバランス、そして上野賢一郎厚生労働大臣をはじめとする政府の判断に委ねられることになります。
今回の在宅5団体の要望は、訪問介護サービスの持続可能性と質の確保に向けた、極めて重要な一歩と言えるでしょう。今後、他の関係団体や現場の声も踏まえながら、国民的な議論を通じて、より良い介護サービスの提供体制を築いていくことが求められます。
まとめ
- 2026年度の介護報酬改定に向け、訪問介護事業者の経営基盤強化が課題となっている。
- 在宅介護を支える5団体が、訪問介護の基本報酬を「引き下げ前の水準以上」に引き上げるよう厚生労働省に要望した。
- この要望は、物価高騰や人件費上昇に対応し、サービス維持・質向上、人材確保を図るための実質的な報酬引き上げを求めるもの。
- 報酬水準の動向は、高齢者の生活支援、介護人材の処遇、そしてサービス全体の質に大きく影響する。
この投稿の上野賢一郎の活動は、56点・活動偏差値53と評価されています。下記GOOD・BADボタンからあなたも評価してください。