2026-10-12 コメント投稿する ▼
30歳代後半女性のクラブ所属10.1% 内藤久士氏が体力低下を懸念
スポーツ庁が2026年10月11日に公表した2025年度の体力・運動能力調査で、30歳代後半の女性のスポーツクラブ所属率が10.1%と、2001年度の3分の1まで下がったことが分かりました。同じ世代の男性の半分にも届かず、40歳代後半の女性も15.5%に半減しています。体力測定の結果や週1日以上運動する割合も低下しており、運動生理学が専門の内藤久士氏(順天堂大学特任教授)は将来を心配しています。スポーツ庁は30歳代から40歳代の女性を対象に、フィットネス業界との連携や企業への支援を手厚くする方針です。
30歳代後半の女性、スポーツクラブ所属は10.1%
スポーツ庁は2026年10月11日、2025年度の体力・運動能力調査の結果を公表しました。それによると、30歳代後半の女性でスポーツクラブに所属している人の割合は、わずか10.1%にとどまりました。同じ世代の男性の半分にも届かず、この20年あまりで男女の差が広がっていることが分かりました。
調査は6歳から79歳までの約6万人を対象に行われました。握力や上体起こしなどを実際に測り、その結果を分析しています。握力は手の力、上体起こしはおなかまわりの筋肉の力を調べる種目で、体力の目安として使われています。あわせてアンケートも行い、学校の部活動や地域のクラブに入っているかどうかなどをたずねました。
集計では、クラブに所属する人の割合は全体として減少傾向にあります。なかでも女性の30歳代後半は10.1%と最も低く、2001年度と比べて3分の1まで下がりました。働く世代の女性とクラブとの距離が、数字にはっきり表れた形です。
「30代後半で10%と聞いて、正直やっぱりと思いました。仕事と育児で自分の時間なんてほとんどありません。」
「子どもの習い事の送り迎えで週末がつぶれます。自分のスポーツクラブなんて考える余裕がないです。」
四半世紀で広がった男女差と、体力測定の結果
40歳代後半の女性でも、クラブに所属する割合は15.5%まで下がり、こちらも半分に減りました。四半世紀ほど前は、30歳代から40歳代の人のおよそ3割が、男女を問わずクラブに入っていました。それが今では、とくに女性の落ち込みが目立つ状況になっています。
気がかりなのは、クラブへの所属だけではない点です。30歳代から40歳代の女性では、体力測定の結果も下がっています。さらに、週に1日以上運動する人の割合も下がっています。クラブに入る人が減っただけでなく、体を動かす機会そのものや、体力まで落ちていることがうかがえます。
今回の調査からは、育児や仕事に追われ、クラブに加入して仲間とスポーツを楽しむ時間を持てない実情がうかがえます。30歳代から40歳代は、仕事や子育てが忙しくなる時期にあたります。クラブ以外の形も含め、この世代がどう体を動かしているのかを丁寧に見ていく必要があります。
「ジムに行く時間も気力もなくて、運動不足は自覚しています。このまま年を重ねるのが少し怖いです。」
「男性は職場や地域のチームがあるのに、女性は家のことで精一杯。この差はおかしいと思います。」
専門家は将来を心配、スポーツ庁は企業と連携して後押し
運動生理学が専門の内藤久士氏(順天堂大学特任教授)は、「クラブに所属しなくても、ジムに通って個人で体を動かすスタイルも浸透してきた」と指摘します。そのうえで、「体力低下が続き、将来が心配される」と話しています。クラブ以外の運動が広がっても、体力の低下が続いている点を指摘した形です。
国は、2022年度から2026年度までのスポーツ基本計画で、成人が週に1回以上スポーツを行う割合を70%にする目標を掲げています。2023年度のスポーツの実施状況に関する世論調査では、20歳以上で週に1回以上運動する人は52.0%、女性は49.4%でした。目標との差は大きく、働く世代の女性の運動をどう増やすかが課題です。
こうしたなか、スポーツ庁は、30歳代から40歳代の女性を重点的なターゲットにする方針です。具体的には、フィットネス業界と連携した運動プログラムの提供や、従業員にスポーツを推奨する企業への支援を、これまでより手厚くするとしています。仕事の場や身近なジムを通じて、忙しい世代でも続けやすい形を目指すとしています。
会社が運動を後押ししてくれるなら助かります。勤務時間の中で体を動かせたら、続けられそうです。
運動の習慣は、年齢を重ねたときの健康にも関わります。国が掲げる目標を実現するには、忙しい世代の暮らしに合った、現実的な取り組みを具体的な数値目標とともに示すことが欠かせません。今後の施策の中身と、その成果に注目が集まります。
まとめ
- スポーツ庁は2026年10月11日、2025年度の体力・運動能力調査の結果を公表しました。
- 30歳代後半の女性のクラブ所属は10.1%で、2001年度の3分の1、同世代の男性の半分未満です。
- 40歳代後半の女性も15.5%まで半減し、体力測定の結果や週1日以上運動する割合も下がっています。
- 内藤久士氏(順天堂大学特任教授)は、体力低下が続き将来が心配されると話しています。
- スポーツ庁は、30歳代から40歳代の女性を対象に、フィットネス業界との連携や企業への支援を手厚くする方針です。
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