2025-05-19 コメント投稿する ▼
さっぽろ雪まつり、大雪像が1基に削減へ 陸上自衛隊の人員不足が影響
さっぽろ雪まつり、大雪像制作が1基に削減へ
札幌市の秋元克広市長は19日、冬の風物詩「さっぽろ雪まつり」で毎年2基制作されている大雪像を、令和9年(2027年)から1基に減らす方針を明らかにした。これは、制作を担当してきた陸上自衛隊から「人員確保が難しい」との正式な申し入れがあったためだ。
秋元市長は、「大雪像は雪まつりのシンボル的存在であり、減らしたくはない。しかし、陸自の負担や地域の状況を考慮しつつ、まつりの魅力を損なわないよう検討していきたい」と語った。
陸上自衛隊、業務多様化で人員不足
さっぽろ雪まつりで大雪像を手がけているのは、陸上自衛隊第11旅団だ。例年、約8,000人の隊員が雪の搬送、雪像の制作に携わってきた。しかし近年、国際情勢の緊張や災害対応などの任務が増加し、さらに冬季訓練の重要性も高まる中、大雪像制作に人員を割くことが困難になったという。
「自衛隊としても地域貢献は大事だが、限られた人員で全てを支えるのは難しくなっている」と、関係者は現状を説明する。
民間制作の移行も検討
秋元市長は、大雪像を1基に減らすことで雪まつりの規模縮小が懸念される中、民間団体への制作移行も模索している。しかし、「これまで自衛隊が担ってきた規模と技術力を、すぐに民間で再現するのは難しい」とし、課題は山積みだ。
今後は、7月に予定される第1回実行委員会で、関係者と協議を重ね、最適な形を模索するという。
ネットユーザーの声:失われる伝統に賛否
さっぽろ雪まつりの大雪像削減について、SNS上では多様な意見が飛び交っている。
「自衛隊の皆さん、長年の雪像制作ありがとう。新たな任務も頑張ってください」
「雪まつりは北海道の顔。大雪像が1基になるのは寂しい」
「これを機に、民間制作で新しいデザインに挑戦してみては?」
「自衛隊も大事な役割を担っている。地域貢献も限度がある」
「伝統は守りたいけど、現実的に無理があるなら仕方ない」
さっぽろ雪まつりは1950年に始まり、1955年からは陸上自衛隊が大雪像制作に協力してきた。毎年国内外から多くの観光客を集め、北海道を代表する冬のイベントとなっているが、時代の変化に伴い、その形も変わらざるを得なくなった。