2026-06-11 コメント投稿する ▼
国民投票ネット広告規制 自民・新藤義孝氏が衆院憲法審で法制化容認へ
2026年6月11日の衆議院憲法審査会で、自由民主党(自民党)の新藤義孝与党筆頭幹事氏が、国民投票法を巡るインターネット広告規制について「速やかに検討し、必要な法制上の措置を講じるのが望ましい」と発言しました。2021年の国民投票法改正附則で検討が義務づけられてから約5年、ようやく自民党が法制化に踏み込む姿勢を示した形です。フェイクニュースや外国勢力介入への対策も含め、今国会での結論が注目されています。
ネット広告規制へ転換 自民・新藤氏が法制化を容認
2026年6月11日、衆議院憲法審査会の場で、自由民主党(自民党)の新藤義孝与党筆頭幹事氏は、国民投票法を巡るインターネット広告などの規制について「速やかに検討し、必要な法制上の措置を講じるのが望ましい」と述べました。
自民党はこれまで、インターネット広告への直接規制について「現実的に困難」との立場を取り続けてきた経緯があります。今回の発言は、そうした従来の姿勢からの実質的な転換を示すものとして注目を集めています。
「自民がネット広告規制を認める方向で動いたとは驚いた。遅すぎるけど、やっと前進したか」
「憲法改正を議論する前に、まず公平なルールを整えることが民主主義の基本。当然の判断だと思う」
2021年の「約束」が5年越しで問われる
今回の審議の根拠となっているのは、2021年6月に成立した国民投票法の改正時に盛り込まれた附則第4条です。この附則では、テレビ・ラジオのCMやインターネット有料広告の制限、運動資金の透明化、外国勢力による影響行使への対応、SNS上の偽・誤情報対策について、施行から3年を目途に「必要な法制上の措置を講ずる」と定められました。
しかし、施行から5年近くが経過した現在も、具体的な法整備は実現していません。2022年に自民党、日本維新の会(維新)、公明党、有志の4会派が共同で提出した関連改正案は、2024年10月の衆議院解散によって廃案となりました。
2026年6月4日の同審査会では、国民民主党(国民民主)の浅野哲氏が新藤氏に対し「この審査会で結論を出す、ということでよろしいですよね」と直接確認する場面もありました。与野党双方から、先送りを許さない雰囲気が高まっています。
5年間も先送りにしてきた問題をやっと審議している。参院選前だからやるのかと思うと、複雑な気分だ
フェイクニュースと外国介入 規制なき国民投票の危うさ
インターネット広告規制が強く求められる背景には、現行法の構造的な問題があります。
現行の国民投票法では、投票期日前14日間を除き、国民投票運動に関するインターネット有料広告を事実上自由に出稿できます。資金力のある陣営が大量のネット広告を投下できる現在の仕組みは、国民が公平な情報のもとで判断する権利を脅かします。
さらに、AIを活用したマイクロターゲティングや、外国勢力によるフェイクニュースの意図的な拡散といったリスクも深刻です。日本弁護士連合会は2023年4月に意見書を提出し、憲法改正の国民投票に関するインターネット広告への実効性ある規制の早期整備を訴えています。欧州各国では選挙や国民投票に関するネット広告の透明性確保や支出規制を法制化している国が多く、日本の対応の遅れが際立っています。
また、外国勢力や外国法人が国民投票運動に資金を提供することを明確に禁じる規定も、現行法には存在しません。与野党ともに外国人・外国法人による寄付を禁止すべきとの認識では一致しており、この点でも早期の法整備が求められています。
外国勢力がSNSを通じて世論を誘導するリスクは現実にある。スパイ防止法もそうだけど、日本は危機感が薄すぎる
憲法改正の実現へ 環境整備の決着が問われる今国会
憲法改正は、衆参両院それぞれの総議員の3分の2以上の賛成で発議され、その後の国民投票で過半数の賛成を得て初めて成立します。改正の中身を議論する以上に、主権者である国民が公正な情報環境のなかで判断を下せるよう投票環境を整備することは、民主主義の根幹に関わる問題です。
今国会では、投票立会人の要件緩和や開票立会人の規定整備など、比較的異論の少ない3項目の改正案について、自民党が維新や国民民主などに共同提出を呼びかけています。ネット広告規制や外国人寄付禁止など各党の立場に隔たりのある課題については、慎重な協議が続く見通しです。
新藤氏の発言は、法制化を「望ましい」とする自民党の公式な意思表示として、与野党の議論を加速させる可能性があります。2026年夏の参議院議員選挙を控えるなかで、この問題が有権者の判断材料ともなりうる重要局面を迎えています。
改憲の議論よりルール整備が先。国民の信頼を得るための最低限のことをちゃんとやってほしい
まとめ
- 2026年6月11日の衆院憲法審査会で、自民党の新藤義孝氏がネット広告への「必要な法制上の措置」を容認する発言をした
- 2021年の国民投票法改正附則第4条でネット広告規制の法制化が義務づけられたが、約5年間にわたり具体策が講じられていなかった
- 2022年に4会派が提出した関連改正案は2024年の衆院解散で廃案となっており、今国会が再挑戦の機会となっている
- 現行法では投票前14日間を除きネット有料広告は事実上無規制で、資金力格差や外国勢力介入のリスクが指摘されている
- 外国人・外国法人による国民投票運動への寄付を禁じる規定も現行法には存在せず、与野党が早期整備で一致している
- 自民党は比較的合意しやすい3項目の投票環境整備改正案も並行して準備しており、今夏の参院選前の決着が求められている