2026-10-26 コメント投稿する ▼
鈴木貴子氏の生活保護の車保有緩和 任意保険や車検代は誰が払うのか
自由民主党(自民党)の鈴木貴子氏(広報本部長)は2026年10月25日、生活保護を利用する世帯の車の保有を緩和する見直しについて、「税金で車を買い与えるものではありません」と説明しました。ただ、購入費が出ないとしても、任意保険や車検代といった維持費を誰がどう負担するのかは、報道や説明からは分かりません。対象となる「公共交通が限られ、車がなければ就労や子育てが難しい地域」を何で線引きするのかも、数値では示されていません。鈴木貴子氏の説明と報道を整理し、生活保護の車の保有緩和で明らかにすべき維持費の扱いと地域の基準、そして自立の成果をどう測るのかを考えます。働く人との公平性にも触れます。
鈴木貴子氏が説明した生活保護の車保有緩和の中身
自由民主党(自民党)の鈴木貴子氏(広報本部長)は、2026年10月23日にXへ投稿しました。生活保護を利用する世帯の車の保有を緩和する方向で厚生労働省が検討しているという報道を引用し、「地方において、車は贅沢品ではありません。生活と仕事を支える、必要不可欠なインフラです」と述べたものです。
報道によると、厚労省が検討しているのは、未就学児を育てるひとり親世帯を対象にした見直しです。公共交通が限られ、車がなければ就労や子育てが難しい地域を想定していて、公共交通が充実した都市部は含まない見通しとされています。年内をめどに運用を見直し、保護費の一部を負担する自治体と協議するとも伝えられています。現時点は検討の段階で、正式な決定や通知は確認できていません。
現行の制度でも、車の保有は原則として認められていません。ただし、公共交通機関の利用が著しく困難な地域で通勤する場合や、通院などの一定の条件を満たす場合は、例外として認められています。1963年から続く国の通知には、その地域の自動車の普及率を考え、車を持たない低所得世帯との均衡を失しないことも条件として示されています。2024年12月には、保有を認めた車を日常生活に不可欠な買い物などに使うことも認める運用の変更がありました。
23日の投稿には、車の購入費や維持費、保険料などを疑問視する反応が相次ぎました。鈴木氏は25日、「こんなにも反応がくるとは想像以上でした」とした上で、「今回の見直しは、税金で車を買い与えるものではありません」と説明しました。購入費は原則として別途支給されず、維持費も無条件に公費負担されるわけではないとも述べています。
「購入費は出ないと聞いて少し安心しましたが、維持費の説明がまだ足りないと思います。」
生活保護の中から任意保険や車検代まで支払うのか
まず確認したいのは、「維持費も無条件に公費負担されるわけではありません」という言い回しです。無条件ではないと言うからには、条件を満たせば公費で負担される維持費があるのでしょうか。それとも、すべて利用者が自分で負担するのでしょうか。この説明からは、どちらなのか読み取れません。
車は買って終わりではありません。毎年かかる自動車税や軽自動車税といった税金、法律で加入が義務づけられている自賠責保険、定期的に必要な車検代、ガソリン代、駐車場代、修理代、タイヤの交換費用など、さまざまな費用が続きます。
特に気になるのは任意保険です。自賠責保険は、事故で他人にけがをさせた場合の補償が中心で、相手の車や建物などを壊した場合は対象外です。そのため、多くの人が上乗せとして任意保険に入っています。ひとり親が車で通勤や子どもの送迎をする以上、事故を起こした場合にどう備えるのかは避けて通れません。しかし、任意保険への加入を求めるのか、その保険料は誰が払うのかは、報道や鈴木氏の説明では示されていません。
「地方で車がないと働けないのは分かります。でも任意保険や車検代まで保護費の中から出すのか、そこをはっきり説明してほしいです。」
「私は働いて車を維持していますが、保険と車検の支払いのたびにため息が出ます。受給者の維持費がどう扱われるのか気になります。」
保護費の中から払う仕組みなら、食費や光熱費などの生活費をどう確保するのかも問題になります。公費で出すのであれば、税金を納めている側への説明が欠かせません。どちらの場合でも、維持費の扱いを先に明らかにすることが、制度を変える前提になります。
公共交通が限られる地域の線引きはどうするのか
次に、対象となる地域の基準です。報道では、公共交通が限られ、車がなければ就労や子育てが難しい地域を想定しているとされています。現行の「公共交通機関の利用が著しく困難な地域」と近い考え方ですが、どこからが「限られる」のかという数値の基準は、報じられていません。
たとえば、最寄りのバス停や駅まで何メートル離れていれば対象なのでしょうか。1時間に1本のバスは「限られる」のでしょうか。始発や終発の時刻が仕事の時間に合わない場合はどうなるのでしょうか。保育所の送迎と通勤を両立できるかどうかは、判断に入るのでしょうか。基準がなければ、窓口の担当者も、利用者も、納税者も、同じものさしで考えることができません。
「公共交通が少ない地域という線引きは誰が決めるのでしょうか。窓口の判断でバラバラになったら不公平です。」
また、「都市部は含まない」とされる点も、範囲がはっきりしません。地方の市であっても、中心部から少し離れれば路線バスが少ない地域があります。どこまでを都市部とするのか、現行の通知にある「地域の自動車の普及率を考える」という条件を残すのかも、明らかにする必要があります。同じ条件の世帯なのに、住む自治体によって結論が変わる状態は避けなければなりません。
働く人との公平性と自立の成果をどう示すか
鈴木氏は、見直しの目的を「働ける人には環境を整え、生活保護からの自立につなげること」だと説明しました。働く意欲のあるひとり親が、車がないために職場や保育所に通えないという事態を防ぎたい。この方向性そのものには、理解できる面があります。
一方で、鈴木氏は「毎日働き、税金を納めている方々との公平性も極めて重要」とも述べています。公平性への納得は、言葉だけでは得られません。車の保有を認めた世帯のうち、何世帯が就職したのか、どのくらいの期間で保護から抜けたのかといった結果を、数字で示す必要があります。
「ひとり親が車で通勤や送迎できるのは助かると思います。ただ、自立にどうつながったのかは数字で見せてください。」
そのためには、見直しの前に数値の目標と期限を決め、結果を公表することが欠かせません。税金を使う以上は、目標と検証の仕組みをセットで示すことが、国民の理解を得る近道です。
厚労省は年内をめどに運用を見直す方向だと伝えられています。維持費の扱い、地域の基準、自立の成果の測り方。この3点を示したうえで、働く人も利用者も納得できる形で進めることが求められます。
まとめ
- 鈴木貴子氏は2026年10月25日、車の保有要件の見直しは「税金で車を買い与えるものではありません」と説明しました
- 厚労省は未就学児のひとり親世帯を対象に、年内をめどに運用を見直す方向で検討していると報じられています
- 任意保険や車検代などの維持費を誰がどう負担するのかは、報道や説明では示されていません
- 「公共交通が限られる地域」を何で線引きするのか、数値の基準は報じられていません
- 自立につながったかを測る目標と期限、結果の公表が必要です
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