2026-10-27 コメント投稿する ▼
関芳弘文科相、安全保障技術研究推進制度は大学も活用可能と明言
関芳弘氏(文部科学相)は2026年10月27日の閣議後記者会見で、防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度について、大学などのアカデミアも活用できる制度だと述べました。2026年度の応募は560件で、大学等は291件と前年度の123件から2.4倍に増え、採択47件のうち30件が大学等でした。関氏は研究の自主性が担保され、成果の公表に制限がないことなどを理由に挙げ、関係省庁との連携を深める考えも示しました。一方、日本学術会議は2017年に政府の介入を懸念する声明を出しており、研究の自由をどう守るかが問われます。
関芳弘文科相が会見で説明、安全保障技術研究推進制度は大学も活用できる
関芳弘氏(文部科学相)は2026年10月27日の閣議後記者会見で、防衛装備庁が行う「安全保障技術研究推進制度」について、「他の競争的研究費制度と同様に、大学などのアカデミアも活用できる制度」と述べました。この制度は、軍事技術にも応用できる可能性がある基礎研究に、国が研究費を支える仕組みです。大学からの応募が増えていることを受けた発言です。
関氏が大学も使ってよいと考える理由は、大きく分けて三つあります。一つ目は、研究の自主性が守られていることです。二つ目は、基礎研究であるため、研究成果の公表に制限がないことです。三つ目は、知的財産権が研究を受託した側に帰属できることです。関氏はこれらの点から、大学が活用しても問題はないと説明しました。
関氏はさらに、「科学技術と国家安全保障との有機的連携に向け、関係省庁と連携を深めていきたい」とも話しました。科学の力を国の安全にもつなげていくために、関係省庁と力を合わせて取り組む考えを示した発言です。
応募560件のうち大学等が291件、前年度の2.4倍に急増
防衛省は2026年10月20日、安全保障技術研究推進制度の2026年度の公募結果を発表しました。全国の大学などの研究機関や企業から集まった応募は、制度の創設以来で最多となる560件でした。前年度の2025年度は340件でしたので、1年で大きく増えたことになります。
このうち、大学や高等専門学校などを指す大学等からの応募は291件で、前年度の123件から2.4倍に増えました。これも制度の創設以来で最も多い数字です。応募の内訳は、大学等が291件、公的研究機関が111件、企業等が158件です。採択されたのは47件で、このうち30件、19機関が大学等でした。前年度の採択は大学等が20件でしたので、10件増えたことになります。
大学の応募は、昔から多かったわけではありません。防衛省の資料によると、大学等の応募は制度が始まった2015年度の58件から減り、2018年度は12件、2019年度は9件にとどまりました。その後は2023年度に23件、2024年度に44件、2025年度に123件と、年を追うごとに増えています。2026年度には、医療や医工学に関する基礎研究の分野が新たに設けられ、この分野だけで全体の応募が97件、採択が11件ありました。
研究の自由は守られるのか、防衛省と日本学術会議の見方
防衛省は、この制度では防衛省の職員が研究内容に介入することはなく、研究の自由を担保していると説明しています。また、論文などの公表を制限することはせず、広く民生分野、つまり私たちの暮らしに役立つ分野での活用も期待するとしています。成果を公表できる仕組みになっているというのが、防衛省の説明です。
一方で、日本学術会議は2017年3月24日、「軍事的安全保障研究に関する声明」を出しました。この声明は、研究の期間内や期間後に、政府による研究者の活動への介入が強まる懸念があると指摘しました。制度についても「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と述べています。そのうえで、大学などに対し、研究の入り口で資金の出どころを慎重に判断し、技術的・倫理的に審査する仕組みを設けるよう求めました。この声明に、応募を禁止する文言はありません。
小泉進次郎氏(防衛相)は、2026年10月の発表を受けて、大学や学術界の防衛に対する見方が変わってきたという趣旨の発言をしています。防衛と民生の分野を明確に分けられない時代に、大学や学術界との連携は欠かせないという考えを示したと報じられています。
研究費不足という現実と、安全保障と科学の連携のこれから
大学の応募が増えた背景について、報道では厳しい財政事情を指摘する見方があります。国立大学は法人化のあとに運営費交付金が減らされ、研究費の確保が難しくなっているという指摘もあります。また、応募が増えた要因として、制度が大学に知られるようになったことや、2025年度に新しく設けられた補助事業の効果が挙げられています。
研究費をどう確保するかは大学にとって切実な問題です。国の安全に役立つ基礎研究に取り組む機会が広がることは、前向きに受け止められます。そのうえで、採択の過程や成果の扱いを国民にわかる形で示し続けることが、制度への信頼につながります。この制度をめぐっては、次のような声が聞かれます。
「研究費が足りない中で、国の守りに役立つ研究に挑戦できるのは心強いです。」
「成果の公表に制限がないなら、大学が応募してもよいと思います。」
「防衛の研究と民生の研究を分けられない時代ですよね。大学の力を生かしてほしいです。」
「研究が少しずつ軍事に寄っていかないか、きちんと見張る必要があると思います。」
「応募が2.4倍って急すぎます。大学の研究費不足の裏返しではないでしょうか。」
高市早苗氏(首相)の内閣で文部科学相を務める関氏は、関係省庁との連携を深める考えを示しました。科学技術と国家安全保障を結びつける取り組みを進める方針です。大学の応募がさらに増えるのか、採択される研究がどのような成果を生むのか、引き続き見守る必要があります。
まとめ
- 関芳弘氏(文部科学相)は2026年10月27日の閣議後会見で、安全保障技術研究推進制度は大学なども活用できる制度だと述べました
- 理由として、研究の自主性が担保されていること、成果の公表に制限がないこと、知的財産権が受託者に帰属できることを挙げました
- 2026年度の応募は560件で、うち大学等は291件と前年度の123件から2.4倍に増え、制度創設以来で最多となりました
- 採択は47件で、うち大学等が30件(19機関)でした
- 日本学術会議は2017年に、政府による研究への介入を懸念する声明を出しており、研究の自由をどう守るかが引き続き問われます
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