王毅氏の「言葉交わさず」発言が示す日中外交の断絶

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王毅氏の「言葉交わさず」発言が示す日中外交の断絶

両国の外相が、まるで足並みを揃えるかのように日本の「再軍備」や「再軍事化」に対して否定的な見解を表明したことは、中国とロシアが安全保障政策を巡り、日本を共通の懸念対象と見なしていることを示しています。 日中関係が冷え込む中、中国がロシアとの関係を強化し、対日圧力を継続しようとしている構図が鮮明になっています。

中国の王毅外相がSNS上で、フィリピンでの茂木敏充外相との接触を否定したことが波紋を広げています。茂木外相の説明と真っ向から対立するこの事実は、対日姿勢を硬化させる中国の思惑と、日中関係の冷え込みを浮き彫りにしています。さらに、ロシアとの連携による対日批判の継続も確認されました。

中国側の「接触否定」発言の真意


中国国営の中国国際テレビ(CGTN)系のSNSアカウントは、2026年7月26日までに、王毅外相がフィリピンの首都マニラを訪問した際、日本側と「言葉を交わすことはなかった」と投稿しました。これは、同月22日に茂木外相が「王氏と2国間関係について話をした」と説明していた内容を、中国側が公然と否定した形となります。

王氏はこの投稿で、マニラ滞在中に「日本側と会見の手配はなかった」とも強調しており、両国の外相会談が実現したとの見方を牽制する狙いがあったとみられます。

中国外務省も、7月23日の定例記者会見において、茂木外相との接触の有無や内容に関する質問に対し、「王氏と日本側との会見の予定はない」と回答を避ける姿勢を見せていました。こうした一連の中国側の言動は、茂木外相の説明とは異なる事実を、中国国内および国際社会に向けて発信しようとする意図がうかがえます。

王氏の発言が、中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」に7月25日投稿されたことも、国内世論を意識した情報発信である可能性を示唆しているのではないでしょうか。

対日硬化の背景と国内向けメッセージ


中国が日本に対して強硬な姿勢を維持している背景には、2025年11月の高市早苗首相による、台湾有事を巡る国会答弁があるとされています。この答弁に対し、中国側は強い不満を表明し、日本に撤回を要求しました。しかし、日本政府はこれを事実上拒否しました。

これを受け、中国は国営メディアを通じて、対日強硬姿勢は変わらないというメッセージを国内に発信し続けているとみられます。今回の王毅外相による「接触否定」発言も、こうした国内向けのアピールの一環である可能性が高いでしょう。

茂木外相の説明を真っ向から否定することで、中国国内のナショナリズムを刺激し、政権への支持につなげる狙いがあるのかもしれません。日本側との具体的な接触があったとしても、それを公に認めないことで、国内向けには「日本に譲歩しない」という姿勢を貫く姿勢を示していると言えます。

ロシアと連携し、対日批判を継続


一方で、中国はロシアとの連携を深め、日本への牽制を強めています。中国外務省は7月25日、王毅外相が24日にキルギスでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談したと発表しました。この会談で、王毅外相は「日本の再武装を決して許してはならない」と述べ、強い警戒感を示しました。

これに対し、ラブロフ外相も「日本が再軍事化を加速させ、核を保有するというたくらみを高度に警戒し、それに断固反対する」と応じました。両国の外相が、まるで足並みを揃えるかのように日本の「再軍備」や「再軍事化」に対して否定的な見解を表明したことは、中国とロシアが安全保障政策を巡り、日本を共通の懸念対象と見なしていることを示しています。

この会談は、上海協力機構(SCO)の外相会合に出席する機会に行われましたが、両国が緊密な連携を確認し合ったことは、地域情勢に少なからぬ影響を与える可能性があります。日中関係が冷え込む中、中国がロシアとの関係を強化し、対日圧力を継続しようとしている構図が鮮明になっています。

日中外交の停滞と今後の展望


今回の茂木外相の説明と王毅外相のSNS投稿との食い違いは、単なる認識の齟齬にとどまらず、日中間の意思疎通が極めて困難な状況にあること、あるいは意図的に避けられていることを示唆しています。台湾情勢や安全保障政策を巡り、中国が日本に対して依然として強い警戒感と不信感を抱いていることは明らかです。

このような状況下で、二国間関係が前向きに進展することは極めて難しいと言わざるを得ません。中国側が国内向けの姿勢を優先し、対日批判を続ける限り、両国の関係は当面、緊張状態が続く可能性が高いでしょう。

日本としては、中国の動向を注視しつつ、外交努力を継続していく必要がありますが、相手の出方次第では、より厳しい対応を迫られる局面も想定されます。中国の外交政策が、国内の政治的思惑や、ロシアなどとの連携によって大きく左右される現状は、日本の外交戦略にとっても重要な課題と言えるのではないでしょうか。

まとめ


  • 王毅外相が茂木外相との接触を否定。
  • 中国の対日強硬姿勢の背景には台湾有事に関する日本の発言がある。
  • ロシアとの連携を強化し、日本への圧力を継続。
  • 日中間の意思疎通が困難な状況が続く。

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2026-07-26 13:01:49(櫻井将和)

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