自賠責保険の運用益助成金で不正発覚 NPOが1085万円を虚偽報告で不正受給

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自賠責保険の運用益助成金で不正発覚 NPOが1085万円を虚偽報告で不正受給

すべてのドライバーが強制加入する自動車損害賠償責任保険(自賠責)の保険料を運用して得た利益を原資にした助成事業で、不正や不適切な受給が相次いで発覚しました。一般社団法人日本損害保険協会が実施した調査では、2021年度から2024年度の4年間に222人・団体に支出した計約70億円のうち9件の問題事案が見つかりました。岡山市のNPO法人が実態のない事業で1085万円を受け取っていた悪質な事例も明らかになり、協会は「チェック体制がずさんだった」として再発防止策を徹底するとしています。

自賠責保険の運用益助成金で不正発覚 222団体への計約70億円に9件の問題


すべての自動車ユーザーが強制的に加入しなければならない「自動車損害賠償責任保険」(自賠責)の保険料を運用して得た利益を原資にした助成事業で、不正や不適切な受給が相次いで発覚しました。一般社団法人日本損害保険協会(損保協会)が2026年に自ら調査を実施した結果、2021年度から2024年度の4年間に222人・団体へ支出した総額約70億円のうち、9件の問題事案が見つかったと発表しました。

問題が見つかったのは「自賠責運用益拠出事業」と呼ばれる助成プログラムです。自動車ユーザーが支払う保険料の一部を運用して得た利益を財源とし、交通事故の減少や医療の発展に役立つ活動をしている個人・団体に助成しています。損保協会は1971年から同様の事業を実施しており、社会的な信頼を担う仕組みとして長年位置付けられてきました。

自賠責保険料を払っているのに、その運用益が不正に使われていたとは。許せない

NPOが実態のない事業で1085万円を受給 「虚偽の報告」で不正受給を繰り返す


損保協会によると、最も深刻な事案として明らかになったのが、岡山市のNPO法人「安全と安心 心のまなびば」による不正受給です。同法人は高齢者の安全運転啓発や中学生の交通安全自己学習システムの構築などを目的とする事業として、2023年度から2024年度にかけて計1085万円の助成金を受け取りました。

しかし実態は、事業のほとんどが実施されていませんでした。損保協会への報告書には、事業が進行しているかのような虚偽の内容が記載されており、協会はそれを見抜けないまま助成金を支払い続けていたといいます。

同法人の元役員の男性は取材に対し、「事業が思うように進まなかったのに、内容を膨らませて報告していた。やってはいけないことだった」と不正を認めました。同法人のウェブサイト上の事業報告は2022年度分を最後に更新が止まっていたことも確認されています。

「NPOが実態のない事業で1000万円以上も受け取っていたのか。公金の無駄遣いが酷すぎる」
「チェック体制がずさんって、これだけのお金が動いているのに誰も確認しなかったのか」

チェック体制の甘さが招いた不正 損保協会の管理責任は重い


損保協会は今回の調査結果を受け、「チェック体制がずさんだった」と認め、再発防止策を徹底するとしています。しかし、4年間にわたる222件・総額約70億円にものぼる助成事業で、なぜ不正が見逃され続けたのかは依然として疑問が残ります。

助成金の管理において本来求められるのは、申請内容と実績報告を照合する厳格な審査に加え、事業の進捗を数値で確認できる仕組みです。具体的な成果目標や中間指標(KPI)を設けず、報告書の記載内容だけを確認する体制では、今回のような「紙の上だけの事業」を見抜くことはできません。

9件だけが見つかっただけで、実はもっとあるんじゃないかと疑ってしまう

損保協会は今後、報告内容の実地確認を強化するなどの対策を講じるとしていますが、不正受給額の返還状況についても、国民に向けた明確な説明を早急に行う必要があります。

すべてのドライバーが払う保険料が原資 透明性と説明責任が不可欠


自賠責保険は、国内で自動車を運転するすべての人に加入が義務付けられています。この保険料の一部を運用して得た利益が助成の財源となっている以上、一連の不正は事実上、全国のドライバーへの裏切りに当たります。

自賠責保険料は近年の支払保険金の増加を背景に引き上げの議論が続いており、ドライバーの負担は増す方向にあります。それだけに、保険料の運用によって得られた資金の使途が厳格に管理されることは、国民への最低限の説明責任です。

毎年の自賠責保険料がこんなふうに使われるのは本当に腹立たしい。不正受給は厳しく取り戻してほしい

損保協会は再発防止策とあわせ、9件の不正・不適切事案の詳細と返還状況を速やかに公表するべきです。数値的な目標と定期的な進捗報告を義務付ける透明な制度の構築が不可欠であり、国民から強制徴収する保険料の運用益を扱う以上、曖昧なチェック体制は決して許されません。

まとめ


  • 一般社団法人日本損害保険協会が運営する「自賠責運用益拠出事業」で不正・不適切な受給が9件発覚
  • 2021〜2024年度の4年間に222人・団体に計約70億円を助成した中から発見
  • 岡山市のNPO法人「安全と安心 心のまなびば」が実態のない事業で2023〜2024年度に計1085万円を受給
  • 同NPO元役員が「事業が思うように進まなかったのに、内容を膨らませて報告していた」と不正を認める
  • 協会は「チェック体制がずさんだった」と認め、再発防止策を徹底するとしている
  • 自賠責保険はすべてのドライバーに強制加入が義務付けられ、その運用益が財源であるため国民全体への説明責任が問われる
  • 保険料引き上げが議論されている中でのずさんな助成管理は、ドライバーの信頼を大きく損なう問題

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2026-06-02 12:05:13(櫻井将和)

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